治験の安全性 とリスク(副作用や死亡事例)

治験の安全性について

治験とは、新薬の有効性と安全性を確認するために行われる臨床試験の事を言います。
今のお薬よりも有効かつ安全でなければ治験は認可されません。
そして、医学ボランティアの方々の人権や安全を最優先するための実施方法に関する厳しい基準や治験の妥当性、副作用などについて厳しく審査し認可されたものが実施されております。

・ヘルシンキ宣言
世界医師会にて採択された倫理規範。
・GCP(医薬品の臨床試験の実施基準)
厚生労働省で定めた人権や安全を最優先するための厳しい基準。
・IRB(治験審査委員会)
治験の妥当性や副作用などについて厳しく審査。

治験のリスク(危険性)について

厚生労働省にてまだ承認されていない「くすりの候補」を摂取する為、治験中や治験終了後に、予期できない何かしらの副作用が発生する場合があります。
そのため、治験の最初の段階では「くすり」の成分をごく少量の投与にとどめ、順次増量していくなど、副作用が起こる可能性をできるだけ少なくするように配慮されています。その上で、より安全に進めるために、治験では通常の診療よりも通院回数や検査回数が多く、より丁寧な診療が行われており、万が一体調に何らかの変化が生じた場合でもすぐに発見、対処できるように専門医が健康管理を徹底しています。
また、治験参加前に必ず「インフォームド・コンセント」が実施され、担当医師等から、参加する治験の詳細な内容や発生する可能性のある副作用等についての説明が行われます。それを受けた上で治験に参加するかどうかはご本人の自由意志で決めることができます。

尚、治験に起因したと認められる理由(治験薬の服用など)で万が一、健康被害が生じた場合は、医療施設にて担当医師が速やかに診察し適切な治療を行います。補償については治験の依頼者である製薬メーカーが適切に対応いたします。
ただし、下記のように治験自体と因果関係が認められない健康被害については製薬メーカーの補償の対象外となります。

1.虚偽の申告をした、用法用量を守らなかった等医師の指示に従わなかった場合
2.機会原因に起因する場合(例:通院中の交通事故など)
3.入院中の食事が原因の食中毒など

治験による死亡リスクについて

治験は日本国内だけではなく、世界中で過去何十年も日々実施されています。
また、前提としてヒトを対象とする治験では、主に動物を対象とした非臨床試験にて薬物動態や安全性について問題がないとの結論が出た薬剤を使用します。
最大限の安全性を考慮したうえでヒトを対象とした治験は実施されていますが、非常に稀ではあるものの、残念ながら過去に死亡事例が発生しています。

・2016年 フランス
パーキンソン病由来の気分障害や疼痛に対する治療薬の治験において、治験薬を投与した被験者のうち6名に重篤な神経系合併症の副作用が見られ、うち1名が亡くなりました。この治験は、動物実験で安全性がある程度証明された治験薬をヒトへ初めて投与する試験(first in man、FIM試験)でした。

・2019年 日本
日本国内の病院にて行われたエーザイ株式会社のてんかん治療薬の治験では、治験薬を投与された被験者が治験完了後に異常行動を取り、電柱から飛び降りて死亡してしまいました。
治験参加時点では持病や身体異常はなかったものの、治験薬投与後から幻覚や幻聴があったと訴えました。しかし治験責任医師による聴取では異常が見られず、入院を伴う経過観察も不要と判断した矢先の事故であり、厚生労働省は治験とこの死亡事故との因果関係を否定できないとの調査結果を発表しました。

・2021年
アステラス製薬株式会社の遺伝子治療薬に関する治験では、神経の疾患をもつ被験者が治験薬投与後に重篤な有害事象(肝機能異常)を引き起こし、その後亡くなりました。2020年にも同治験において被験者3名が治験薬投与後に亡くなっており、米食品医薬品局(FDA)の要請で治験を一時中断されていましたが、再開が認められた矢先に招いた事例となりました。

厚生労働省の承認を得ていない治験薬は、予期することのできない副作用が発生する場合があります。そのため、治験参加前には必ず「インフォームド・コンセント」が実施され、担当医師から治験の概要や副作用の可能性などの説明を受け、ご本人の自由意志で参加を決めることが必須事項となっています。

インフォームド・コンセントとは

治験へ参加される前には、医師などから治験について十分な説明を受け(インフォームド)説明の内容をよく理解し納得したうえで、自分自身の意 思で治験参加を同意(コンセント)するという治験に参加する前に必ず行う手続きがございます。

参加される治験について「十分」に説明し、「十分」に理解して頂いたうえで、皆さまの「自由意志」で治験参加に同意して頂くことになりますので、治験へ参加することは決して強制ではありません。

治験にて発生しうる副作用について

治験による健康被害とは、有害事象と副作用のことを指します。
有害事象とは、治験薬を投与した被験者に生じた想定外の事象や、好ましくない事象、またはその兆候のことで、治験で投与された薬が原因であるかどうかは問われません。例えば、治験参加期間中に治験実施施設から提供された食事で食あたりを起こした、被験者から風邪を移された、通院途中にケガをした、といったことも有害事象に含まれます。
副作用とは、これらの有害事象のうち、治験薬によって引き起こされた可能性があり、治験との因果関係が否定できず、かつ想定される軽い副作用でないものと限定されています。
インフォームド・コンセントの際に、治験薬を投与することでのどの痛み、鼻づまり、めまい、立ち眩み、眠気といった軽度な副作用が生じる場合があると説明を受けるなかで、極めて可能性が低いが稀に発症する症状として、発疹や発熱、血液凝固障害といった重度の副作用についても被験者に説明をしなければなりません。
重度の副作用が生じた場合に、これらの症状が治験と因果関係が否定できないのであれば、治療費や検査費用を製薬会社が負担することとなります。

健康被害(副作用)に対する補償

治験は、事前に厚生労働省へ実施計画を届け出なければ実施することができず、実施計画は治験審査委員会の審査を通過しなければ承認されません。そのため、万が一被験者が治験行為により重篤な副作用などの健康被害を被った場合は、治験審査委員会および製薬会社へ早急に報告をし、さらに製薬会社は定められた期間内に国へ報告をすることが義務付けられています。
厚生省が定めた指針に基づき、被った健康被害と治験行為との因果関係が否定できないと判断した場合に、状況に応じた補償を受け取ることができます。

・補償内容
医療費・・・健康被害に対する治療費のうち、健康保険などからの給付を除いた自己負担額分を補填する
医療手当・・・通院にかかる交通費や入院に伴う諸雑費
障害補償金・・・一定以上の障害を負った場合に支給される
遺族補償金・・・被験者が死亡した場合に被験者の遺族へ支給される
休業補償金・・・健康被害による療養により休業し、仕事ができない場合に支給される

治験の種類

治験には様々な種類がございます。すべての治験が新薬だけということではなく、中にはジェネリック医薬品やお薬以外にも特定保健用食品などのモニター試験もございますので、ご自身にあった治験をお探しください。

・新 薬(新有効成分、海外承認済)
・ジェネリック医薬品(後発医薬品)
・特定保健用食品(ヘルシア緑茶、黒烏龍茶など)
・健康食品・化粧品・その他モニター

治験の紹介や申込みについて

治験にはそれぞれ参加条件がございます。健康な方やご病気をお持ちの方など、健康状態によって参加可能な治験は異なりますので、医学ボランティア会JCVNでは、年齢・性別・健診結果に応じて参加基準に合った治験・健康食品試験をご案内しております。

※登録したからといって治験への参加を強要する事は一切ありません。登録した方のみに案内をさせていただいております。

治験についてご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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著者/監修者情報

JCVN

医学ボランティア会JCVN 事務局長

清水 陽介

JCVNでは、病気やからだに関する様々な知識をコラムとして掲載しております。
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