高血圧とは|気になる病気の予備知識

血圧とは、血液が血管の中を通るときに、血管にかかる圧力のことを「血圧」といいます。 心臓は、ポンプのように毎分60~70回ぐらい、血液を血管へと押し出しています。これが、手首などをさわるとドクンドクンと打っている脈拍です。心臓が収縮して血液を押し出した瞬間は、血管にいちばん強く圧力がかかります。これが『収縮期血圧(最高血圧)』です。そして、収縮した後に心臓がひろがる(拡張する)ときには、圧力がいちばん低くなります。これが『拡張期血圧(最低血圧)』です。 収縮期血圧と拡張期血圧のどちらが高くても、高血圧といいます。

病気になったら、何か熱っぽくなったり、何かしらの症状が体にでるので、すぐ気づきますよね? 高血圧の場合は、自覚症状はほとんどといっていいほどないので、高血圧は「サイレント・キラー」と呼ばれる恐ろしい病気

直訳すると「物静か な殺人犯」という意味になりますが、まさにその通り、症状がほとんどないままに、長年かかってひそかに血管をむしばんでいくのです。

高血圧の原因|気になる病気の予備知識

人を高血圧になりやすくする危険因子というのがあります。遺伝や、肥満、耐糖能異常(糖尿病予備軍)、ストレス、喫煙、塩分の多い食事、飲酒の習慣などがその危険因子と呼ばれますが、これらを多く持っている人ほど、高血圧になりやすいといえるでしょう。 これと同様に、脂質異常症も危険因子が関係して病気になる可能性が高い病気です。

両親がそろって高血圧の場合、その子が高血圧になる確率は約50%。片親だけが高血圧の場合には、子が高血圧になる確率は30%前後というデータもあって、遺伝性があるのは確かです。

しかし、確率が50%であれば、両親ともに高血圧であっても、子が高血圧になるかならないかは半々ってことです。遺伝があっても、その他の環境的な危険因子をなくせば、高血圧にならないですむということになります。またその逆に、親が高血圧でなくても、子が高血圧になることもあります。親にも高血圧の体質はあったものの、環境因子が整っていて現れずにいた場合には、子どもが不摂生な生活をすれば、高血圧になることは難しいことではないということですね。

自己管理をしっかりして、未然に病気を防ぐこと!これがポイントになるのです!

高血圧の治療方法|気になる病気の予備知識

まずは、血圧を下げることだけではなく、危険因子も減らしていくことを心がけましょう。 高血圧治療の目的は、血圧を下げることそのものではなく、将来の心臓や血管の病気と、それらの結果としての虚血性心疾患や脳卒中を防ぐことです。

これまでに世界中のさまざまな国で行われた試験の結果、適切な降圧治療(高血圧の治療)は、高血圧の患者さんに多くの有益な効果をもたらすことが明らかになっているので、『高血圧』と診断されたら、「自覚症状がないから平気だ」などとも思わずに、早く治療を始めたほうがいいでしょう。

高血圧と同時に、すでに糖尿病や高脂血症、肥満など、心血管病の多くのリスクをもっている人は、治療を受ければより大きな効果が得られまる。もちろん軽症の人も、すぐに治療を始めれば、クスリを使わずに血圧を下げられて、その後適正な血圧を維持することだって、可能かもしれません。

高血圧と診断されたら、それが治療を始めるに遅過ぎることも、早過ぎることもないってことですね。高血圧の人が、腎不全や心不全、糖尿病など、すでにほかの病気を持っている場合にも、高血圧と並行してそれらの治療が進められます。多くの生活習慣病は、表面にあらわれた病気は違っていても、危険因子のいくつかは共通しているので、同時に並行していくつかの病気を治療していくことは、そんなにむずかしくないことが多いんです。

もちろん、クスリで治療中の人も、生活習慣の見直し、改善が大切です。悪い生活習慣を正しい生活習慣に変えていくことは、血圧を下げるだけでなく、ほかの心血管病のリスクを下げることにもなるので、とても大事なことです。

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著者/監修者情報

JCVN

医学ボランティア会JCVN 事務局長

清水 陽介

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