【掲載日】2023/10/30

頭痛薬のおすすめ5選!薬が効かないときの対応についても解説

頻度や痛みの度合いなど、人によりその症状は千差万別ではありますが、誰もが一度は経験したことのある頭痛。その中でも日常的に頭痛に悩んでいる、いわゆる「頭痛持ち」の方は日本で約3,000万人といると言われています。ここでは、市販の頭痛薬の成分や、その選び方などを中心に記載していきます。

頭痛の原因・症状

頭痛の原因は様々で、それにより症状も異なります。頭痛持ちの方は、自分なりに発症しやすい条件や症状を把握しておくと日々の対策もしやすくなるでしょう。また、普段と違う頭痛の場合、心配な病気が隠れていたり、一刻を争うケースもありますので、そういった場合には早めの受診が必要です。

一次性頭痛と二次性頭痛

原因となる病気がなく頭痛が起きている場合は一次性頭痛といいます。反対に病気などの原因によって引き起こされる頭痛は二次性頭痛といい、重大な病気の場合は危険性が高まりますので、早急に専門のクリニックを受診して根本原因を明らかにすることが大切です。
また、慢性的に同じような痛み方をする頭痛を繰り返している場合で、特に原因となる病気がない場合は一次性頭痛が考えられます。

【一次性頭痛】

① 片頭痛
原因:ストレス、疲れ、空腹、アルコール摂取、寝不足(寝過ぎ)、月経、人ごみや騒音、天候・気圧の変化
症状:頭の片側が脈打つようにズキズキと痛く、光や音に敏感になる。体を動かしたり、入浴したりすると痛みが悪化する。

② 緊張型頭痛
原因:ストレス、顎関節症、長時間同じ姿勢(うつむき姿勢など)でいる、運動不足、眼精疲労
症状:後頭部、こめかみ、額を中心に頭重感や圧迫感やジワジワ締め付けられる感じがしばらく続く。緊張型頭痛の人が片頭痛を起こす混合型もある。

③ 三叉神経・自律神経性頭痛
原因:飲酒、喫煙、血管拡張剤の服用、気圧の変化
症状:頭の片側に頭痛が生じ、それと同じ側の目や鼻、耳などに異常が現れる頭痛。

④ 群発頭痛
原因:詳しい原因は不明ですが、目の後ろを通る血管が拡張することで炎症がおきると考えられている。
症状:1時間ほど頭痛が続くのが特徴で、毎日同じ時間帯に数日~3か月ほどの期間集中して起こる。その後、頭痛が起こらない時期があり、また群発期がやってくる反復するケースもある。睡眠中に起こることが多く、激痛で目が覚める。

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頭痛薬の選び方とは?

ひとえに頭痛といっても、片頭痛なのか、緊張型頭痛なのか、発熱を伴うものなのかなど、原因や症状などで頭痛の種類はさまざまです。ご自身の症状がどの頭痛に当たるのか、頭痛の種類に合わせて薬を選ぶようにしましょう。

頭痛の種類で選ぶ

① 片頭痛

軽度の片頭痛であれば、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどを配合する市販薬が効果的です。重度の片頭痛の場合は医療機関を受診し、強めの治療薬や予防薬を処方してもらうようにしましょう。

② 緊張型頭痛

頭痛の中で一番多くみられる種類の頭痛です。ロキソプロフェンやイブプロフェン、アセトアミノフェンが配合されたものがよいとされています。また、カフェインの摂取は血管を収縮させる作用があるため、血行不良が原因とされている緊張型頭痛には、カフェインが含まれていないものを選ぶと良いかもしれません。

③ 群発頭痛

かなり稀な頭痛で、市販薬ではあまり効果が見られません。この病気が疑われる場合は、早めに医療機関を受診し、必要な治療を受けるようにしましょう。

④ 発熱を伴う頭痛

頭痛・発熱以外に、風邪の症状(のどの痛み・鼻水・咳・痰など)があるようであれば、市販の総合感冒薬を選ぶと良いでしょう。抗ヒスタミン成分や鎮咳去痰成分が配合されているため、さまざまな症状から来る辛さが軽減できます。

頭痛薬の成分から選ぶ

①イブプロフェン

解熱・鎮痛の代表的成分。子宮への移行性が高いため、生理痛にも効果が高く、生理前後に生じる頭痛であればイブプロフェンを選択するのも良いでしょう。また頭痛・生理痛の他、風邪によるのどの痛みや関節痛の緩和にも作用するため、風邪薬にも配合されています。

②ロキソプロフェン(商品名:ロキソニン)

鎮痛作用・解熱作用・抗炎症作用のバランスがよい薬剤。他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイド)に比べ、痛みに対する作用が特に強いとされています。小児や妊婦には使用できないため、小児や妊婦に使用するのであればアセトアミノフェンを検討します。

③エテンザミド

イブプロフェンやロキソプロフェンと同様に非ステロイド性抗炎症薬【NSAIDs】(※1)に属する解熱鎮痛剤です。頭痛持ちの人は、痛覚の過敏により繰り返し起きることが多いため、エテンザミドの中枢神経への働きかけで、痛みの伝わりを押さえ繰り返す痛みを軽減させることが期待できます。

④アセトアミノフェン(商品名:カロナール)

非ピリン系解熱鎮痛剤(※2)で中枢神経に働きかけて鎮痛や解熱に効果を発揮します。抗炎症作用はほとんどありません。胃腸や腎臓への負担が少なく、15歳以下の小児や妊婦にも使用できます。

※1 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID:エヌセイド)
ロキソプロフェン、ボルタレン、イブプロフェン、アスピリンなど。
※2 非ピリン系解熱鎮痛薬
アセトアミノフェン(カロナール)

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薬の種類(市販薬・漢方薬)から選ぶ

①鎮痛薬(西洋医学的)

頭痛であればその痛み自体を抑制してくれるのが、ロキソニンなどの消炎鎮痛薬です。基本的に、こういった薬は対症療法となり、即効性もあります。

②漢方薬(東洋医学的)

直接的に痛みを取り除くといった効果はあまりなく、補助的に使用することが多いのが特徴です。西洋医学に対して東洋医学では、頭痛は体の中のめぐりが悪く上部(頭)への「気」や「血」の流れが乱れた状態であると考えられています。頭痛持ちの人は冷えを有し、胃腸の働きが弱まっていることが多いため、漢方では「気」を補い、胃腸を温め、働きを高めることで、「気」の滞りを改善し頭痛にも有効に働くとされています。
特に慢性頭痛の場合、鎮痛薬を長期的に使用すると、効果が出にくくなるばかりか使用過多により更なる頭痛を引き起こすこともあるため、局所から全身にかけてはたらきかけ、自然治癒力を高める漢方薬を選択肢に入れると良いでしょう。天気が影響する頭痛は、気圧の変化により自律神経が乱れ、体内の水分バランスが崩れて不調を生じます。漢方の中でも「五苓散」は、体内の水分バランスを整える働きがあり、こういった症状の方によく用いられているようです。

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頭痛に効く市販の頭痛薬 おすすめ5選

発熱を伴う頭痛

発熱がある場合、ウイルスや細菌などの感染性の症状である可能性があるため、咳・痰・鼻水・のどの痛みなどの症状があるようなら、総合感冒薬を選択すると良いでしょう。

パブロンエースPro-X錠(大正製薬)【指定第2類医薬品】

有効成分 イブプロフェン・L-カルボシステイン・アンブロキソール・ジヒドロコデインリン・ジヒドロコデインリン・クロルフェニラミンマレイン・リボフラビン
効能・効果 かぜの諸症状(のどの痛み、せき、たん、鼻みず、鼻づまり、くしゃみ、発熱、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和
服用可能年齢 15歳以上
服用回数 1回3錠、1日3回
眠くなる成分 入っている
形状 錠剤
内容量 18錠/36錠

ルルアタックFxa(第一三共ヘルスケア)【指定第2類医薬品】

有効成分 イソプロピルアンチピリン・アセトアミノフェン・ショウキョウ末・クレマスチンフマル酸塩・グリチルリチン酸・チペピジンヒベンズ酸塩・ノスカピン・dl-メチルエフェドリン塩・無水カフェイン・アスコルビン酸
効能・効果 かぜの諸症状(発熱、悪寒、頭痛、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み、くしゃみ)の緩和
服用可能年齢 7歳以上
服用回数 15歳以上:1回2錠、1日3回
7歳以上15歳未満:1回1錠、1日3回
眠くなる成分 入っている(クレマスチンフマル酸塩)
形状 錠剤
内容量 12錠/24錠

緊張型頭痛におすすめの市販薬

一次性頭痛の中では最も多い緊張型頭痛は、キリキリと頭を締め付けるような痛みが特徴です。市販薬は主に、非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)・アセトアミノフェン・カフェインを含む鎮痛薬が多いです。

ロキソニンSプレミアム(第一三共ヘルスケア)【第1類医薬品】

有効成分 ロキソプロフェンナトリウム水和物、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
効能・効果 痛みや熱の原因物質(プロスタグランジン)をすばやく抑え、すぐれた鎮痛効果・解熱効果を発揮。また、アリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインの配合により鎮痛効果を更に高め、同時に胃粘膜保護成分(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム)で胃を守ります。
服用可能年齢 15歳以上
服用回数 1回1錠、1日2回まで
眠くなる成分 入っていない
形状 小型錠剤
内容量 12錠

片頭痛におすすめの市販薬

ズキンズキンと脈打つ痛みや、頭の片側が痛む、光や音に敏感になる、吐き気を伴うなどが特徴的な症状の片頭痛には、アセトアミノフェンやNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)の成分が効果的とされています。

ノーシン(アクラス)【指定第2類医薬品】

有効成分 アセトアミノフェン、エテンザミド、カフェイン水和物
効能・効果 頭痛によく効く3つの成分(ACE処方)で、胃に優しく早く効く
服用可能年齢 15歳以上
服用回数 1回2錠、1日3回まで
眠くなる成分 入っていない
形状 小型錠剤
内容量 16錠/32錠/64錠

タイレノールA

有効成分 アセトアミノフェン
効能・効果 主に脳(中枢神経)に作用し、痛みや熱をおさえます。胃に優しく空腹時にも飲める。(風邪による悪寒・発熱時は空腹時は避けるのがベター)
服用可能年齢 15歳以上
服用回数 1回1錠、1日3回まで
眠くなる成分 入っていない
形状 錠剤
内容量 10錠/20錠/30錠

頭痛についてよくある質問

頭痛薬が効かないときはどうすればいい?

薬が効かない原因として考えられるケースとその対処を記載します。

① 服用のタイミング
痛みを我慢して痛みの原因物質が増加してしまうと薬が効かない場合があります。痛みが出たらすぐに鎮痛薬を服用するようにしましょう。

② 過度な使用
鎮痛薬を使用する回数が1か月に10回以上となると、薬物乱用により頭痛を引き起こす可能性があります。過度に使用することで効き目も悪くなりますので注意しましょう。

③ 薬が合わない
頭痛には色々な種類があり、薬も効果の強さや効き方、作用時間も様々なので、ご自分に合った鎮痛薬を探していくことも大切です。

④ 頭痛の慢性化
頭痛は慢性化すると治りが悪くなります。長期間鎮痛薬を使用していると、薬に対する耐性ができ、片頭痛症状だけだった方が緊張型頭痛の症状も重ねて出てくる場合もあります。慢性的に続く場合は、適切な処置を受けるため一度頭痛外来を受診すると良いでしょう。

新型コロナウイルスへの感染が疑われる際の頭痛薬の使用について

新型コロナウイルス罹患の際には、アセトアミノフェン製剤やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の服用は有効です。また、ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対しても、同様の解熱鎮痛薬の使用は有効とされています。
※市販のNSAIDs・・・アスピリン・イブプロフェン・エテンザミド・イソプロピルアンチピリンなど

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まとめ

今や日本人の4人に1人が頭痛持ちと言われるほど、多くの人が悩まされている頭痛ですが、手軽に入手できる市販薬でうまくコントロールできると、日常生活を送る上でも安心感がありますね。頭痛を抑えるための鎮痛薬は、身近なドラッグストアでもたくさんの種類が販売されているので、ご自分に合った鎮痛薬を見つけておくことも大切です。
ただし、市販薬をしばらく服用しても効果が出ない場合は、まずは危険な頭痛でないかを確認するために、頭痛外来もしくはMRIなどの検査機器のある脳神経外科へ行くことも検討すると良いでしょう。危険な病気の可能性がなくなれば、頭痛に対する診察と薬の処方などに治療の方向性を定めることができます。中度~重度の頭痛となると、市販薬にはない成分の処方や、頭痛の頻度が多い方には予防薬も合わせて処方される場合もあります。
頭痛は、人によって痛みの度合いや頻度も異なり、感じ方も様々ですが、日常生活に少なからず影響を及ぼしますので、痛いと感じたら我慢せず早めに対処するようにしましょう。

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