【掲載日】2022/04/12   【最終更新日】2023/06/21

疲れやすい原因とは?疲労感の解消方法を5つご紹介

成田亜希子医師

監修者

内科医・公衆衛生医師

成田亜希子医師

毎日の生活の中で仕事や家事、学業など疲れを引き起こす原因はたくさんあります。
疲労の原因を適切に分析し対処することが疲れにくい体を作るための大きな要因です。
今回は疲労の原因と疲労感の解消方法をご紹介します。

疲れやすい原因とは?

疲れは大きく3つに分類され、「肉体的疲労」、「精神的疲労」、「神経的疲労」が挙げられます。

肉体的疲労

肉体的疲労の原因は、体を動かすエネルギーの不足や一日中同じ姿勢をとり続けるなど、一部の筋肉を長時間こわばらせることで疲労物質である乳酸が生成され、蓄積することなどです。

精神的疲労

精神的疲労は、職場や学校での人間関係や仕事や家事、人間関係で抱える悩み事などのストレスが原因の疲れです。

神経的疲労

神経的疲労は、仕事や学業などのデスクワークなどで視神経や脳が緊張した状態が長時間続くことで起こる頭や思考力の疲れです。
3つの疲労が体に蓄積し疲れやすい原因となって残ってしまいます。

疲労感の解消方法

睡眠

十分な睡眠をとることは疲れを解消する方法の一つです。睡眠は脳や体を休める効果があり、適切な睡眠時間を確保することが重要です。睡眠時間と死亡率を調査した研究では、睡眠時間が長くとも短くとも、睡眠を7時間とっている人と比べると死亡率が高いことが判明しています。そのため、健康な生活を送るための適切な睡眠時間は1日あたり6~7時間を目安としています。また、長さだけでなく、質のよい睡眠をとることも疲労感の解消には重要です。寝室の照明や枕の高さを自分に合うように調整することなどで、心地よく眠れるように工夫するとよいでしょう。

入浴

入浴は疲れを解消するのに効果的です。体を温めることによって血液の循環を促し、血流とともに体内の老廃物や疲労物質が排出されやすくなり、疲れが残りにくくなります。また、湯船に浸かることで浮力が作用し、全身の筋肉が緊張から解放され適度なリラックス状態となることから、疲労の回復も期待できます。さらに全身に水圧がかかることにより、血流だけでなくリンパの流れも良くなり、むくみやだるさといった症状が改善されます。
ただし、お湯の温度が熱すぎたり長時間湯船に浸かったりすると、交感神経の働きを活性化して疲れが取れにくくなってしまうこともあるので、40℃以下の温めのお湯に10分ほど浸かるようにするのが望ましいとされています。

食事

疲れを感じるときには、食事をしっかり摂ることも大切です。体を動かすためには、食事で必要なエネルギーを摂取することが重要です。健康を維持するためには、栄養バランスを意識して一日三食しっかり食べる必要があります。疲労感を解消させる栄養素として、糖質の代謝に関与するビタミンB1・B2、運動能力を保つために必要なカルシウム、鉄といった成分が効果的です。バランスよく栄養素を取ることが難しい場合には、サプリメントや健康食品で補うことも考えましょう。
また、体に負担をかけない食べ方も心がけましょう。よく噛んでゆっくり食べることで、食べ物の消化吸収をよくして胃腸に負担をかけずに栄養を摂取することができます。食欲のない場合には、消化しやすく胃に優しい食品で栄養をとるようにしましょう。

姿勢

疲労感の解消方法として、姿勢に気をつけることが大切です。特にパソコンでのデスクワークや、スマートフォンなどを長時間使用するときは同じ姿勢をとり続けがちです。長時間姿勢を変えずにいると、一部の筋肉が緊張し、疲労の原因物質である乳酸が溜まってしまいます。また、筋肉を動かさないことで血行も悪くなり、疲れが取れにくくなってしまいます。座る姿勢一つをとっても、足を投げ出して腰に負担がかかるような姿勢は控え、椅子に深く腰掛け、骨盤を立てるイメージでまっすぐ背筋伸ばすような正しい姿勢を意識しましょう。
また、血行をよくするために、首や肩をほぐしたり、腕を伸ばして手のひらの向きを変えたりといった適度なストレッチを試してみるのも効果的です。

運動

疲れを感じたときは、運動習慣を見直すことも重要です。適度な運動には、血行をよくして筋肉に溜まった疲労物質である乳酸を排出する効果があります。ポイントは、息切れするような過度な運動ではなく、マイペースで楽しみながらできる有酸素運動を取り入れることが大切です。例えば、ジョギングであれば走りながら会話ができる速度で30分程度続け、軽く汗をかくくらいがちょうどいいと考えられます。

疲れにくい身体を作るポイント

  • 一日三食の栄養バランスの取れた食事習慣
  • 一日30分程度の軽い運動習慣
  • リラックス効果の期待できる入浴などで休養を取る
  • 自身が調子のいい睡眠時間を見極め睡眠の質を高める
  • 正しい姿勢や長時間同じ姿勢にならないことを意識する
  • 適度な運動習慣を身に付ける

まとめ

疲れは、放置してしまうと重大な病気にもつながってしまうことがあります。日々健康で健やかに過ごすために、疲れやすいと感じたら生活習慣を一度見直してください。疲労感を解消できるための行動を心掛けましょう。

監修者

成田亜希子医師

内科医・公衆衛生医師

成田亜希子医師

東京都出身、弘前大学医学部卒。青森県弘前市在住の医師。
国立医療科学院や結核研究所で研修を積み、保健所勤務経験から感染症、医療行政に詳しい。

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