【掲載日】2018/08/23   【最終更新日】2022/10/07

【生活習慣病の予防・治療方法】生活習慣病の原因となる習慣や食事・運動での改善について

生活習慣病の原因となる習慣や食事・運動での改善について

生活習慣病の多くは、不規則な食生活や運動不足などによって、じわじわと進行してしまうため、病気の発症に気付きにくい傾向があります。自覚しづらいため、気が付いたときには悪化していることも少なくありません。日常の延長線上で発症してしまうからこそ、日頃から予防を行っておきたい病気といえるでしょう。生活習慣病の悪化を防ぎ、治療するうえでは、食事や運動の見直しが必要です。具体的にどんな予防法や治療法があるのかを確認してみましょう。

生活習慣病とは?

生活習慣病とは、不適切な食生活や運動不足、喫煙、過多の飲酒などが影響して起こる病気の総称です。病気を発症しても、初期であれば日常生活に大きな支障はありません。しかし、悪化して重症化したり、合併症を引き起こしたりしてしまうと、将来的に介護が必要な状況にもなりかねません。できるだけ早い段階で、生活習慣病を起こすリスクが潜在していないか、治療が必要な病気がないかなどを知っておくとよいでしょう。

生活習慣病に当てはまる病気

治療において生活習慣の見直しが必要となる生活習慣病には、いくつかの段階があります。

最初は、食事の乱れや運動不足、ストレスが多いといった不健康な生活習慣によって、なんらかの不調を感じるところから始まります。さらに症状が発展してしまうと、生活習慣病を発症します。具体的に生活習慣病として当てはまるものには、「メタボリックシンドローム(肥満症)」「糖尿病」「高血圧症」「脂質異常症」「動脈硬化症」などが挙げられます。

生活習慣病になることによるリスク

上述したような病気はあくまでも生活習慣病の一部であり、そのまま放置してしまうと更なる病気に発展する可能性があります。

たとえば、がんが発生したり、合併症としての心疾患や脳機能障害、腎機能障害などが起こったりして、複合的な病気を抱えてしまうこともあるでしょう。

ある意味、生活習慣病は生命に関わるような大きな病気の前段階にあり、自覚症状がないまま、気付いたときには合併症を発症していたというケースも多くあります。

生活習慣病の予防法、治療法

 

生活習慣病の予防はもちろん、すでに発症している場合の治療においても、最初に見直したいのが、日々の習慣です。病院から処方された薬を飲むだけで治るというものではなく、食事や運動といった習慣を見直すことで、悪化を防ぐ必要があるでしょう。とはいえ、自分のクセには気付きにくいように、どんな習慣が病気になりやすいのか、どんな点を見直せばいいのかがわかりづらいという人もいるでしょう。以下の注意点を確認しながら、健康的な生活習慣を取り戻しましょう。

食生活

まず見直したいのが食生活です。生活習慣病のなかでも疾患者の多い糖尿病や高血圧は、食事の影響を大きく受けており、症状の悪化にダイレクトにつながります。高血糖を起こしやすい食事や、高血圧になりやすい食事になっていないか、自身の食習慣を振り返ってみましょう。

  ● 悪い習慣

> 野菜不足
野菜が不足すると、代謝に必要なビタミンやミネラルも不足するだけでなく、糖質の吸収を緩やかにする食物繊維が取りづらく、高血糖を招きます。さらには野菜に多く含まれるカリウムが不足するため、高血圧になりやすい傾向にあります。

> 塩分のとりすぎ
外食や加工品が多い人は要注意。知らず知らずのうちに塩分過多になっているかもしれません。塩分が多い食事が続くと、血中の塩分濃度が高くなり、高血圧を起こしやすくなります。

> 朝食を抜いてしまう
朝食は1日の始まりに、活動エネルギーを補給する大切な食事です。朝食を抜くことで、昼や夜の食事がドカ食いになったり、早食いになったりして、身体への負担を大きくします。

> カロリーのとりすぎ
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日あたりに必要なエネルギーを超えて、カロリー過多になってしまうと、肥満の原因になります。メタボリックシンドロームになれば、生活習慣病が悪化するリスクが高まります。

> 早食い
早食いは、消化吸収力を低下させるとともに、食事量が増えやすくなる傾向があります。満腹感に気付かずに食べ過ぎてしまうため、肥満のリスクを高めるでしょう。

> 飲酒量が多い
厚生労働省が推進する「健康日本21」によると、飲酒量はビールであれば500ml1本程度が適量です。自律神経を刺激することで、高血糖や高血圧の状態を招きやすくなります。

  ● 良い習慣

> バランスの良い食事
メインのおかずに、汁物、サラダなど一汁三菜が基本です。1回の食事では難しい場合、1日のうちでバランスを取れるように食事内容を考えるとよいでしょう。

> カロリー摂取量が適切
脂肪分が多すぎる食事は、カロリーが高くなりがちです。1回あたりの食事量を腹八分目に抑えておきましょう。逆に、カロリーが少なすぎるのも問題です。肥満解消のためにダイエットをするとしても、栄養バランスの良い食事を意識しましょう。

> 13食よく噛んで食べる
規則正しく13食を取ることを基本とし、時間をかけてゆっくり楽しむことも大切です。楽しい会話をしながら、ゆっくり噛んで食べることで、消化吸収力が高まります。

運動

生活習慣を見直す際、食事改善とともに、必ず取り入れたいのが運動です。どちらか一方だけに集中するのではなく、食事と運動の両面においてバランスよく取り入れましょう。

> どんな運動がオススメ?
生活習慣病の改善は、長期的な視野で取り組む必要があり、運動強度の低いものから徐々に取り組んでいくとよいでしょう。気軽に始められる有酸素運動としては、ウォーキングがあります。歩幅を広くし、両手をしっかり振り上げて20分以上歩く習慣をつけてみましょう。

> 運動する頻度
健康な身体を維持するためには、少なくとも週2回以上、1回あたり30分以上の運動を行うのが好ましいとされています。しかし、年齢や性別によって運動量が異なるため、食事とのバランスを考えた頻度や運動量を考えてみましょう。

> 運動する時間、量
肥満予防や改善を意識する際、運動をするベストなタイミングは夕飯後です。夕食は早目に済ませて、ウォーキングやストレッチなどを行ってみましょう。このとき、お腹が苦しくて動けないようであれば、食べすぎ注意のサインです。20分以上を目安に、ゆったりと行える運動量を確保します。

> 日常で工夫できること
運動不足を補うために、できるだけ階段を使うようにしたり、1駅前で下車し歩いて帰ったりするのも有効です。加えて、すでに習慣になっている行動に、運動をプラスするのもよいでしょう。

タバコ

生活習慣病改善に欠かせないのが、禁煙です。タバコによる心身への影響は大きく、生活習慣病のリスクを高めてしまいます。

> タバコのリスク
タバコは、肺がんをはじめとする多くのがんや心疾患、脳卒中のように死に至るような病気のリスクを高めてしまうため、生活習慣病を悪化させる原因のひとつとされています。

> 禁煙によるメリット
禁煙によって心臓病や脳卒中のリスクが軽減されるだけでなく、血流が良くなったり、自律神経の安定に役立ったりして、日々の不調が減ることでしょう。さらには、周囲に及ぼす副流煙の影響も少なくなることから、家族や知人の健康を守ることにもつながります。

複数の病気が発症すると危険

生活習慣病にはさまざまなものがあり、どれか1つだけが発症するとは限りません。たとえば、糖尿病の合併症として高血圧がありますが、さらに動脈硬化を引き起こせば、脳機能障害や心疾患のリスクがますます高まります。ひとつでも病気があると診断されたら、他の症状が出る前に、早めの対策をおこないましょう。

子供も生活習慣病になるリスクがある

生活習慣病は、なにも大人だけに発症するものではありません。近年、子供の糖尿病や高血圧などが増えており、社会的な問題となっています。好き嫌いが多かったり、室内で遊ぶことが増えたりして、大人同様に不摂生な生活習慣を送っている子供も少なくありません。成人前に生活習慣病を発症してしまえば、成長期にも大きな影響があり、制限の多い人生を過ごすことになります。大人が子供の手本となるような生活習慣を心がけたいものです。

「成人病」ではない

生活習慣病は、もともと「成人病」とも呼ばれていました。しかし、飽食や運動量の減少といった時代の変化とともに、若年層への病気発症が広がったため、1996年に名称が変更されました。加えて、成人であっても生活習慣の見直しによって、予防や病気改善が見込まれることも改称された要因のひとつです。年齢を問わず、生活習慣病となる可能性があり、同時に、誰もが予防できる病気であるといえるでしょう。

まとめ

生活習慣病は、長期間にわたる不摂生が影響して発症するものです。健康的な身体を維持するためにも、日々のちょっとした習慣を見直すことから始めてみましょう。

 

 

 

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