【掲載日】2023/04/01

関節痛の原因と症状について

関節の仕組み

全身の至る箇所に存在する関節は、凹形の受け皿のような骨(関節窩)と、凸形の部分(関節頭)の骨で形成され、その周囲に「関節軟骨」「滑膜」「関節包」といった組織によって覆われています。関節軟骨は、関節が動く際に骨と骨が直接ぶつからないようにクッションとなる役割を持っています。関節包は、滑膜から分泌される滑液で満たされており、軟骨への栄養供給、衝撃吸収、潤滑に関節を動かす働きを持っています。

関節痛が起こる仕組み

関節痛は、主に炎症や関節の骨が相互にぶつかり合うことで痛むものがあります。
炎症は免疫異常や感染症から引き起こされるものが多く、関節を滑らかに動かす滑膜組織が炎症を起こすと、関節部に水がたまり、腫れたりこわばったりして関節を動かすことがだんだんと不自由になります。炎症が慢性的になると関節包が硬くなって十分に機能しなくなり、関節軟骨がすり減ってなくなってくると骨同士が直接ぶつかりあって痛みが起こるようになります。
また、関節痛が悪化するにつれ、痛んだ関節部分が腫れる、熱を持つ、関節を曲げたり伸ばしたりすることができなくなるといった症状が見られることもあります。

関節痛の原因

関節痛の原因は、「関節の酷使」によるものと、「関節部分の炎症」であることが大半となります。
「関節の酷使」とは、激しい運動や長時間同じ体勢を取り続けるなどで、関節に大きな負荷がかかることと認識されがちですが、例えば頚椎や背骨は成人では約5kg前後ある頭を常に支え続け、腰や膝は立っているだけで体重すべてを支えています。このように普段の日常生活だけでも十分な負荷が関節には加わり続けているため、関節部分の軟骨は過労や老化とともに徐々にすり減ってしまいます。
「関節部分の炎症」とは、関節に細菌が入って起こる化膿性関節炎や、加齢に伴い関節まわりの腱や筋が張ったり、衝撃を吸収する関節軟骨や半月板が徐々に変性したりすることによる炎症を指します。炎症が慢性的になると関節包が硬くなって十分に機能しなくなり、骨同士がぶつかって痛みが起こるようになります。

関節痛の症状

関節痛は、手指や足指、腰、手首や肘などの関節周辺に発症しますが、最も関節痛を発症する部位は膝であり、「変形性膝関節症」は関節痛の代表的な症状です。
いずれの関節痛も、炎症を起こしている関節部分は、熱をもったり水が溜まって腫れたり、まれに炎症部分の皮膚が赤くなることもあります。また、しびれる、ズキッと痛む、関節がこわばる、関節が動きにくくなるといった症状が現れます。
なお、関節痛は病気の名前ではなく、症状の1つです。 そのため、関節痛を伴う関節リウマチ、痛風、感染症、更年期障害など、様々な疾患が原因で痛みが生じる場合もあります。
また、痛む関節が1箇所である時と複数箇所ある場合、急に痛む場合と慢性的に痛む場合など、原因となる疾患によって発症の仕方も様々です。

関節リウマチとは?初期症状から原因まで解説

関節痛が起こりやすい人

大きな持病もなく健康な方でも、加齢とともに関節の軟骨は徐々に弱くなってしまうので、関節痛は誰にでも起こり得る症状です。特に肥満体型など体重の重い人、関節に負担がかかるような過度の運動を行う人、猫背やO脚の方も関節を痛めるリスクが高いと言えます。特に人体で最も負担のかかりやすい膝、腰、股の関節は、変形性関節症になりやすい箇所としての割合が非常に多く、悪化することで日常生活への支障や、要介護状態になってしまう危険性もあります。
また、病気など他の要因で関節痛がおこるケースもあります。
血液中の尿酸値が上がることで発症する通風では、尿酸の結晶が関節に蓄積され、結晶化による炎症により痛みを引き起こします。

高齢者・女性は特に注意?

「関節痛は、男性よりも女性に多く発症する傾向が見られます。理由として、女性の関節は男性に比べて面積が小さく、運動などによる負担が大きいことや、関節を支える筋肉が弱いためと言われています。
また、20~30歳代の女性に発症しやすい膠原病のひとつである全身性エリテマトーデスや、中高年層の女性に多く見られる関節リウマチなども、炎症による関節痛を引き起こす病気として挙げられます。関節に違和感や痛みがある場合は、速やかに医療機関で診察を受けましょう。

まとめ

関節痛の原因は、加齢による関節機能の低下や、他の症状による炎症で痛みが引き起こされています。なるべく関節に負担をかけないように注意し、関節痛に関連する症状も見られる場合は、膠原病科やリウマチ科を標榜している内科・整形外科で受診しましょう。

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