【掲載日】2022/04/06   【最終更新日】2023/02/24

耳鳴りに効果がある薬とは?予防の方法やおすすめの市販薬をご紹介

耳鳴りの症状と原因

耳鳴りの症状

自分の周りでは何も音が鳴っていないのに、自分にだけ甲高い音や雑音のようなものが聞こえ、不快感や日常生活に支障をきたす症状です。加齢にともなう難聴から引き起こされる耳鳴りは両耳に生じることが多く、耳鳴りが片耳から聞こえている場合は、その他の病気によって引き起こされている場合があります。
また、耳鳴りにも種類があり、血流音や筋肉の収縮音など雑音を発する原因が明確で、聴診器などを使用して音を増幅することで他の人にも聞くことができる他覚的耳鳴と、「ブーン」、「ジー」、「キーン」と表現されるような音が自分自身だけに聞こえる自覚的耳鳴があります。

耳鳴りが起こる原因

普段私たちが感じている「音」は、耳から入ってきた音となる振動を耳の奥の内耳と呼ばれる部分で電気信号に変換され、神経を通過して脳に届き「音」として認識されます。耳鳴りが起こる場合は、振動を音へと変換するメカニズムのどこかで機能障害が起こっているためだとされています。しかし、耳鳴りの原因を断定できるケースは稀で、さまざま要因によって引き起こされていると考えられます。

◆耳鳴りの要因となる一例

  • 突発性難聴
  • メニエール病
  • ストレス、疲労
  • 加齢
  • 高血圧、糖尿病
  • うつ病や不安神経症
  • 自律神経失調症
  • 更年期障害
  • 薬の副作用(一部の抗生物質など)
  • 大きな音を耳元で聞く
  • 耳アカが溜まっている

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耳鳴りと関係のある病気

耳は、鼓膜までの「外耳」、鼓膜の奥にある「中耳」、さらにその奥にある「内耳」からできており、音となる振動はこの経路を通ることになります。そのため、聴覚機能の低下や障害が起きている場合はこの経路に異常が起きていることが多いです。
耳鳴りとの関係が密接な病気は以下の通りです。

外耳の病気・・・外耳道炎、耳垢栓塞、異物、外耳道真菌症
中耳の病気・・・中耳炎、耳硬化症、耳管狭窄
内耳の病気・・・薬剤性内耳障害、メニエール病、突発性難聴、老人性難聴、内耳炎、梅毒、外リンパ瘻
聴覚路障害・・・髄膜炎、聴神経炎、脳梗塞、聴神経腫瘍
その他・・・妊娠、ストレス、心身症、顎関節症、うつ病

耳鳴りの治療方法

前述の通り耳鳴りの原因は明確でない場合が多く、その症状を薬などで和らげる対症療法をとることが耳鳴りの治療の基本となります。

薬物療法

ビタミン剤、末梢循環改善薬、抗不安薬、睡眠導入剤など

音響療法

耳鳴りに慣れることを目的とした治療

心理療法

不安を和らげて耳鳴りによる苦痛を 軽くする治療

原因となる病気の治療

突発性難聴、急性音響外傷、騒音性難聴、内耳炎など
→副腎皮質ホルモン剤、血流改善薬、神経賦活薬、ビタミン薬

メニエール病
→低浸透圧利尿剤

精神科的治療
→抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬

手術による原因療法
→慢性中耳炎(鼓室形成術)、耳硬化症(アブミ骨手術)、外リンパ瘻(内耳窓閉鎖術)、メニエール病(内リンパ嚢開放術)

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耳鳴り治療のために病院で処方される代表的な薬

・血液循環促進作用のある薬

細胞のエネルギー源やビタミン剤を補填し、血流を改善させて内耳の機能を改善させる効果があります。即効性は期待できませんが長期的に服用することで効果が期待されます。

  • アデノシン三リン酸二ナトリウム(ATP)(商品名:アデホス、トリノシンなど)
  • ビタミンB12製剤 (商品名:メチコバールなど)
  • ニコチン酸アミド、パパベリン塩酸塩配合錠 (商品名:ストミンA配合錠など)
  • カリジノゲナーゼ (商品名:カルナクリンなど)

・向精神作用、ストレス軽減作用のある薬

精神的な不安やストレスの蓄積による耳鳴りを、抗不安薬などによって気分を安定させることも耳鳴りには有効であると言われています。

  • ロフラゼプ酸エチル (商品名:メイラックスなど)
  • アルプラゾラム (商品名:コンスタン、ソラナックスなど)
  • クロチアゼパム (商品名:リーゼ)
  • エチゾラム (商品名:デパス)

・耳鳴りの原因となる病気の治療薬

耳鳴りを誘発する疾患の例として、めまいやメニエール病が挙げられます。原因となる病気を改善させる薬を使用することで、併せて耳鳴りの症状も軽減させることができます。

メニエール病の治療薬

  • イソソルビド製剤(商品名:イソバイド)
  • ベタヒスチンメシル酸塩(商品名:メリスロンなど)

めまいの治療薬

  • ジフェニドール塩酸塩(商品名:セファドールなど)
  • ステロイド薬(商品名:プレドニン、プレドニゾロンなど)

耳鳴りを予防する方法

・日常の疲労やストレスを溜めない

耳鳴りは疲労や睡眠不足、ストレスを溜め込むことで発症したり悪化するとされているので、生活習慣を整えたり、趣味やショッピングなどリラックスできる時間を作り、気分転換をしてストレスを軽減するようにしましょう。

・血行を改善する

耳周辺の血液循環が悪いと耳の機能が低下したり、充血や貧血などを伴う耳鳴りを引き起こしたりすると言われています。運動や半身浴などで全身の血液の循環を促すようにしましょう。

・ビタミンB12を摂取する

ビタミンB12には末梢神経の代謝を改善する作用があり、耳鳴りの治療薬としても使われています。ビタミンB12は、貝類(あさり、しじみ、かきなど)、青背の魚(いわし、さんま、かつおなど)、レバーなどに多く含まれていますので食事に積極的にとり入れましょう。

・耳鳴りを意識せずにいられる環境づくり

耳鳴りが起こるとそちらに集中が行ってしまい、さらにストレスが溜まり耳鳴りも悪化するという悪循環に陥ることがあります。適度な音量でBGMを流す、ラジオを聞く、テレビを見るなど、自然な音のある環境を作ると、耳鳴りが気にならなくなります。

鳴りに効果がある市販薬3選

・ナリピット錠

滋養強壮効果のあるニコチン酸アミド、パパベリン塩酸塩などの有効成分が配合されており、血行の改善や神経の調子を整え、耳なりや肩こりを改善します。

・パニオンコーワ錠

アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(ATP)と4種のビタミンB群が配合されており、エネルギー代謝を高め、体の不快症状(だるさ、むくみ、めまい、食欲不振など)や、たまった疲れを改善する効果が期待できます。

・アリナミンEXプラス

ビタミンB群が豊富に含まれており、眼精疲労や、関節痛、肩や腰のコリなどを改善します。

鳴りに効果がある漢方薬3選

・苓桂朮甘湯

体の水分循環が悪くなると耳鳴りやめまいなどの症状を引き起こす原因となります。この漢方は、体内に停留している水分を尿として排出させる効能があり、水分の循環を改善させることで症状を緩和する作用があります。

・当帰芍薬散料

本来は冷え性やむくみやすい方に効果のある漢方で、全身に大切な栄養素を与え、血行を良くするのと同時に水分代謝を整える作用があり、耳鳴りを緩和する作用もあります。また、月経痛や更年期障害などの女性特有の症状も合わせ持つ方が特に適しています。

・八味地黄丸料

本来は夜間頻尿や排尿障害などの腎機能の低下を改善する漢方です。耳の異常は腎の衰えとする考えもあるため、腎の機能の働きを高めて耳鳴りなどを改善させる作用があります。

漢方薬を使った治療の詳細はこちら

耳鳴りに関わるよくある質問

◆耳鳴りがする場合は何科に行けばいい?

耳鼻科への受診が一般的です。耳鼻科での診断結果をもとに、場合によって適切な診療科を紹介してもらうことを推奨します。

◆どの程度の耳鳴りで病院へ行くべき?

長時間続く場合や、耳鳴り以外の症状が明らかな場合です。特に激しい頭痛や手足のしびれ、言語障害や意識障害を伴う場合は速やかに受診しましょう。

◆耳鳴りの予防でできることはありますか?

ストレスは万病の元です。悩みを抱えこまず、気軽に家族や友人に相談したり、趣味や運動、音楽を聞いたりするなど、一日のなかで短時間でもリラックスできるような時間を作り、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
また、睡眠不足や暴飲暴食は、自律神経の乱れを引き起こして耳鳴りを引き起こす場合があります。1日3食の食事、十分な睡眠といった規則正しい生活を取り入れ、運動と休息のバランスを心がけて生活リズムを整えましょう。

まとめ

耳鳴り原因を断定することが難しいため、症状を和らげる対症療法が一般的です。また、耳鳴りが起こった際に他の身体の部位に異常がないか確認し、少しでも異常を感じた場合には薬に頼らず速やかに受診しましょう。

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