【掲載日】2022/11/18

疲れやすい・体力がない人におすすめの漢方薬5選

疲れとは

疲れには大きく分けると3種類の疲れがあります。

肉体的疲労
同じ場所の筋肉を長時間使い続けることで体の疲労物質が蓄積し疲労を感じます。

精神的疲労
人間関係の悩みなどストレスが原因の心の疲れです。

神経的疲労
仕事や勉強など大量の情報を処理する際に、目や脳を酷使し緊張した状態が続くことで起こる頭や思考の疲れです。

これらの疲労は相互に関係し、心と体の密接なつながりによって互いに影響を受けやすくあります。また、疲れには一時的な疲れと慢性的な疲れがあります。休息などによって回復できる疲れであれば良いですが、睡眠不足・栄養不足・ストレスなどが長引くことにより慢性的に疲れが蓄積していくと、疲労感によるQOLの低下はもちろんのこと、無気力になったり免疫機能が低下してしまうことで新たな病気の原因にもなりかねます。半年以上続くような疲れは、病気が原因という場合もありますのでその際は医療機関で一度診てもらうことをお勧めします。

疲れやすい原因とは?疲労感の解消方法を5つご紹介

疲れやすい原因とは

疲れやすくなる原因をいくつか記載しています。ご自分の最近の状態を振り返って、当てはまる項目があれば改善する努力をしてみましょう。それ以外となると病気の可能性もあります。気になるようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。

エネルギー不足

身体を動かすためのエネルギーが不足している状態=栄養不足です。
人間は寝ているだけでもエネルギーを消費します。体を組織している細胞のエネルギーが不足していると疲労が蓄積します。1日3食バランスの取れた食事を摂り、体の隅々まで栄養が行きわたるよう健康的な食事を心がけましょう。

睡眠不足

睡眠は脳と体を休めるのに欠かすことのできない重要な要素です。
睡眠時間はもとより、睡眠の質も重要で、枕や照明・香りなど、自身が気持ちよく眠れる環境を整えると良いでしょう。

運動不足

運動不足は新陳代謝を低下させ、筋肉に溜まった乳酸が流れにくくなるため、それが蓄積していくことで疲労を感じるようになります。
適度な運動は積極的休息(アクティブレスト)といって、軽い運動をすることにより血流改善及び乳酸の排出につながり疲労蓄積の予防になります。また、神経伝達物質「セロトニン」が分泌されるため、自律神経のバランスが整うことで神経的疲労や精神的疲労にも効果があると言われています。

ストレス

日々の生活にはストレスがつきものです。まったくストレスを感じていない人はいないでしょう。
ストレスが疲労の原因となる理由は、私たちの身体を守っている「ナチュラルキラー細胞」の働きがストレスにより弱まってしまうためです。その結果、免疫機能に影響が及び、ホルモンバランスが崩れ始めて強い疲労を感じるようになります。

漢方薬で疲れやすさは改善するのか

漢方では「気・血・水(き・けつ・すい)」の3つの要素が体内の生命活動をコントロールし、これらの不調和が疲れを招くと考えられています。バランスが乱れて足りなくなった要素を、漢方で補って改善していくという治療方法です。
また、虚弱体質などの体質改善を目的とする場合は、漢方の長期的な服用が必要となるため、根気よく続けていくことが疲労改善の鍵となります。

疲労に処方されやすい漢方薬5選

①補中益気湯(クラシエ)

体力虚弱で元気がなく、胃腸のはたらきが低下して、疲れやすい人に。「気」を補って元気な体に。
効能:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒
配合生薬:ニンジン・ビャクジュツ・オウギ・トウキ・タイソウ・サイコ・チンピ・カンゾウ・ショウキョウ・ショウマ
服用/回数:15歳以上・・・1回4錠・1日3回
15才未満7才以上・・・1回3錠・1日3回
7才未満5才以上・・・1回2錠・1日3回
内容量:48錠
使用可能年齢:5歳以上

②十全大補湯(クラシエ)

体力虚弱で元気がない人に。
効能:病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
配合生薬:ニンジン・オウギ・ジオウ・ビャクジュツ・ブクリョウ・トウキ・シャクヤク・センキュウ・ケイヒ・カンゾウ
服用/回数:15歳以上・・・1回4錠・1日3回
15才未満7才以上・・・1回3錠・1日3回
7才未満5才以上・・・1回2錠・1日3回
内容量:180錠
使用可能年齢:5歳以上

③人参養栄湯(クラシエ)

体力虚弱で元気がない人に。
効能:病後・術後などの体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
配合生薬:ニンジン・トウキ・ジオウ・ビャクジュツ・ブクリョウ・シャクヤク・チンピ・オンジ・ケイヒ・ゴミシ・カンゾウ
服用/回数:15歳以上・・・1回1包・1日3回
15才未満7才以上・・・2/3包
7才未満4才以上・・・1/2包
4才未満2才以上・・・1/3包
内容量:24包・45包・90包
使用可能年齢:2歳以上

④六君子湯(ツムラ)

全身倦怠感のある人に。胃腸の働きを良くする漢方薬です。
効能:胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐
配合生薬:ハンゲ・ブクリョウ・タイソウ・チンピ・カンゾウ・ショウキョウ
服用/回数:15歳以上・・・1回1包・1日2回
15才未満7才以上・・・2/3包・1日2回
7才未満4才以上・・・1/2包・1日2回
4才未満2才以上・・・1/3包・1日2回
内容量:10包
使用可能年齢:2歳以上

⑤小建中湯(ツムラ)

虚弱体質で、疲れやすいお子様に。
効能:小児虚弱体質、疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症、夜泣き
配合生薬:シャクヤク・ケイヒ・タイソウ・カンゾウ・ショウキョウ
服用/回数:15才未満7才以上・・・1回1包・1日2回
7才未満4才以上・・・2/3包・1日2回
4才未満2才以上・・・1/2包・1日2回
2歳未満・・・1/3包・1日2回
内容量:10包
使用可能年齢:1歳未満でも可能ですが、医師への受診が優先、やむを得ない場合のみ。

疲れの解消方法

このページの冒頭に記載したように、疲労には大きく分けて3つの種類「肉体的疲労」・「精神的疲労」・「神経的疲労」がありますが、状態に応じた疲れの解消法を取り入れ疲労回復をはかりましょう。

睡眠による疲労回復

どの疲労にも共通するのが、まずは睡眠時間と睡眠の質の改善です。十分な睡眠時間を確保するのはもちろんですが、パソコンやスマホは就寝前には使用しないことや、就寝の1~2時間前にぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、着心地の良いパジャマで休む、合わせて照明や枕の高さなど自分の心地よい環境を整えていくのが良いでしょう。

食事による疲労回復

疲労回復には、食事でしっかり栄養素を摂ることが重要です。1日3回バランスの取れた食事を心がけ、特に疲労回復に効果的な食材を入れることにより、エネルギー代謝を高めたり、ホルモンの分泌を促進したりする効果もあります。また、1日の食事の中では、朝食をしっかり食べ、夕食は就寝の3時間前までに済ませるようにしましょう。睡眠時は成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や脳および神経の疲労を回復させる働きがあります。しかしその時間に胃に食べ物が残っていると消化することにエネルギーを使ってしまい、成長ホルモンの分泌が低下してしまうため、疲労回復が十分に行えずに翌日も疲れが残ってしまうということになります。

運動による疲労回復

適度な運動は、積極的休息「アクティブレスト」とも呼ばれ、血流が促進され、疲労物質である乳酸も排出されやすくなります。また、軽めの運動をすることで「セロトニン」というホルモンの分泌が高まり、精神を安定させる効果もあります。

まとめ

情報に溢れ、取り巻く環境が複雑化する現代において、疲労は少なからず誰もが感じているものですが、自分の疲れの原因が何なのか、原因を把握してご自身に合わせた疲労の回復を行っていきましょう。疲れは溜まりすぎると、うつ病などに発展するケースもあり、ある程度疲労への対策を行っても状態が変わらない場合は何か別の病気である可能性もあります。また、疲労回復の補助的なツールとしてサプリメントや漢方も選択肢の一つとなります。日々の睡眠・食事・運動に加えて取り入れていくのも良いでしょう。

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