【掲載日】2021/08/17

1型糖尿病とは?原因や症状は?治療方法や食事について

1型糖尿病とは?

全世界の糖尿病患者のうち、全体の約5%が1型糖尿病と言われ、生活習慣が関わる2型糖尿病とは、原因や治療方法が大きく異なります。
1型糖尿病は、膵臓のインスリンを出す細胞(β細胞:べーたさいぼう)が壊され、インスリンがほとんど体内で作られなくなり、治療は主にインスリン製剤を使います。

1型糖尿病の症状

1型糖尿病の主な症状として、喉の乾き、頻尿、急激な体重減少、慢性的な疲労といった、風邪に似た症状が挙げられます。また、大きな特徴として1型糖尿病では血糖値が300mg/dL~ 600mg/dL前後と高値を示します。

1型糖尿病の種類について

劇症1型糖尿病

最も急激に発症し、発症1週間前後でインスリン依存状態となります。
すぐにインスリンを補充する治療が必要となり、処置が遅れると「糖尿病ケトアシドーシス(糖尿病の急性合併症)」といった状態になる場合もあります。

急性発症1型糖尿病

1型糖尿病で最も頻度の高い典型的なタイプで、糖尿病の症状が出はじめてから数ヶ月でインスリン依存状態になります。発症した後に、一時的に残っている自分のインスリンの効果が改善する時期(ハネムーン期)がある患者さんもいますが、その後は再びインスリン治療が必要となります。血液検査で自己抗体を認めることが多いです。

緩徐進行(かんじょしんこう)1型糖尿病

半年~数年かけて徐々にインスリン分泌が低下していくタイプです。初めは2型糖尿病のようにインスリン注射を使わなくても血糖値を抑えることが可能ですが、経過中の血液検査で自己抗体が検出され、緩徐進行1型糖尿病だと判明することがあります。

1型糖尿病の主な原因

糖尿病とはインスリンの働きが悪くなることによって血糖値が上昇してしまう病気ですが、1型糖尿病の場合はインスリンを作りだす膵臓内のβ細胞が壊されたことにより、インスリンを出す力が弱まったり、インスリンが出なくなる状態となります。
なお、1型糖尿病でβ細胞が壊される原因はよくわかっておらず、有力な説として免疫反応に異常があり、正しく働かないことで自分の細胞を攻撃してしまうこと、つまり「自己免疫」が関わっていると考えられています。自己免疫が起きている証拠のひとつである自己抗体(抗GAD抗体・IA-2抗体など)の血液検査は、1型糖尿病の診断の際に用いられます。

糖尿病の治療方法

食事療法

普段どおりの食事メニューを摂ることができますが、1日に摂取するカロリーや炭水化物の量をコントロールし、血糖値を調整します。必要以上のカロリーをとらないようにし、適切なカロリーの範囲内で、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよくとることが大切です。
また、食事から摂る適切なエネルギー摂取量は、年齢や性別、身体の大きさ、運動量によって個人ごとに異なるため、医師とよく相談したうえで作成された「食事指示票(食事指導票)」に基づきコントロールします。

運動療法

適度な運動をすることで糖を消費しやすい体作りを目指し、筋肉の量を増やして糖の吸収を良くします。また、脂肪が減ることでインスリンが作用しやすくなります。また、食事の1時間後に運動をすることで、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促されて血糖値が下がるという効果もあります。

薬物療法

1型糖尿病は体内でのインスリン分泌ができないため、外部からインスリンを補充することが必須です。
一般的にはペン型の注入器でインスリン製剤を皮下に注射する「頻回注射法」や、インスリンポンプと呼ばれる機器でインスリンを補う「持続皮下インスリン注入法」があります。

頻回注射法では、基礎分泌を補う「基礎インスリン」(持効型インスリンや中間型インスリン)を1日1~2回注射し、追加分泌を補うための「追加インスリン」(超速効型インスリンや速効型インスリン)を各食事の前に注射します。

持続皮下インスリン注入法では、超速効型インスリン製剤をインスリンポンプにセットし、規定の速度でインスリンをポンプから皮下へ持続的に注入することで基礎分泌を補い、ポンプのボタン操作で食事の前にインスリンを追加で注入することで追加分泌を補うことができます。
また、インスリンポンプではインスリンの注入量や注入速度が調整可能なほか、食事量や運動量によって適正なインスリン量を計算するといった多くの機能が備わっています。

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