【掲載日】2023/05/26

顔のほてりの原因とは?考えられる病気や対処法についても解説

顔のほてりの原因とは

ホルモンバランスの乱れ

女性の場合、妊娠・出産後や生理前、更年期のタイミングで女性ホルモンのバランスが乱れることがあります。ホルモンバランスの乱れは自律神経に作用し、血管の収縮と拡張の周期が乱れるなどの影響を与えます。ほてりは皮膚の表面に近い血管が拡張したときに、急に血流がよくなり、汗をかいたり、ほてったりといったが症状が起きやすくなります。

ストレス

例えば大勢の前に立って演説をする際に、緊張したり恥ずかしさを感じたりするなどの一時的な強いストレス負荷がかかると、交感神経が優位になります。優位な状態では血圧が上昇し、血管が収縮する力が強まり、ドキドキしたり顔が熱くなったりします。

日焼け

炎天下や海辺など日差しの強い場所で長時間大量の日光を浴びると、紫外線により肌が軽度の火傷状態となり赤い炎症が現れます。炎症により生じた化学伝達物質により血管は拡張し、血流が増加することで顔のほてりを引き起こすことがあります。また、強い日焼けの場合にはヒリヒリとした火傷による皮膚の痛みも生じます。

顔のほてりを伴う疾患

風邪、インフルエンザ

風邪やインフルエンザは、ウイルスや細菌が喉や気管支に入り込むことで発症します。主な症状は咳、鼻水、喉の痛み、発熱ですが、いずれも体内に侵入した細菌やウイルスを排除しようする反応になります。発熱は、免疫を活性化させようと平熱よりも高い体温に調整する機能が作用するためです。また、インフルエンザは急激に全身症状がおきるため、39度前後の高熱がでることがあります。

蕁麻疹

蕁麻疹はアレルギー反応による症状の一つで、痒みや腫れ、皮膚の発疹や水疱が見られる症状です。蕁麻疹が発症している状態は体調不良や免疫が低下している場合が多く、風邪などの感染症や甲状腺疾患といった発熱・ほてりを伴う症状が原因となっている場合があります。

更年期障害

閉経前後の約10年間は女性の卵巣機能が低下する期間となり、エストロゲンやプロゲステロンなどといった女性ホルモンが急激に低下します。ホルモンバランスが崩れると自律神経が乱れ、イライラや動悸、顔が突然のぼせるように熱くなるホットフラッシュなどが見られるようになります。

熱中症

高温多湿な環境では、汗が蒸発せずに皮膚表面上に留まってしまい正常な体温調節ができなくなってしまいます。また、発汗により体内の水分・塩分が減少し、脱水症状が継続すると熱中症になりやすくなります。熱中症になるとほてりや喉の乾き、頭痛、めまいなどの症状があらわれ、重度の熱中症では意識障害や呼吸困難に至ることもあります。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

バセドウ病とは、のどぼとけ付近にある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが、何らかの理由で過剰に分泌してしまい、身体の多くの部分に影響をもたらす自己免疫疾患の一種です。
甲状腺ホルモンには代謝を促進するはたらきがあるため、過剰に分泌されると全身のほてり、多汗症、手の震え、甲状腺の腫れ、目の周りの脂肪や筋肉の腫れによる眼球の突出などの症状があわれます。

高血圧症

高血圧とは収縮期血圧(最高血圧)140mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)90mmHg以上が続く状態を指します。ほとんどの場合が生活習慣や遺伝が原因とされており、目立った自覚症状はありませんが、顔や体のほてり、めまい、頭痛、耳鳴りなどの症状が高血圧や降圧剤の副作用であらわれることがあります。

酒さ

酒さとは、鼻や額など主に顔の中心部に赤い小さな膨らみが生じる皮膚疾患です。
ニキビと似た症状ですが、ニキビは皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まり、炎症反応などが原因であるのに対し、酒さは血管の拡張や紫外線曝露、飲食物などの刺激などが原因とされています。
主に成人女性に発症しやすく、顔の赤み、皮膚のほてり、患部の痛みなどが主な症状です。

顔のほてりの対処法

漢方薬を服用する

・加味逍遙散(かみしょうようさん)
加味逍遥散は婦人科系疾患に効果的で、主に酒さの症状に用いられる漢方です。酒さは血流の悪化により顔の赤らみや腫れ、ほてりが生じる症状のため、自律神経と内分泌系の乱れを改善し、血流を促す効果のある加味逍遥散は顔のほてりを改善する効果があります。

・五積散(ごしゃくさん)
五積散には体内の血行や水分循環を整え、胃腸の働きを高めて体の冷えや痛みを治す効能があります。とくに寒い場所に長時間さらされた場合に、上半身はほてり下半身は冷えるような症例に効果的です。

・知柏地黄丸(ちばくじおうがん)
知柏地黄丸には肝腎機能の回復、体内熱を下げる作用が含まれており、更年期タイプののぼせ、顔や四肢のほてりを解消する効果があります。

・七物降下湯(しちもつこうかとう)
七物降下湯は消化器系疾患や高血圧の症状を改善するための漢方で、気血を充実させ、体内の余分な熱を冷ます効果があるため、顔のほてりを鎮められます。

サプリメントで補う

ビタミンEや亜鉛、イソフラボンには女性ホルモンバランスを整えたり、血行を促進させたりする効果が含まれており、自律神経を活性化させます。
更年期の症状を緩和させる効果があるサプリメントは、ほてりの解消にも有効です。

日焼けで赤く腫れたらまず冷やす

日焼け後に皮膚が赤く炎症を起こし、肌にほてり、赤み、痛みを感じたときは、冷水で濡らしたタオルや薄手の布でくるんだ保冷剤、氷水を入れたビニール袋などを当てて患部をすぐに冷やすようにしましょう。
なお、顔のほてりの場合は上半身が熱く感じても手足の末端や消化器官は体温が逃げていることがあり、お腹や腰、足など肩より下の部位を冷やしてしまうと、余計に血流が滞って悪化してしまいますので注意しましょう。

リラックス効果でほてりを和らげる

ほてりは血管の拡張や血流の悪化で引き起こされている場合が多いため、リラックスすることで、ほてりが和らぐことがあります。首、肩、背中、腰や足をマッサージしたり、アロマを焚くことで自律神経が整ったりすると、更年期障害の症状の緩和に効果があるといわれています。

顔のほてりの予防法

日焼け、熱中症予防

紫外線による日焼けや熱中症を防ぐためには、暑い場所や直射日光を浴び続けることを避け、日陰や屋内などの涼しい場所で水分補給をして適度に休息しましょう。
また、紫外線の中でも皮膚に炎症を起こしやすいUV-B波をカットするSPFの数値が高い日焼け止めを使いましょう。効果を持続させるためには、1日に何度か塗り直すことが必要です。

自律神経や女性ホルモンのバランスを保つ

自律神経や女性ホルモンを整えるには、適度な運動と十分な睡眠が不可欠です。
ウォーキング、サイクリングなどで体を動かすことは気分転換やストレス解消にもなり、神経が刺激を受けて活性化されます。
また、日中に十分活動してから睡眠を取ることで質の高い眠りにつくことができ、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの増加にも繋がります。

緊張を解き、リラックスした状態を保つ

精神的なストレス負荷がかかると、交感神経が過敏になり心拍数の増加や血管収縮、発汗などが見られるようになります。心を和らげるように体の力を抜いて深呼吸をしたり、1日の終わりにゆっくり入浴して体を温め、しっかり疲れを取ったりなどのルーティンを取り入れましょう。

まとめ

顔のほてりは疾患をはじめとする血流の悪化や、神経、ホルモンなどの影響によって引き起こされます。日常生活の中でも予防や対処できる方法がありますので、生活の中に取り入れてみましょう。

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