病気の基礎知識:糖尿病

高血糖の原因とは?

血糖値が高くなった時に出る症状や原因について

糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことで、さまざまな合併症を引き起こす病気です。糖尿病を予防すると同時に、悪化を防ぐためにも、慢性的に高血糖を引き起こしてしまうような原因やその初期症状を理解しておく必要があります。日々の生活習慣だけでなく、血糖値の安定に関わるホルモンの働きによっても左右されるため、知らないうちに高血糖を招くような事態を招いているかもしれません。自分自身の健康管理に役立てるためにも、高血糖の原因や症状について、知識を深めましょう。

 

目次

高血糖とは
 糖尿病の判定基準
 血糖値の正常値
高血糖の原因
 糖質の過剰摂取
 インスリン作用不足
高血糖になる生活習慣
 甘い物を食べる
 高ストレス
 食事の時間が不規則
高血糖の症状
 異常に喉が乾く
 おしっこの回数、量が増える
 おしっこが泡立つ
 疲れやすい&体重の減少
まとめ:高血糖の原因と症状を知り、早期対策を!

 

高血糖とは

糖尿病と診断される基準項目として使われる血糖値。血糖値とは、血中に含まれるブドウ糖の量を測ったもので、高ければ高いほど、合併症のリスクが上がるとされています。また、一時的な高血糖であっても、血管を傷つけるとされており、さまざまな病気の発生に関わるものです。

本来、血糖値は、食事や生活習慣によって、常に上下しているものの、ホメオタシス(生体恒常性)の働きで、ある程度一定の状態を保つように体内での調整が行われています。健康であれば、極端に上がりすぎることもなく、時間の経過とともに血糖値は落ち着くものです。しかし、糖尿病と診断される人や予備軍の人は、一時的であっても、正常な値を超えた高血糖になってしまったり、高血糖の状態が続いたりします。そのうちに、血糖値が安定しづらくなってしまうのが糖尿病です。では、実際に糖尿病と診断される「高血糖」とは、どのようなレベルを指すのでしょうか。

糖尿病の判定基準

糖尿病と診断される判定基準は、3つあります。というのも、血糖値は食事の影響を受けてしまうため、測定したタイミングによって、判断の仕方が変わるからです。

まずひとつ目が、早朝の空腹時検査の場合。朝食を食べずに採血し、血糖値を測定する方法で、早朝空腹時血糖検査と呼ばれています。このときの血糖値が126mg/dL以上で、糖尿病と診断されます。

2つ目は、随時血糖検査です。空腹時に限らず、いつ食事を取ったかわからない状態で血糖値を測定し、200mg/dL以上が診断基準となります。

そして3つ目が、75 g 経口糖負荷試験(OGTT)といわれる空腹時とブドウ糖を飲んだ後の血糖値を測定する方法です。75gのブドウ糖を飲み、その後3回に分けて測定を行います。空腹時の血糖値が126mg/dL以上、もしくは、ブドウ糖を飲んだ後、2時間後の血糖値が200mg/dLを超えた場合、糖尿病と診断されます。この検査は、意図的に血糖値を上げる方法になるため、自覚症状からすでに高血糖状態が推測される場合には、使われません。

自覚症状だけで判断されるケースもありますが、基本的に、上記の3つの検査から、いずれかの結果で基準値を超える値が出た場合、糖尿病が確定します。

血糖値の正常値

上述したような高血糖の数値ではないからといって、必ずしも正常とは限らないため、安心は禁物です。糖尿病を診断する際には、3つのタイプに分けられており、慢性的な高血糖が続く「糖尿病型」と、正常な状態を維持できている「正常型」、そして、その中間に位置する「境界型」があります。

正常型とされる血糖値は、空腹時が110 mg/dl以下であり、かつ
ブドウ糖を飲んで2 時間後の値が140 mg/dl以下の範囲。空腹時の血糖値が、110
mg/dl
を超えているのであれば、境界型となり、いわゆる糖尿病予備軍です。将来的に糖尿病と診断されるリスクが高いため、早めの悪化予防に取り組む必要があるでしょう。

血糖値の平均値がわかるHbA1c

糖尿病の診断材料に使われている、「HbA1c(エイチビーエーワンシー)」が気になる人も多いのではないでしょうか。

食事の影響などを受けて上下してしまう血糖値と比べて、HbA1cは過去12ヵ月程度の血糖値平均を反映しています。もし検査の前に暴飲暴食をしてしまい、いつも以上に血糖値が上がっていたとしても、HbA1cの値が低ければ、慢性的な高血糖ではないことがわかります。逆に、食事を控えて、いつもより低い血糖値が測定された場合でも、HbA1cの値が高ければ、糖尿病のリスクが考えられるケースもあります。

ただし、HbA1cの数値のみで糖尿病と診断されることはなく、基本的な判断材料となるのは、やはり血糖値です。上述した血糖値に加えて、HbA1CNGSP)が6.5%以上(JDS値:6.1%以上)であれば、糖尿病と確定されます。普段の血糖値が正常範囲にあるとされる場合のHbA1cは、4.6%~6.2%(NGSP/JDS値:4.3%~5.8%)が目安です。

 

高血糖の原因

一時的に高血糖になったからといって、必ずしも糖尿病と診断されるわけではありません。しかし、高血糖の状態が続けば、糖尿病と診断されるだけでなく、血管系のトラブルが起こるリスクが上がり、さまざまな症状に悩まされることになります。高血糖を予防するためにも、高血糖を引き起こす原因を知り、対策を取ることが大切です。高血糖になってしまう仕組みや原因として、以下のような大きく2つの要因が挙げられます。

糖質の過剰摂取

上述したとおり、血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量を測定したものであり、食事によって上下しています。そのため、食事による影響は計り知れません。

食材のなかでも、急激な血糖値上昇を招いてしまうのが、体内でブドウ糖に変わる糖質です。糖質は炭水化物に含まれるもので、ご飯や麺類、イモ類、砂糖を含む甘いものなどがあります。一方で、タンパク質や脂質などの栄養素は、糖質と異なり、血糖値の急上昇を起こすことはなく、ゆるやかなカーブを描く程度です。人が必要とする三大栄養素(タンパク質、脂質、糖質(炭水化物)のうち、血糖値を上げるのは、糖質のみ。つまりは、糖質の摂りすぎによって高血糖を招く結果となっています。

丼物や麺類など、日本人にありがちな主食メインの食事に偏っていたり、砂糖を使った甘い味付けを好んだりする人は、食事のたびに血糖値が跳ね上がり、身体に負担をかけてしまいます。さらに、途中でお菓子などの甘い間食を取ってしまえば、上がった血糖値を下げるタイミングがないまま一日を過ごすことになるでしょう。

インスリン作用不足

本来、人の身体は血糖値を安定させる作用が働いているため、食事などの影響で一時的に高血糖になったとしても、血糖値を下げるホルモンを分泌し、調整しようとします。このホルモンが、「インスリン」です。

体内で働くホルモンはたくさんありますが、血糖値を下げることができるのはインスリンしかありません。血糖値を上げるホルモンは数種類あるものの、下げる作用を持つのはたった1つだけです。そのため、インスリンが効かなくなってしまうと、血糖値を下げることができず、高血糖の状態が続いてしまいます。

インスリンが効かなくなる理由にもいくつかあり、そのひとつが、インスリンそのものの分泌量が少なくなるケースです。インスリンは、すい臓のランゲルハンス島という組織にあるβ細胞でつくられており、血糖値の上昇を感じると、すばやく分泌されます。しかし、先にも記述したとおり、糖質の多い食事を続けていると、常に血中の糖を処理しなければいけない状態にすい臓が疲れてしまい、処理能力が低下します。いわば過労の状態が起こり、インスリンの分泌量が減ってしまうというわけです。

また、インスリンは出ているのに、細胞や内臓の反応が悪くなる「インスリン抵抗性」になっているケースもあります。インスリンは血糖値を下げるだけでなく、筋肉や一部の内臓にブドウ糖を届ける際に、通行手形を発行するような役割も担っています。しかし、肥満や運動不足などの影響で、インスリンを邪魔する物質が発生することがあります。すると、糖を運んでも、手形を受け入れてもらえず、血中に糖が残る状態が続いてしまいます。これが、「インスリン抵抗性」です。糖を処理したくても、運び先に拒否されれば、血糖値は上がったまま、下げることができなくなってしまい、高血糖状態が続いてしまうというわけです。

 

高血糖になる生活習慣

本来、健康な人であれば、空腹時でも血糖値が上がりすぎることもなく、食後の急激な変化もありません。しかし、高血糖となる原因を作るような生活を続けてしまえば、体内の処理能力が低下し、インスリン抵抗性になる可能性もあります。高血糖になりやすい習慣として、以下のようなことをしていませんか?

甘い物を食べる

糖質の過剰摂取は、高血糖を起こす大きな原因のひとつです。普段から甘いものが大好きな人は、特に要注意。朝ごはんにジャムを塗ったパンを食べ、昼はうどん、夜は砂糖たっぷりの肉じゃがに、大盛りの白ご飯、食後のデザート……そんな食生活では、高血糖のリスクが増大します。

甘いものといっても、ケーキのようなものばかりではありません。せんべいのような塩気の強いものでも、その原材料は小麦や米であり、血糖値を上げる糖質です。また、健康志向のつもりでも、糖度の高いフルーツ類を食べすぎてしまえば、高血糖を招きます。

高ストレス

ストレスが多い生活を送っている人も、高血糖を起こす可能性が高いもの。私たちの身体は、ストレスが多い時こそ、エネルギーを欲しており、糖の必要量が上がります。ストレスによって甘いものを食べたくなるのは、そういう理由です。もし、甘いものを食べなかったとしても、身体のなかでは筋肉を壊してでも糖を作り、ストレスに対処するためのエネルギーを確保しようとします。普段は甘いものを食べていなくても、ストレスがあるだけで、血糖値が高くなってしまうのです。

食事の時間が不規則

もうひとつ注意したいのが、食事のタイミングです。食事の間隔が短かったり、逆に長かったりすると、血糖値を安定させることが難しく、身体に負担をかけてしまいます。たとえば、間食を含めて、日に何度も食事をすると、血糖値を下げるタイミングがなく、高血糖が続いてしまいます。逆に、空腹の時間が長く続いてしまうと、血糖値が下がりすぎないように体内で糖を作りだし、そのうえ食事による血糖値の上昇が重なるというパターンもあります。さらに、食事の時間が不規則になると、早食いやドカ食いにもなりがちです。暴飲暴食で、急激な血糖値上昇を招くリスクが高まることでしょう。

 

高血糖の症状

高血糖を放置してしまうと、いずれは糖尿病が悪化し、さらに神経障害などのおそろしい合併症のリスクを高めてしまいます。糖尿病は生活習慣病のひとつであり、普段の生活を見直すことで、早期改善や悪化防止が可能です。とはいえ、自身が高血糖になっているかどうかに気付けなければ、早期発見もできません。以下のような症状が思い当たる人は、病院での診察を受けてみましょう。

異常に喉が乾く

高血糖で、糖の量が増え濃くなった血液に対して、身体は多くの水分を使って薄めようとします。体内にある水分だけでは足りず、喉が渇いたというサインを発して、外から取り込もうとするのです。単純な喉の渇きとは異なり、血糖値が安定するまで水分を求めてしまうため、お腹は水で膨れているのに、まだ飲みたくなるという異常な感覚があります。

おしっこの回数、量が増える

おしっこの回数や量が増えるのも、高血糖症状のひとつです。糖尿病は、読んで字のごとく、尿を通じて糖が出てくる病気です。糖を外に排出しようとして尿の回数が増えてしまいます。水分を取る回数が増えるのも影響して、尿量も多くなるでしょう。

おしっこが泡立つ

おしっこをしたときに、なかなか消えない泡が出ることも、高血糖のサイン。勢いだけで泡立つ場合にはすぐに泡は消えてしまいますが、血糖値が高い人の尿は糖による粘り気が多く、泡が残ってしまいます。腎臓の不調や、一時的な疲労やストレスによっても、タンパク尿となって同じように泡が残ることがあります。気になる場合には、早めの受診で原因を突き止めましょう。

疲れやすい&体重の減少

高血糖の人に多いのが、疲れやすいという症状です。糖はエネルギー源として使われるものですが、インスリン抵抗性などの影響で、うまくエネルギーに変えることができず、疲労感が募ります。また、糖尿病は、肥満による影響も大きいものの、悪化とともに体重の減少が起こりやすくなるのも特徴です。どんなに食事をしても、エネルギーに変えることができなければ、食べたものはすぐに消費され、太ることすらできなくなってしまいます。ダイエットをしていないのに、急激に体重が減ってしまったり、以前は太っていたのに徐々に痩せてきてしまったりという人は、注意が必要です。

足のケガが治りにくい

高血糖が続くと血管に負担がかかることから、血流が悪くなったり、末端神経の不調が起こったりします。血液の濃度が高く、血液の循環が悪くなることで、再生に必要な材料が届かず、ケガが治りにくくなるのも、高血糖が影響している可能性があります。とくに、心臓から遠い位置にある足のケガがなかなか治らないという人は、一度血糖値を測定してみましょう。

 

まとめ:高血糖の原因と症状を知り、早期対策を!

高血糖が起こっていても、目には見えず、自分では気付きにくいもの。さまざまな症状からサインが送られていますが、加齢のせいにしたり、いつものことと放置していたりすると、いつの間にか悪化している可能性があります。普段の生活習慣を見直すと同時に、定期的に症状の有無をチェックし、糖尿病悪化を防ぎましょう。健康寿命を延ばすためにも、高血糖を起こさない日々を過ごしたいですね。

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