【掲載日】2022/11/18

【2022年】手足のしびれにおすすめの漢方薬5選

手足のしびれはなぜ起こる?

しびれのメカニズムは、何らかの原因で神経の経路が圧迫されたり障害が起きているときに起こります。
手足に向かう神経は、脳から脊髄を通り末梢神経と呼ばれる神経で体のすみずみにまで繋がっており、脳からの電気信号により手足を動かしたり、反対に手足の感覚を脳に伝えたりしています。この末梢神経のどこかで神経経路に障害が起きるとビリビリとしたしびれや痛み、手足の動かしづらさを感じます。この末梢神経は、脳や脊髄と違って骨で守られていないため、手足の動きや筋肉により痛みを起こしやすい部分です。手足のしびれの原因でもっとも多いのが、脳や背骨の病気ではなく、この末梢神経の障害によるものですが、それ以外でも脳梗塞等による中枢神経の病気が原因で起こるしびれもあり、そういった場合には早急に医療機関を受診する必要があります。

手足のしびれに漢方薬は効果がある?

通常、現代医学において手足のしびれで用いる治療法としては、内服薬(消炎鎮痛剤)や外用薬(湿布や貼り薬・塗り薬)、温熱・運動療法などが主ですが、それらのほとんどは「対症療法」といって症状を緩和することを目的とした治療法となります。一時的には痛みやしびれといった症状は軽減しますが、時間の経過とともにしばらくするとまた元通りになってしまうことが多いです。
対して東洋医学(漢方薬)は、症状が起きている該当部位に対して治療するのではなく、もっと全体的な体の内側の原因について根本的に解決しようという考え方になります。具体的にいうと、手足がしびれるのはその神経が圧迫され障害を起こしているからですが、なぜ圧迫されているのか、漢方薬では、「瘀血」(おけつ)といって、血行不良が原因と考えられています。
体内の各組織や臓器は個々に存在しているのではなく、全てが繋がって互いに連携し影響を及ぼしているため、血液の循環が悪くなると色々な組織で悪影響が出ます。今回のテーマである「しびれ」も、「瘀血」によって体の冷えが起こり臓器の機能低下などへ進行していきますが、痛みやしびれはそういった言わば「緊急警報」のサインの表れとなります。
漢方薬は、主にこの「瘀血」を改善することを目的とした生薬や、自律神経の緊張を和らげるもの、老化による筋力低下の強化補助に作用する漢方などがあります。
また、手のしびれで最も多い「手根管症候群」は、産後や更年期の女性が特に多く発症しやすい病気です。仕事やスポーツ等での手の使いすぎが原因であることもありますが、その多くは原因不明のことが多く、対症療法では効果が出ないケースもあります。お薬で効果が出ない場合、外科的治療(手術)への移行が選択肢となりますが、その手前の段階として漢方薬での治療を試みる場合もあります。
以下に記載する漢方薬は、痛み・しびれに対してよく処方される漢方ですが、一言に血流をよくするといっても一人ずつ症状は異なります。血流を良くする前に炎症を緩和させるのが先に必要な場合もあり、一人ひとりによってそのやり方は千差万別です。漢方は種類も多く専門の知識が必要になりますので、自己判断で服用せず、まずは漢方専門の医療機関にかかって見てもらうのが良いでしょう。

手足のしびれにおすすめの漢方薬5選

①独活葛根湯(どっかつかっこんとう)クラシエ

風邪薬として有名な葛根湯は首や肩・腕の痛みや凝り・しびれの治療薬としても用いられます。更に「独活」と「地黄」を加えた処方で、首・肩背の痛み止めとしても即効性があり急性的に生じた痛みに対して使われやすいようです。
配合生薬:カッコン/ケイヒ/シャクヤク/マオウ/ドクカツ/ショウキョウ/タイソウ/カンゾウ
服用/回数: 1回4錠・1日3回
内容量:48錠・96錠・192錠
使用可能年齢:15歳以上

②当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)クラシエ

※貧血・冷え性及び産後のホルモンバランスの乱れや更年期障害から来るしびれの改善
配合生薬:トウキ/センキュウ/シャクヤク/ブクリョウ/ソウジュツ/タクシャ
服用/回数:15歳以上:1回4錠・1日3回
7~14歳:1回3錠・1日3回
5~6歳:1回2錠・1日3回
内容量:96錠・240錠
使用可能年齢:5歳以上

③疎経活血湯(そけいかっけつとう)クラシエ

※痛みとしびれがある方の関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛に。
配合生薬:ジオウ/トウキ/トウニン/センキュウ/ブクリョウ/ビャクジュツ/ゴシツ/リュウタン/チンピ/キョウカツ/イレイセン/ボウイ/ボウフウ/ビャクシ/カンゾウ/シャクヤク/ショウキョウ
服用/回数:15才以上4錠
15才未満7才以上・・・3錠
7才未満5才以上・・・2錠
内容量:96錠・240錠
使用可能年齢:5歳以上

④桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)クラシエ

※虚弱体質で冷え性の方に対する関節痛・神経痛・手足のしびれに。
配合生薬:ケイヒ/シャクヤク/タイソウ/ブクリョウ/ビャクジュツ/ショウキョウ/カンゾウ/ブシ
服用/回数:15歳以上:1回4錠・1日3回
7~14歳:1回3錠・1日3回
5~6歳:1回2錠・1日3回
内容量:180錠
使用可能年齢:5歳以上

⑤牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)クラシエ

※下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)
配合生薬:ジオウ/サンシュユ/サンヤク/タクシャ/ブクリョウ/ボタンピ/ゴシツ/ シャゼンシ/ケイヒ/ブシ末
服用/回数:15才以上:4錠
15才未満7才以上:3錠
7才未満5才以上:2錠
内容量:96錠・240錠
使用可能年齢:5歳以上

しびれの緩和に用いられるその他の漢方

・八味丸(はちみがん)
足腰や泌尿器など下半身の衰え、足腰のしびれに。

・十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
体力と気力を補い、元気を取り戻すのを助けます。多発性神経炎のしびれや、手術後の体力低下時に用いることもあります。

その他の漢方薬
薏苡仁湯(よくいにんとう)
桂枝附子湯(けいしぶしとう)
甘草附子湯(かんぞうぶしとう)
白朮附子湯(びゃくじゅつぶしとう)
五積散(ごしゃくさん)
烏薬順気散(うやくじゅんきさん)
二朮湯(にじゅつとう)
十味剉散(じゅうみざさん)
治打撲一方(ちだぼくいっぽう)
治肩背拘急方(ちけんぱいこうきゅうほう)

まとめ

漢方は、基本的には血のめぐりを良くするという前提で、それにプラスして様々な生薬が配合されていますが、種類がたくさんあるためご自分ではなかなか選定しづらい部分があるかと思います。西洋医学の対症療法を目的とした通常の薬剤より即効性はやや劣りますが、副作用が少ないという最大のメリットもありますので、通常の市販薬であまり効果が出ない場合は、一度専門医に相談して漢方を試してみるのもひとつの選択肢かもしれません。

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