【掲載日】2023/09/07
糖尿病による頭痛とは?血糖値による原因から治療方法まで解説
糖尿病による頭痛
頭痛が起こる多くの原因は、血管の急激な拡張、血流の低下による神経の圧迫や炎症とされています。糖尿病になってしまうと、常に高血糖の状態であるため血液の流れは悪くなり老廃物は血管内に蓄積し、筋肉のこわばりや血管の膨張で頭痛が起こりやすくなってしまいます。
危険なのは高血糖だけではなく、糖尿病の治療のために過度にインスリンを摂取したり、食事を十分に摂らなかったりすると血糖値が急激に低下してしまい、頭痛やめまい、集中力の低下などの症状を引き起こす可能性があります。さらに、低血糖になるとアドレナリンが大量に分泌され、血管が急激に収縮してしまいズキンズキンと脈打つような強い頭痛が起こることもあります。
糖尿病の合併症について
糖尿病が続くと血管が徐々に傷ついていき、様々な合併症を引き起こします。
網膜症
血糖値が高いことによって、目の網膜に栄養を送っている毛細血管が傷んでしまい、血液の流れが悪くることで視力障害や眼底出血、末期の状態では突然失明してしまうこともある病気です。
腎症
血流の悪化で腎臓の機能が悪くなり、血液内の老廃物がろ過されずに体内を循環し、腎不全や人工透析に至る病気です。
神経障害とは
神経細胞への血流が欠乏し、内臓の働きを調節する自律神経と手足の感覚や運動を調節する運動神経に影響を及ぼします。主な初期症状は、立ちくらみ、排尿・排便障害、足先のしびれや冷え、足の裏に紙が貼りついたような感覚や、虫が這っているような感覚などが挙げられます。
糖尿病による頭痛はなぜ起こる?
血糖値スパイク
血糖値スパイクとは、高糖質の食品や炭水化物を多く含む食事後に血糖値が急上昇することや、インスリンが過剰に分泌されて血糖値が急降下することを指します。
血糖値が急激に上がったり下がったりすることで血管の細胞から強い酸化力を持つ活性酸素が大量発生し、血管の内壁を傷つけ動脈硬化のリスクが高まります。
動脈硬化が進行すると脳卒中や心筋梗塞といった命の危険を伴う病気の発症要因となりますので、クが高まってしまうので、食後に身体の不調や頭痛がみられる場合は血糖値スパイクとなっているサインかも知れません。
低血糖
血糖値スパイクは血糖値が急上昇してしまうだけでなく、急上昇した血糖値を抑えるために過剰にインスリンが分泌されると、血糖値が急速に下がってしまいます。
こうした低血糖の状態を回復させようと、体内の機能が活発になり、多くのノルアドレナリンが分泌されます。
副腎髄質から分泌されたノルアドレナリンにはブドウ糖の生成促進作用や血管を収縮して血圧を上昇させる作用がありますが、血糖値スパイクにより過剰にノルアドレナリンが分泌されてしまうとこれらの作用もおおきく働いてしまい、「ズキズキ」「ガンガン」といった一定の波で繰り返される頭痛が発生することがあります。
低血糖の状態では眠気、怠さ、集中力低下、めまい、肩こりといった症状が表れる特徴があるため、頭痛とともにこれらの症状が見られる場合には低血糖が原因である可能性があります。
糖尿病による頭痛で注意すべき点
糖尿病が絡む頭痛には、血糖値が低い場合、高い場合どちらにも該当することがわかりました。
そもそも糖尿病とは血糖値のコントロールがうまくできない状態にあるので、常に高血糖状態であったり、食後に急激に血糖値が上昇したり、空腹時やアルコールの過剰摂取、運動などですぐに低血糖になりやすかったりと、一日の中で目まぐるしく血糖が変動することも考えられます。
糖尿病の診断があり、かつ頭痛が見られる場合は、頭痛発症前に食事をしていないかを確認しておきましょう。食後に血糖値スパイクを起こしており、頭痛の引き金となっているかもしれません。
しかし、糖尿病の診断を受けていない場合にも血糖値スパイクとなる場合があります。一般的な健康診断では空腹時に血液検査をするため、測定した際には血糖値が正常値を示し、食後に血糖値スパイク担ってしまう体質であることを見逃してしまうケースもあります。
また、頭痛は健常者であっても疲労やストレス、天候やその日の体調などで表れる一般的な症状でもあるため、糖尿病や血糖値の変動がいま起きている頭痛と関連していると紐付けるには様々な検証が必要となります。
糖尿病の治療方法
糖尿病になってしまうと、体質的に血糖値がとても上がりやすい状態になってしまうため、完治できる病気として位置づけられていません。自身の糖尿病と向き合いながら健康水準を保つために症状をコントロールすることが糖尿病の治療となります。
薬剤を使用した薬物療法もありますが、まずは自分で簡単に生活に取り入れられる療法から始めてみましょう。
食事療法
糖尿病は適正な体重や接種カロリーをコントロールするためにも、適切な食事管理が大切です。
◆糖尿病の食事のポイント
- 適正エネルギーを守る
- 栄養素のバランスのとれた食事を摂る
- 一日3食を規則正しい時間に食べる
運動療法
適度な運動で体内の脂肪を減らし、筋肉量を増やすことでインスリンが効きやすい身体の状態を保つことを目的とします。激しい運動ではなく、通勤時に到着駅一つ手前の駅で降りて歩く、普段お歩行速度を少し早める、エレベーターではなく階段を使用するといった軽度な運動を週3~5日以上継続することが望ましいです。
まとめ
頭痛は一時的な症状の場合もあれば、脳や血管などに異常が出ているサインとして表れていることもあります。また、糖尿病は徐々に血管にダメージを与えていき、進行すると合併症を始めとする様々な病気の原因にもなるため、糖尿病の診断があるうえで頭痛症状が続いていると、身体に深刻な症状が潜んでいるかもしれません。
糖尿病や血糖値スパイクについて心当たりがあり、頭痛に悩んでいる場合には速やかに医師の診断を受けましょう。
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