病気の基礎知識:生活習慣病

高血糖、糖尿病の治療方法とは?血糖値のコントロールに有効なことまとめ

血糖値のコントロールに有効なことまとめ

 

糖尿病が怖いのは、高血糖になることではなく、血糖値上昇の影響を受けて、さまざまな合併症を発症してしまうことにあります。脳機能障害や腎障害のような合併症が出てしまうと、介護が必要になるケースもあり、できるだけ早い段階で治療を行った方がよいでしょう。

糖尿病は生活習慣病のひとつであり、薬物治療だけでなく、日々の生活を見直すことが大切です。高血糖になりにくい食事を選ぶのはもちろんのこと、血糖値コントロールに役立つ運動療法にもしっかり取り組みたいところ。血糖値を安定させ、糖尿病を治すために有効なポイントをまとめました。

目次

・高血糖とは?
  血糖値が高くなる原因
  高血糖による身体的リスク
  高血糖と糖尿病の関連性について
  高血糖の急性合併症についてとその治療・予防

・糖尿病予備群(2型糖尿病予備群)について

2型糖尿病を治すには?血糖値のコントロール
  薬物療法 
  食生活の改善(糖質コントロール)
  運動習慣の改善(オススメの運動)

・高血糖の治療を成功させるコツ・気を付けること
  継続する
  禁煙をする
  合併症の状態を把握する
  セルフモニタリングをする
  身近にサポーターとなる人を見つける

・まとめ

高血糖とは?

糖尿病は、高血糖が続くことによって、心身の不調を招いてしまう病気です。血液中に含まれるブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなってしまうことが問題であり、一時的であっても、身体的なリスクがあるとされています。

血糖値が高くなる原因

血糖値は、1日のうちに何度も変動するものの、体内で一定の状態を保つようにコントロールされています。健康な人であっても、食事やストレスの影響で血糖値が上がってしまいますが、血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きで、正常な範囲を保つことが可能です。しかし、何らかの原因で血糖コントロールができなくなり、血糖値が下がりにくくなってしまうのが糖尿病の原因です。

具体的には、大きく2つの理由があります。1つ目が、インスリンを作るすい臓の機能が低下してしまい、インスリンそのものが分泌されなくなるために、血糖値が下げられなくなってしまうものです。これは、1型糖尿病と呼ばれるもので、基本的にインスリンを外から補うことで血糖コントロールを行うしか方法がなく、治る見込みは少ないとされています。

2つ目は、インスリンは分泌されているけれど、量が少なかったり、作用力が低下してしまったりしているケースです。これは2型糖尿病と分類され、おおむね生活習慣が影響しているとされています。1型糖尿病と違い、自然なインスリン分泌ができる能力が残っているため、食事や運動などの療法を取り入れることで、血糖コントロールが可能です。

高血糖による身体的リスク

血糖値を下げることができず、高血糖の状態が慢性化してしまうことで、一番影響を受けるのが血管です。最初に毛細血管のような細い血管がダメージを受け、徐々に太い血管まで傷ついてしまい、さまざまな障害を引き起こしてしまいます。

高血糖によるリスクは、大きく2つに分けることができ、細い血管に起こる細小血管障害と、太い血管に見られる大血管障害があります。

たとえば、糖尿病の合併症としてよく知られている網膜症や腎機能障害は、毛細血管がダメージを受け、血液によって運ばれる栄養や酸素が送られなくなってしまうことが大きな原因です。血流が悪くなることで、糖尿病性の神経障害が起これば、手足のしびれや痛みが慢性的に続いてしまい、自律神経の不調を招いてしまいます。悪化すれば、壊疽が起こり指先を切り落とすような処置が必要なケースもあります。たとえ大きな合併症を発症しなくても、日常的な不調はストレスになってしまうことでしょう。

さらに大血管障害に発展すれば、脳梗塞や心筋梗塞といった死に至るような合併症を発症するリスクが高くなり、将来的に介護が必要となる可能性も高まります。

近年では、血糖値スパイクと呼ばれる一時的な高血糖であっても、糖尿病のような合併症のリスクがあると報告されています。また、自律神経に影響することから、うつや倦怠感、イライラといった心理的な不調にもつながるとされており、落ち込みやすくなることもあるようです。高血糖によるリスクは、肉体だけでなく、心にも作用してしまうため、早期の対策が必要でしょう。

高血糖と糖尿病の関連性について

上述したとおり、健康な人であっても、血糖値は上下しており、とくに食事の影響を受けて高血糖になりやすくなります。また、年齢とともに血糖値が上がりやすくなるため、必ずしもすぐに糖尿病と診断されるわけではありません。

とはいえ、高血糖も基準値を超えれば、糖尿病に発展するため、定期的な健康診断を受けながら、そのリスクを確認しておくとよいでしょう。

ただし、健康診断では、主に空腹時血糖値の測定となるため、食後だけ急激に血糖値が上がってしまう「隠れ糖尿病」は発見しづらいのが難点です。気が付かないうちに悪化し、合併症などの発症によって糖尿病と診断される可能性があります。また、インスリンが分泌されなくなる1型糖尿病は、発症のタイミングが予測しづらく、突然、高血糖を起こしてしまうケースもありえます。健康診断で基準値を超えた高血糖が見つからなかったとしても、糖尿病になる可能性を考えて、日々の生活習慣を見直すことが大切です。

高血糖の急性合併症についてとその治療・予防

糖尿病の患者さんに多い2型糖尿病は、時間をかけて悪化していく場合がほとんどです。同様に、合併症についてもゆっくりと進行していきます。しかし、なかには急激な悪化で失神してしまうような合併症が出るケースがあります。

たとえば、手術や薬、その他の症状が影響しておこる「高浸透圧高血糖症候群」もそのひとつ。高血糖の状態が続くことで、尿量が増え、脱水状態となることでさまざまな不調を引き起こしてしまうものです。脱水による倦怠感や多尿、体重減少などの症状があり、場合によっては、血圧の低下や手足のしびれ、軽い麻痺なども出るとされています。ひどい場合には数時間のうちに発症し、なかには徐々に進行し1ヶ月ほど症状が続くケースもあります。治療のために利尿薬やステロイド薬を使用している人は、とくに注意が必要です。確実な予防策はないものの、喉の渇きが止まらない、尿量が急激に増えたといった変化があった場合には、できるだけ早い段階で、担当医に相談するようにしましょう。

そのほか、ペットボトル症候群としても知られる「ケトアドーシス」も、急性合併症としてよく知られるものです。吐き気や腹痛といった症状をはじめ、極度の脱水状態に陥ってしまうと意識障害を起こす可能性もあります。極度のインスリン不足になることで発症するため、インスリン治療を行っている患者さんは注意が必要です。適切なタイミングできちんとインスリンを補充できれば、予防ができるでしょう。

万が一、ケトアドーシスになってしまった場合には、病院での治療が必要です。ひどい場合には、昏睡状態になってしまう可能性もあるため、できるだけ早い段階で診察を受けましょう。

糖尿病予備群(2型糖尿病予備群)について

 

一旦、糖尿病と診断されてしまうと、服薬が必要になったり、より厳しい生活習慣の見直しに取り組んだりしなければいけません。糖尿病のリスクがあると分かった時点で、早めの対策を取るとよいでしょう。

なかでも、糖尿病予備軍といわれるハイリスクの状態にある人は、積極的に悪化予防を行うのがおすすめです。

糖尿病予備軍とは、基本的に、2型糖尿病になる可能性が高いグループを指します。実際に、検診などで血糖値が高い傾向にある人だけでなく、身内に糖尿病患者がいたり、肥満だったりするタイプも含まれるため、自分に当てはまるかどうかを確認しておきましょう。

そのほか、暴飲暴食になりやすい人や、若いのに歯周病が悪化している人、吹き出物などができやすく、さらに治りにくい人なども該当するとされています。女性の場合であれば、妊娠糖尿病のリスクが高いと言われた人や、巨大児を出産、流産などを繰り返した人も当てはまります。健診結果や血糖値の基準値だけにとらわれず、遺伝的なリスクやその他の生活習慣病の影響も考えながら、糖尿病予防に取り組みたいところです。

2型糖尿病を治すには?血糖値のコントロール

では、具体的に2型糖尿病の悪化を予防し、血糖値をコントロールするためにはどうしたらよいのでしょうか。

薬物療法

血糖値をコントロールするためには、インスリンによる血糖値を下げる働きをできるだけ正常に近づける必要があります。しかし、すでに糖尿病を発症している場合には、自力でのコントロールが難しいケースも多いため、薬によってインスリンの働きをサポートするような治療がおこなわれることになります。代表的な治療薬として、以下のようなものがあります。

> インスリン分泌促進系
DPP-4
阻害薬や、速効型インスリン分泌促進薬などは、すい臓に作用しインスリンの分泌を促進させる効果がある薬です。薬剤の商品名としては、ジャヌビアやトラゼンタ、ファスティック、スターシスなどが該当します。

> インスリン抵抗性改善薬
DPP-4
インスリンは分泌されているのに、作用が低下しているインスリン抵抗性を改善させる薬です。ピグアナイド薬やチアゾリジン薬があり、薬剤の商品名としてはジベトスやメトグルコ、アクトスなどがあります。

> 糖の吸収を抑え、排泄を促す薬
DPP-4
血糖値の上昇につながる糖の吸収を遅らせる、腎臓で糖を再吸収されるのを阻害して、血中の糖濃度を抑える薬です。α-グルコシターゼ阻害薬や、SGLT2阻害薬などがあり、商品名としては、スーグラ、フォシーガ、デベンザ、グルコバイ、ベイスン、セイブルなどがあります。

 

食生活の改善(糖質コントロール)

糖尿病の治療は、薬だけではありません。基本となる生活習慣を見直すことも欠かせない治療法といえるでしょう。とくに、食事は血糖値コントロールを大きく左右するものです。血糖値を上げてしまう糖質の食べ過ぎに注意し、栄養バランスを意識した食事療法に取り組んでみましょう。ご飯や麺類、パンといった主食に偏った食事ではなく、肉や魚、野菜といった食材をバランスよく選ぶのがポイントです。また、食べる順番にも注意し、野菜や汁ものなどから食べ始め、糖質の多い主食は最後に食べるようにしましょう。

運動習慣の改善(オススメの運動)

食事とともに大切なのが、運動習慣です。食事だけ、運動だけといった変化ではなく、どちらも見直すことで、より高い改善効果を期待できるでしょう。

運動によって筋肉量が増えれば、糖を処理する能力が高まるため、血糖値がコントロールしやすくなります。ただし、ハードな運動は身体に負担をかけてしまうため、無理は禁物です。ウォーキングやヨガといった有酸素運動を中心に、無理のない程度で筋トレを取り入れるなど、毎日できるような運動を習慣にしてみましょう。

高血糖の治療を成功させるコツ・気を付けること

高血糖改善を目指して、効果的に取り組むためには、以下のような点にも注意してみましょう。

継続する

糖尿病の治療は、短期決戦で終わるものではありません。とくに、食事療法や運動療法は、続けてこそ意味があるもの。短期間で効果を感じられなかったからといってすぐにやめてしまうのはNGです。例え一時的に糖尿病が治ったように感じても、再発してしまえば意味がありません。自分なりに継続しやすい方法を探しながら、血糖値コントロールにつながる生活習慣を維持しましょう。

禁煙をする

どんなに規則正しい生活を送っていても、血糖値を乱してしまう習慣が1つでもあると、改善が遠のきます。とくに、喫煙の習慣はなかなかやめにくく、ついついタバコに手を伸ばしてしまうこともあるでしょう。しかし、喫煙は、自律神経を刺激し、血糖値上昇を招きやすいことがわかっています。できる限り早い段階で、禁煙を決意しましょう。自力での禁煙が難しい場合には、禁煙外来に相談するのもおすすめです。

合併症の状態を把握する

糖尿病を改善させるといっても、血糖値だけが下がればよいというものではありません。これまでの高血糖によって、どの程度合併症のリスクが上がっているのかを把握しておくことも大切です。たとえば、眼底検査や視野測定を行うことで、網膜症の進行状況を確認することができるように、糖尿病の合併症に関する検査は多くあります。細かい検査を受けたい場合には、担当医に相談し、定期的に状況が確認できる機会を設けられるようお願いしてみましょう。

セルフモニタリングをする

高血糖になっているかどうかは自覚しづらく、血糖値測定で初めて気付く人も少なくありません。すでに糖尿病と診断されているとしても、よほど悪化しない限り、症状だけで気づくケースはあまりないでしょう。だからこそ、自分自身が積極的に状態を確認し、記録しておく必要があります。血糖値の自己測定はもちろん、体重や血圧、体調など自分自身をモニターする、セルフモニタリングの習慣をつけましょう。食事の内容や運動量なども記録しておけば、今後の体調管理にも役立ちます。

身近にサポーターとなる人を見つける

糖尿病改善のために生活習慣を見直したいと思っても、自分だけの力では変化させるのが難しいケースもあるでしょう。付き合いでの食事や飲み会が断りづらかったり、運動の機会を逃したりすることもありがちです。健康的な生活を続けるためにも、周囲への理解を求め、サポートしてくれる人を見つけてみましょう。家族だけでなく、職場や友人などに自身の体調を伝えながら、生活環境そのものを見直すことも大切です。

まとめ

糖尿病を治すといっても、長期的に血糖値コントロールをしながら、正常範囲を保つことで悪化を防ぐことしかできません。食事や運動をはじめとする生活習慣を見直しながら、高血糖になりにくい状況を作っていきましょう。

 

 

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