【掲載日】2022/04/04

耳鳴りの原因とは?注意すべき耳鳴りの特徴から対処法まで解説

物音一つしない静かな空間や、周囲で音がしていない状況にも関わらず自分自身だけに「キーン」「ジーン」といった甲高い音が聞こえる現象を「耳鳴り」といいます。
数秒程度の一過性の耳鳴りは誰にでも起こりうるものですが、頻繁に発症したり日常生活に支障をきたしたりするような症状の場合は注意が必要です。

耳鳴りの原因とは?

耳鳴りが起こる仕組みは、不明確な点も多く完全には解明されていませんが、一般的には聴力低下や難聴を伴う場合に発症するケースが多いと考えられています。
大音量を長時間聞く、間近で爆発音のようなものを聞く、加齢や耳の治療など、様々な要因で聴力が低下した際に突発的に耳鳴りが発症することがあります。
また、メニエール病や突発性難聴、耳垢栓塞や中耳炎といった外耳や中耳の異常、さらには更年期障害や高血圧、低血圧、高脂血症といった疾患が原因で引き起こされることもあります。

耳鳴りの症状と原因

耳鳴りが起きる場合、症状ごとにその原因は異なります。

耳鳴りが片耳から聞こえる

突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍など

耳鳴りが両耳から聞こえる

老人性難聴、騒音性難聴など

ザーという低音の耳鳴りが聞こえる

耳垢栓塞、耳管狭窄、耳硬化症など

キ-ンという金属音の耳鳴りが聞こえる

メニエール病、突発性難聴、ストレスなど

危険な耳鳴りとは?

耳鳴りの症状にも程度があり、経過観察で済ませるものから緊急入院を伴うものまであります。
緊急性を要する症状として、「直近1~2か月で急に耳鳴りが聞こえるようになった」「耳鳴りが片側のみ聞こえる」「耳鳴りとともに難聴、めまい、頭痛や肩こりが伴う」の全てに該当する場合は、医療機関への受診が必要となります。
特に、「聴神経腫瘍」と呼ばれる症状は片側の耳鳴りや聴力低下が初期症状として起こります。耳の奥にある前庭神経に腫瘍ができ、増大することで血管を圧迫して血流が悪くなるため、進行すると顔面の麻痺やしびれ、歩行障害や嚥下障害なども生じるようになります。

耳鳴りの検査

耳鳴りはほぼ自覚症状のみであり、さらには人により感じ方も異なるため、耳鼻咽喉科での問診や検査で症状を詳細に聴取し、客観的に把握していきます。
問診では、左右どちらの耳から耳鳴りが聞こえるのか、音の質、音の高低、音量の大きさなどどのように感じているのかを聴取します。
聴力検査では、ピッチ・マッチ検査で耳鳴りの音の高さを調べ、ラウドネス・バランス検査では耳鳴りの音の強さと実際の音とを比較し、どの強さに近いかを判定します。
そのほか、耳鳴りの音と相殺する程度の外部からの音の大きさを調べる遮蔽検査、音を感じたときの脳波を測定する聴性脳幹反応、外有毛細胞の状態をエコーで調べる耳音響放射検査などの検査があります。

耳鳴りの対処方法とは!

耳鳴りは様々な治療法があれども、完全に治療するのが難しい病気です。
睡眠不足、過労、ストレスなどの心労・疲労や生活習慣の乱れからくる耳鳴りもあるため、自己対処法としては生活習慣を整えたり、心にゆとりを持ったりすることで解消される場合もあります。
医療機関で適用する治療法としては、内耳や神経の作用を活性化させる代謝改善薬、血流の循環作用を回復させる循環改善剤などを使用する薬物療法があります。
また、近年ではデジタル技術が進化し、特殊な機器を用いる音響療法も採用されます。

マスカー療法

サウンドジェネレータと呼ばれる機器から耳鳴りよりも若干大きな音を流し続けることで外部の音に注意を向けさせ、雑音により耳鳴りを緩和する方法です。

補聴器

難聴を伴っている患者の場合は、補聴器を付けることで周囲の音が増幅されて聞こえが良くなり、それまで聞き取れなかった周囲の様々な音に意識が向けられることになり、耳鳴りが緩和されます。

コンビ(補聴器+サウンドジェネレータ)

補聴器は実際の周囲の音を増幅することしかできないため、非常に静かな環境では周囲の音がないために効果を発揮できず、治療ツールとしての有効性に欠ける場合があります。そのため、サウンドジェネレータ機能付きの補聴器を使用することにより、様々な状況下で小さなノイズを発生させ、補聴器の作用と相乗することで耳鳴りの意識を逸らすことがきます。

まとめ

耳鳴りはだれにでも起こりうる症状です。発症しても周囲の方には気付かれることなく常に自身だけが不快に感じ、一人で抱え込んでいるケースがほとんどです。
心労や加齢が原因の耳鳴りに対しては主だった特効薬も現時点ではないため、耳鳴りとうまく共存しながら生活することが重要となります。また、長期に渡る頻繁な耳鳴りや、片耳だけに聞こえる耳鳴りの場合は、隠れた病気が引き金となって発症している場合もありますので、ただの耳鳴りだと軽視せずに、速やかに耳鼻科などの医療機関に診てもらうことをお勧め致します。

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