顔のほてりの原因は?
不意に顔面がカーッと熱くなる、顔に赤みが出る、暑さを感じていないにも関わらず顔面が発汗する、といった症状は、顔のほてりが原因となって引き起こされている場合があります。
顔のほてりは、血管の拡張周期が乱れによって血行が増加急激に強くなった血流や、体温の上昇、ホットフラッシュを代表とするホルモンバランスの変動などが原因とされています。また、風邪やインフルエンザなどの細菌感染症や、その他の発熱を伴う疾患の症状の一つとしても、顔のほてりが見られることがあります。
顔のほてりの原因とは?考えられる病気や対処法についても解説
顔のほてりに効く漢方薬の選び方
イライラするなどの症状を伴う場合
イライラしたり気分が落ち着かなかったりするのは、交感神経が興奮状態にあるためです。乱れた食生活、運動不足、睡眠不足などの不規則な生活リズムを続けていると交感神経の作用が盛んになり、心拍数や血圧が上昇することで顔のほてりが伴う場合があります。
漢方において「気」とは、人間の体を動かす根源となるエネルギーを指し、気分が落ち込む、イライラする、不安定になりやすい人は、「気」の巡りが悪くなり停滞している状態の「気逆」になっているとされています。気逆を改善するには、シナモンの木でもあるクスノキ科のケイの枝(桂枝)をもちいた生薬が効果的です。
頭痛や肩こりなどの症状を伴う場合
更年期障害の代表的な症状として、首や肩のこりがひどくなったり顔がほてったりなどの症状がありますが、更年期によるエストロゲンの減少による自律神経の乱れがその症状を強めてしまいます。
漢方において「血」とは、体内で生成される物質の原料と考えており、いと体に栄養素が巡らない「瘀血」の状態になっていると更年期症状が起こりやすいと言われています。
瘀血を改善するには、保温効果や血のめぐりを良くする活血薬が効果的です。
汗が出るなどの症状を伴う場合
更年期に起こりやすいホットフラッシュや、ホルモンバランスの変動による生理不順などで、発汗を伴うほてりが引き起こされることがあります。
漢方において「水」とは、リンパ液、消化液、唾液、汗などの体内を循環する血液以外の水分を指し、水の巡りが悪くなり体内に余分な水分が溜まっている状態を「水滞」と呼んでいます。
水滞を改善するには、水分代謝を調整したり腎機能を促したりする、キク科の植物の根を乾燥させた蒼朮と呼ばれる生薬が効果的です。
顔のほてりにおすすめ漢方薬8選
加味逍遥散
症状 |
のぼせや発汗、イライラ、不定愁訴などの心身不調 |
有効成分 |
トウキ・シャクヤク・ビャクジュツ・カンゾウ・ハッカなど |
服用 |
1日3回 |
サイズ/内容量 |
96錠(8日分) |
薬のタイプ |
錠剤 |
黄連解毒湯
症状 |
イライラやのぼせ、不眠、皮膚の炎症や口内炎 |
有効成分 |
オウゴン・サンシシ・オウレン・オウバクなど |
服用 |
1日3回 |
サイズ/内容量 |
24包(8日分) |
薬のタイプ |
顆粒 |
七物降下湯
症状 |
主に高血圧に伴うのぼせ、肩こり、耳なり、頭重 |
有効成分 |
チョウトウコウ、ジオウ・トウキ・シャクヤク・オウギなど |
服用 |
1日3回 |
サイズ/内容量 |
84錠(7日分) |
薬のタイプ |
錠剤 |
知柏地黄丸
症状 |
顔や四肢のほてり、排尿困難、頻尿、むくみ |
有効成分 |
チモ・オウバク・ジオウ・サンシュユ・サンヤクなど |
服用 |
1日3回 |
サイズ/内容量 |
120錠(8日分) |
薬のタイプ |
錠剤 |
温清飲
症状 |
ほてりを伴う肌の乾燥、湿疹、皮膚炎 |
有効成分 |
ジオウ・シャクヤク・トウキ・オウゴン・サンシシなど |
服用 |
1日2回 |
サイズ/内容量 |
20包(10日分) |
薬のタイプ |
顆粒 |
桃核承気湯
症状 |
のぼせ、便秘、イライラ、月経痛、腰痛 |
有効成分 |
トウニン・ケイヒ・ダイオウ・カンゾウ・ボウショウなど |
服用 |
1日2回 |
サイズ/内容量 |
20包(10日分) |
薬のタイプ |
顆粒 |
桂枝茯苓丸
症状 |
ほてり、のぼせ、だるさ、イライラ |
有効成分 |
ケイヒ・ブクリョウ・ボタンピ・トウニン・シャクヤクなど |
服用 |
1日3回 |
サイズ/内容量 |
24包(8日分) |
薬のタイプ |
顆粒 |
当帰芍薬散料
症状 |
のぼせ、更年期障害、生理不順、手足の冷え |
有効成分 |
シャクヤク、ソウジュツ・タクシャ・ブクリョウ・センキュウなど |
服用 |
1日2回 |
サイズ/内容量 |
20包(10日分) |
薬のタイプ |
顆粒 |
まとめ
ほてりの原因のほとんどは、ホルモンバランスや自律神経の乱れからきているものであり、乱れたこれらの状態を整えるためには市販薬も有効ですが、まずは漢方薬から試してみましょう。ほてり以外の症状にも有効な効能が含まれていることが多いため、ほてりとともに他の症状の悩みも同時に解消できるかもしれません。
体質や症状によってさまざまな漢方薬があるので、自分に適したものを選びましょう。