治験の謝礼金について

治験の謝礼金とは?

治験に参加することで、治験ボランティアは様々な制限が設けられます。
指定された施設へ決められた日時に参加し、規定の期間中は医療機関の指示に従っていただくなど、参加されるボランティアの方は何かしらの負担が生じます。
このようなボランティアの経済的負担を軽減する目的として、治験実施期間や医療メーカーからボランティアに対して支払われる謝礼金を「負担軽減費」と呼びます。
会社やアルバイトなどで受け取る給与は、会社の利益や経済的支援のための労働の対価として、雇用契約に基づき雇用主から従業員へ支払われる報酬を指しますが、負担軽減費は本人の自由意志に基づき、ボランティアとして自ら志願して治験へ参加する際の不利益を救済する為の制度として支払われる謝礼を指しています。

治験とは(意味やメリット・臨床試験との違い等)

治験について(一般の方へ)|厚生労働省

負担軽減費(謝礼金)の構成要素

負担軽減費は治験へ参加するボランティアの負担を軽減するための謝礼と定義されているため、その負担の程度が大きいものほど負担軽減費の金額が高く設定されます。
負担軽減費の金額は治験の内容により異なりますが、負担軽減費を構成する要素は大きく4つに分類することができます。

拘束時間

治験は決められたスケジュールに沿って行われるため、参加するボランティアはそのスケジュールに合わせて時間を確保しなければなりません。そのため、ボランティアは治験に参加するために仕事を休んだり、予定を入れたりしないようにスケジュールを調整する必要があります。
また、治験は主に通院タイプと入院タイプ、または入通院のタイプに分類され、それぞれのスケジュールの傾向も異なりますが、いずれも治験による拘束時間が長いほど負担軽減費は高額に設定されます。
通院タイプの治験の場合では、一通院あたりの拘束時間が短く、その日のうちに帰ることができるようなものが多いです。また、通院回数も一回で終わるものから一年以上定期的に通院するものまであります。
入院タイプの治験の場合は、指定された医療機関での入院を必要とするため、拘束時間以外にも参加するまでの交通費や移動時間、施設内での規律順守などの制約が多く発生します。
一週間通い続ける通院タイプの治験と、一週間の入院タイプの治験では後者のほうが拘束時間の合計が長くなるため、必然的に入院タイプの治験の負担軽減費金額は高く設定されます。

予想されるリスク

新薬開発では動物実験を経た結果、ヒトに対する安全性に問題がないことが理論上実証されたうえで、ヒトを対象とする治験が開始されます。日本国内で実施される治験は、海外承認済みの薬剤を日本人に投与した場合の安全性を確認することを目的としていますが、未承認の薬剤や市場に出回っていない試験品などを使用することもあります。
そのため、投薬による副作用や人体への影響といったリスクが発生する場合があることを、ボランティアは治験参加時に理解しなければなりません。
投薬による副作用の症状は、眠気や下痢、便秘、胃の不快感、倦怠感など様々ですが、投薬対象となるボランティアの体質や相性などにより、同じ治験薬を使用しても全く副作用が表れない人もいれば、副作用が発生する人もいます。そのようなあらかじめ想定されるリスクは、治験の最初に行われる担当医師からのインフォームドコンセントにより、事前に説明することが義務付けられています。その説明を十分に受け、自身の身体の状態を考慮したうえでないと治験に参加することはできません。治験薬の投与により大きな副作用が想定される治験や、体への負荷がかかる作業があるような治験は、負担軽減費の金額も高く設定されます。

治験のリスク(危険性)と安全性

治験における副作用への注意|厚生労働省

経済的負担

治験参加による経済的な負担とは、治験に参加する時間を確保するために仕事を休むことで、本来得られるべき収入が失われること、施設まで交通費を捻出して移動すること、指定された薬剤の購入や、指定の病院で診察する際に支払う医療費などを指します。これらは治験に参加するために必要な自己負担による支出となってしまい、治験のためにボランティアとして志願して参加するにも関わらず、不利益を生じさせてしまうことになるため、その負担軽減のために謝礼が支払われます。

制約条件

治験参加期間中は外的要因により治験で得るためのデータに支障が出ないように、日常生活に対して様々な制限がかかることがあります。
投薬を伴う治験では、主に飲食や嗜好品に関する制限事項が設けられ、具体的には飲酒、喫煙、治験薬以外の服薬の禁止などが挙げられます。入院タイプの治験では、帰宅や外出が禁止されており、24時間施設内に滞在しなければなりません。また、通院タイプの治験や食品試験などでは、生活習慣が変わったり体重や血液検査値が変動したりしないように、運動の制限や、旅行や海外渡航の禁止、朝昼夕の三食の食事や十分な睡眠といった規則正しい生活習慣などが設けられます。
このように制限が多い治験や、参加条件に年齢や体格の制限、疾患や症状の有無などが細かく定められている治験の場合も負担軽減費金額は高く設定される傾向にあります。

治験に参加されるときに患者さんに守っていただくこと|厚生労働省

負担軽減費(謝礼金)の相場

負担軽減費の金額は、治験を実施する医療機関や製薬メーカーが主に設定しています。
治験で使用する薬剤や内容により、被験者にかかる負担は異なるので一つの治験ごとに金額を設定しますが、同じような治験を比較した際に、片方が明らかに突出したような金額を設定するといったことはできず、過去の事例や経験則から大体の相場が決められております。

通院の場合

通院タイプの治験の場合、まる一日拘束されるようなものはほぼなく、数時間から半日程度で終わるものが大半です。また、検査内容も日誌に生活記録をつける、試験食品を定期的に摂取する、自宅で課題を行うといった手軽な内容であることが多いです。
そのため、通院タイプの治験では一通院あたり7,000~10,000円が相場となり、負担軽減費は「一通院あたりの負担軽減費×日数」で主に設定されています。
注意するべき点として、治験の期間は負担軽減費の増減にあまり関与しないということです。三ヶ月で終わる治験と半年かかる治験があり、かつそれぞれの通院回数が同じである場合、負担軽減費の総額が大きく変わるようなケースはあまりございません。
また、通院タイプの治験ではサプリメントや化粧品モニターなどの試験品を提供されることが多いため、負担軽減費以外のメリットもあります。

入院の場合

入院タイプの治験は、拘束時間も長く制限要項も多く設けられるため、通院タイプの治験よりも負担軽減費は高くなります。全国平均の最低賃金が930円(※2021年時点)とされているので、930円×24時間とすると一泊あたり約20,000円を目安に想定されています。加えて、入院タイプの治験の大半は治験薬を投与する内容となっているため、時間的拘束の他に薬剤投与による身体への影響を鑑み、入院タイプの治験は1泊あたり20,000~30,000円が相場となっています。
宿泊数の回数が負担軽減費の増減に直結するため、総額の判別は通院タイプの治験と比較して視覚化しやすくなっています。

負担軽減費(謝礼金)に関する注意点

治験でボランティアが行うことは、肉体労働や事務作業のような一般的な仕事の業務内容とは異なり、検査と待機が多くを占めています。特に入院タイプの治験では検査以外の時間は安静状態で日中を過ごすことが多く、かつ負担軽減費も支払われるために、「何もしないでお金がもらえた」「仕事よりも楽に稼げる」といった考えを抱きがちです。
そのため、短期間で多くの負担軽減費を得ようと、一つの治験を終えた後に別の治験へすぐ参加しようと考えてしまうのは誤りです。

治験には休薬期間がある

治験が完了した後、得られたデータの整合性の確認や、参加者の身体への安全性を確保するために経過観察の期間が設けられます。特に後者については、治験薬の成分が体外へ完全に排出されるまでに時間を要するほか、年間あたりの採血量が定められているなど、短期間に連続して治験に参加することができないように「休薬期間」が設けられます。
治験で投与した薬剤や内容により休薬期間は変わりますが、次の治験に参加するまでにおおよそ3~6ヶ月程度期間を空けるように定められています。
なお、休薬期間の範囲にも種類があり、最終投薬日や最終治験参加日から休薬期間が始まり、次回の治験参加同意日や治験薬投与日を休薬期間の終わりとしているケースが一般的です。

同時に複数の治験には参加できない

治験薬投与を伴う治験では、別の治験薬も同時に投与してしまうと薬物相互作用が表れ、薬の安全性や有効性を正しく判定できないだけでなく、想定されていない副作用や健康被害が生じるリスクが発生してしまう危険性を孕みます。
同様に健康食品や運動モニターなどの治験も、綿密に計画された運用手順と決められた条件下で実施されるため、同時期に他の治験に参加することで得られるデータの正確性を失ってしまう可能性があります。

治験バイトという表現は正式ではない

「治験バイトで高額収入!」「治験で○万円もらえる!」といった名目でボランティアを集めることは禁止されています。
負担軽減費を募集要項として表示させることは可能ですが、治験に参加することで被る負担を軽減させる目的の謝礼であり、給与や報酬と同様の括りにして治験参加の対価として金銭を支払うような意図を含む表現は、金銭誘引や金銭目的での参加を促していると判断されるため認められていません。
また、「バイト」といった表現は、本来利益や経営の拡大を目的とした無期雇用での労働を指しますが、治験に参加する被験者は本人の自由意志に基づき参加するため、有償ボランティア(治験ボランティア)として区別する必要があります。
治験のボランティアを募集している運営サイトが上記の表現を使用せずに案内をかけていれば、治験への理念を理解し、ボランティアにも丁重に対応している可能性が高いので、信頼できるサイトを判別するための材料として検討しましょう。

負担軽減費(謝礼金)に税金はかかる?

負担軽減費を受け取る際は所得税などの税金はかからないため、治験実施医療機関から規定額が満額支払われます。しかし、受け取った負担軽減費は税区分上では雑所得に該当します。
雑所得は課税対象であるため、一年間で得た収入に応じて確定申告をする義務が発生しますが、家族構成や収入の内訳などによって納税額が変わってきます。
正社員など主たる勤務先から給与が支払われ、かつ副業として治験に参加し負担軽減費を得た場合は、一年間(1月~12月)に得た負担軽減費(及びその他の副収入)の総額が20万円を超えた場合に確定申告が必要となります。
また、給与を貰うようなアルバイトを含む仕事をしていない場合、一年間に得た負担軽減費の総額が48万円を超えると確定申告が必要になります。

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負担軽減費(謝礼金)の受け取り方法

負担軽減費は現金手渡し、または銀行振込で支払われます。また、治験完了後に一括で支払われる場合や、特定のタイミングごとに分割で支払われることもあります。
これらの支払い方法は治験の内容で左右されるわけではなく、治験を実施する医療機関の振込に関する運用方法に則っています。
入院タイプの治験では、全日程を完了しなければ期待できるデータを得ることができないため、治験完了後に負担軽減費が一括で支払われる事が主流となっています。
また、長期にわたる治験や通院タイプの治験では、来院頻度が多く交通費がかさむことや、長期のスケジュールまで見通せず、やむを得ない事情で途中離脱してしまうボランティアを懸念し、来院ごとや一定の期間毎に負担軽減費が支給される場合もあります。

臨床試験の流れ

まとめ

治験に参加することは、医療開発や社会貢献活動の一環として直接的に協力できることとしての価値がありますが、負担軽減費を受け取ることも魅力の一つとして外すことはできません。
負担軽減費の本来の意味を履き違えず正しく理解したうえで、治験に参加したことの自分へのご褒美として謝礼を受け取りましょう。

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