【掲載日】2024/10/04
便秘薬の種類・選び方を解説!おすすめ市販薬も紹介
便秘薬には2つの種類がある
多くの人が抱える健康の悩みの一つで、なかなか周りに相談しづらい便秘。
便通が3日以上ない、便が少ないといった症状だけでなく、お腹の不快感や食欲不振、さらには肌の調子が悪くなったり気分が落ち込んだりと、さまざまな不調が日常生活に影響を及ぼすことがあります。
そんな便秘の症状を改善するために、市販の便秘薬を検討してみましょう。
便秘薬にはさまざまな種類が用意されており、薬ごとに異なる特徴や効果があります。
このコラムでは、市販の便秘薬の種類やその働きについて分かりやすく解説し、自分に合った便秘薬を選ぶためのヒントをお届けします。
大腸に直接働きかける刺激性便秘薬
腸内では蠕動(ぜんどう)運動とよばれる筋肉の収縮運動により、腸の内容物を移動させ排便を促しています。
便秘薬の種類のうち刺激性便秘薬と呼ばれるものは、この腸の動きを刺激して便通を促進する薬剤です。ビサコジルやセンノシドなどの主成分が含まれているこれらの薬は、腸の筋肉を刺激して収縮を引き起こし、腸内の水分の保持を助けることで便を柔らかくし、排便をスムーズにします。
お通じをサポートする非刺激性便秘薬
非刺激性便秘薬は上述の便秘薬と異なり、腸を直接刺激せずに便そのものに作用して排便しやすくする薬剤です。
浸潤性下剤は、界面活性作用によって便の表面張力を低下させ、腸内の水分が便中に浸透することで便を柔らかくし、排便を促します。
膨張性下剤は腸管内の水分を吸収することによって便を意図的に大きくし、腸内を刺激させることで蠕動運動を促進させることで便が腸内を移動しやすくなります。
便秘薬の選び方をお悩み別に解説
便秘でお腹の調子がスッキリしないと、なかなか気分も晴れません。
便秘解消のために適度な運動や食生活の改善なども取り入れつつ、薬局で気軽に便秘薬を購入することも選択肢の一つです。
しかし、便秘薬を選ぼうにも様々な種類があり、自分の体調や便秘の原因に合った薬を選ぶことが重要ですので、ここでは便秘薬の選び方のポイントを説明します。
はじめての便秘薬なら
便秘薬を初めて試す場合は、自然な排便に近い効果をもたらすタイプや、服薬後の様子を見ながら服薬量を調節するタイプなど、身体への負担が少ない薬剤がおすすめです。
非刺激性便秘薬に含まれる酸化マグネシウムには、便そのものの量を大きくしたり便の水分量を増やして軟便化させたりする作用があり、直接腸を刺激する作用を持ち合わせていません。
作用が穏やかなので長期的に服用することも可能なため、便秘薬を初めて試すのであれば非刺激性便秘薬タイプがおすすめです。
お腹を痛めたくないなら
刺激性便秘薬は、腸に効能が直接作用して蠕動運動を活発にさせます。
本来、大腸内には痛覚を感じ取る機能がないのですが、薬の作用で腸が通常よりも強く収縮し、その刺激が脳に伝わることで腹痛として感じることがあります。
大腸内の便を移動させるための運動なので、この痛みは排便するとたいてい治まります。
一過性の痛みではあるものの耐え難いと感じてしまう方は、非刺激性便秘薬を選択しましょう。
非刺激性便秘薬に含まれる酸化マグネシウムには直接腸を刺激する作用がなく、腸の水分を増やして便を柔らかくさせて自然に近い排便を促します。
また、食物繊維を豊富に含む食材を使ったメニューや、普段より多めに水分を摂るといった食生活の改善を取り入れることで、薬の効果がさらに高まります。
慢性的な便秘を解消したいなら
刺激性便秘薬は、低下した腸管内の伸縮を薬の作用で刺激させることで、強制的に蠕動運動を亢進させます。
刺激性便秘薬に含まれる成分にも様々な種類があり、蠕動運動を促すアプローチがそれぞれ異なります。
- ひまし油…薬の作用により分解されたリシノール酸が小腸を刺激し、蠕動運動を促す。
- アントラキノン、フェノールフタレイン…大腸の粘膜や腸管壁の神経を刺激し、蠕動運動を促す。
- 炭酸水素ナトリウム…主に座薬として使用し、腸内で炭酸ガスを発生させることで蠕動運動を促す。
- グリセリン…主に浣腸として使用し、直腸粘膜に刺激を与えることで蠕動運動を促す。
今すぐ便秘を解消したいなら
非刺激性便秘薬の作用は、刺激性便秘薬と比較しても副作用も少なく2~3日連続して服用することもできますが、便が腸内を移動しやすい性質になるように徐々に作用が浸透するため、即効性にはやや欠けるところがあります。
大腸に直接作用をもたらす刺激性便秘薬には、腹痛が伴うリスクがあるものの即効性の面では期待できますが、一方で連用すると身体が薬の効能に慣れてしまい、作用が効きにくくなる危険性もあります。
早急に排便を促す必要がある場合は浣腸や座薬といった選択肢も検討してみましょう。
ハーブや漢方を選びたいなら
ハーブや漢方で便秘を解消したい場合、大黄(ダイオウ)が含まれているものが効果的です。
大黄はタデ科のダイオウと呼ばれる植物の根茎を原料とした生薬で、日本でも古くから下剤として用いられています。
「大黄甘草湯」は便秘に効果のある漢方薬の代表とも言え、大黄の主成分であるセンノシドが腸の動きを活発化させることで排便をサポートする効果があります。また、甘草には鎮痛作用があり、 便秘時の腹痛や排便時の痛みを和らげます。
また、アフリカ原産のマメ科の植物から作られる「センナ」と呼ばれるハーブにもセンノシドが含まれており、非刺激性便秘薬と同様の効果を得ることができます。
高齢者やこども、妊婦なら
非刺激性便秘薬であれば身体にかかる負担も少ないため、顆粒タイプや「酸化マグネシウム」などであれば、5歳の小児や妊婦であっても使用することができます。
「酸化マグネシウム」は高齢者に対しても有効ですが、腎機能が低下していたり腎臓疾患を抱えたりしている方は注意が必要です。
マグネシウムを過剰に摂取しても排泄物の水分とともに体外に排出されますが、腎臓に異常があるとマグネシウムが排泄されずに体内に滞留してしまい、血圧低下、吐き気、心電図異常などの症状を伴う高マグネシウム血症となってしまう危険性があります。
おすすめ便秘薬4選
通常の口内炎は1〜2週間で自然に治ることが多い症状です。
しかし、1ヶ月近く症状が治まらない、繰り返し発症する、痛みによって日常生活における食事や会話が困難であるなどの場合には、早めに薬を使用し、必要に応じて医師や薬剤師に相談することが望ましいです。
ひとくちに口内炎といっても様々なタイプがあり、それに準じて治療薬も様々なタイプが用意されていますので、症状や薬の形状の特性をしっかりと理解し、適切な治療薬を選びましょう。
ビオフェルミン酸化マグネシウム便秘薬
有効成分 | 酸化マグネシウム2,000mg、ラクトミン20mg |
---|---|
効果 | 便秘、腹部膨満、食欲不振、便秘に伴う体の不調 |
薬のタイプ | 錠剤 |
用法・用量 | 規定錠を1日1回 |
ボラギノールスムース便秘薬
有効成分 | 水酸化マグネシウム2,100mg |
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効果 | 便秘、腹部膨満、食欲不振、便秘に伴う体の不調 |
薬のタイプ | 錠剤 |
用法・用量 | 規定錠を1日1回 |
酸化マグネシウムE便秘薬 90錠
有効成分 | 酸化マグネシウム2,000mg |
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効果 | 便秘、腹部膨満、食欲不振、便秘に伴う体の不調 |
薬のタイプ | 錠剤 |
用法・用量 | 規定錠を1日1回 |
ツムラ漢方大黄甘草湯エキス顆粒
有効成分 | 日局ダイオウ2.0g、日局カンゾウ1.0g |
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効果 | 便秘、腹部膨満、食欲不振、便秘に伴う体の不調 |
薬のタイプ | 顆粒 |
用法・用量 | 規定量を1日2回 |
便秘薬を選ぶ際の注意点
便秘薬を選ぶ際に知っておくべきポイントや、使用する上での注意点を正しく理解し、自分の体調や生活スタイルを考慮しながら、できるだけ身体に負担をかけずに便秘を改善しましょう。
まずは薬剤師やかかりつけ医に相談する
現在では薬局などで便秘薬を手軽に購入することができますが、自身の健康状態や体質と便秘薬の効能や成分を理解していないと、思わぬ副作用や危険性に見舞われることもあります。
また、喘息治療薬に使用される抗コリン薬や、高血圧治療に使用されるカルシウム拮抗薬などには副作用のひとつに便秘があります。
持病がある方や服薬中の方は、薬の飲み合わせに問題がないか必ず医師に相談しましょう。
長期間飲み続けずに、定期的に受診する
便秘薬を長期的に多用すると体に耐性ができることがあります。
特に刺激性下剤を長期間連用してしまうと、薬への依存性と耐用性がついてしまい、腸の自然な働きまでもが低下してしまい難治性便秘へと悪化してしまう場合もあります。になる危険性も指摘されています。
便秘薬を使用しても便秘が解消されなかったり慢性的に続いてしまう場合でも、決められた用法・用量は必ず守りつつ、医療機関を受診することも検討してみてください。
根本的に改善するなら生活習慣の見直しが必要
日々の食生活が偏り栄養バランスが乱れると、便が硬くなったり、便のカサが減って便意が起こりにくくなったりすることがあります。食事の内容や栄養バランスを整えることで腸の働きを促進させ、自然な排便をサポートすることができます。
便秘解消に役立つ食生活の以下のポイントをこころがけてみましょう。
・発酵食品
腸内フローラと呼ばれる腸内に棲んでいる細菌群の環境を整えることで、小腸や大腸の働きを活性化させることができます。特にヨーグルト、キムチ、納豆などの発酵食品には、腸内フローラを健康に保つプロバイオティクスが豊富に含まれているので、便秘解消にとても役立ちます。
・食物繊維
食物繊維には、水に溶ける性質(水溶性)と溶けない性質(不溶性)の2種類が存在し、水溶性は腸内細菌の一つである善玉菌を活発にさせたり便を柔らかくする効果があり、不溶性は便の材料となって便のカサを増し、腸内をスムーズに通過させる働きがあります。
全粒穀物、豆類、野菜、果物などを積極的に取り入れ、1日の摂取量を意識して増やしましょう。
・水分
1日に1.5〜2リットルの水を目安にこまめに水分を摂取することで、便に水分が含まれ柔らかくなるほか、腸を刺激し便意を促す効果があります。また、朝一番にコップ一杯の水を飲むことで、1日の排便リズムを整えることができます。
まとめ
「排便」に関する悩みは、周りに相談しにくくデリケートな問題なので、病院で受診するよりも手軽に購入できる市販薬で改善しようとする人が多いです。
自分で手に入れやすいからこそ、症状や薬の効能を理解しつつ、便秘薬を適切に選び、正しく使用することが重要です。また、便秘薬に頼りすぎることなく、食生活の改善や運動など、日常の生活習慣を見直すことも大切です。
秘薬を上手に活用しながら、健康的な排便習慣を取り戻しましょう。
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