【掲載日】2022/05/17

めまいの症状とは?なりやすい人の特徴や予防方法を解説

めまいってなに?

めまいとは、自分や周囲が動いていないにも関わらず、周囲が動いているような感覚になる症状です。主な症状としては、目が回るような感覚、立つことがおぼつかない感覚、フワフワするような浮遊感などで、吐き気を伴うこともあります。
めまいの原因の多くは、自身の平衡感覚を正しく認識できない状態となった場合に起こります。
平衡感覚を脳に伝える器官の障害によるめまいを「前庭性めまい」と呼び、脳の障害による「中枢性めまい」と、内耳や神経の障害による「末梢性めまい」に区別されます。また、貧血、精神疾患、婦人科疾患、自律神経障害など、全身のいずれかの異常により発症するめまいを「非前庭性めまい」と呼びます。

めまいの症状

めまいの症状にも種類があり、ぐるぐる回る回転性めまい、ふらふらする動揺性めまい、気が遠くなる失神型めまいに分類されます。めまいがどの症状に当てはまるかチェックしてみましょう。

回転性めまい

自分自身、あるいは目の前の視界がぐるぐる回っているように感じるめまいです。耳鳴りや難聴が伴う場合もあり、主に耳に異常があることが原因で発症します。

浮動性めまい

体がふわふわと浮いているような感覚や、揺れている感覚が特徴的で、頭痛や手足のしびれを伴う場合があり、主に脳に異常があることが原因で発症します。

失神型めまい

立ち上がった瞬間にくらくらと感じたり、目の前が暗くなるように感じたりするもので、時に失神に至る場合もあります。主に起立性調節障害や、低血圧などが起因して発症します。

めまいが起こる仕組み

めまいは、目から入る情報と脳が認識した情報に「ずれ」が生じた際に発症するもので、具体的には体の平衡感覚を司る内耳の三半規管と耳石器、あるいは、それらから伝わる情報を認識する神経や脳に異常があることが原因とされています。
耳の奥には、体の運動感覚や位置感覚を脳の中枢に伝える前庭器官があります。前庭器官は耳石器と三半規管からなりますが、耳石器内にある耳石の一部が何らかの原因で剥がれて三半規管に入り込んでしまったり、前庭神経が前庭器官の以上を感知して誤った情報を脳に送ってしまった場合に、目の前がくるくる回ったり揺れているような回転性めまいが引き起こされます。

めまいの原因となる耳に関連する疾患

  • 良性発作性頭位めまい症
  • メニエール病
  • 前庭神経炎
  • 内耳炎

脳の異常によるめまい

脳幹や小脳は、平衡神経と密接な関係性にある器官のため、何らかの原因で出血や血管が詰まってしまった場合にめまいが発症します。このめまいの特徴は、体が浮いている感覚やうまく立ったり歩いたりすることができないような感覚といった浮遊感があり、浮動性めまいと呼ばれています。また、症状によっては呂律がまわりにくい、手足がしびれる、吐き気を伴うこともあります。

めまいの原因となる脳に関連する疾患

  • 脳梗塞
  • 脳出血、くも膜下出血
  • 脳腫瘍

めまいになりやすい人の特徴

めまいを引き起こす最も多い病状である良性発作性頭位めまい症は、何らかのきっかけで耳石が剥がれ、三半規管に入り込んでしまうことが原因とされています。
特に、術後に伴い長時間寝たきり生活を強いられる場合や、デスクワークなどで頭をあまり動かさずに同じ姿勢をとり続けることが多い方は、剥がれ落ちた耳石がその場に停留してしまい、蓄積された大きな塊となってめまいを起こす刺激となり得ると言われています。
また、加齢によりカルシウム代謝が変化し、炭酸カルシウムである耳石が落ちやすくなるという説や、低血圧、貧血、PMS(月経前症候群)、月経困難症、更年期障害、閉経によるホルモンバランスの変動などの症状が原因でめまいが出やすくなるといった説もあり、めまいは男性よりも女性に多く見られる傾向があるとも言われています。

めまいの治療の流れ

めまいの症状と診断する場合、日本めまい平衡医学会が策定した「急性期めまいの診療フローチャート」に沿って問診及び診察をします。

問診

めまいの発生タイミング、治まるまでの期間、めまい以外に現れる病状などを、治療を始める前に問診で聴取します。特に問診の段階で、めまいが単発性なのか再発性なのか、持病や合併症の有無についてなどを確認することで、めまいの原因がおおよそ推測できます。

診察(眼振検査)

眼振検査では特殊な検査用メガネを装着し、眼球の動きを観察します。めまいがある場合は、電車内で流れる風景を目で追ったり戻ったりするような振り子運動が眼球に見られ、自身が動いていないにも関わらず自分の意思とは無関係に勝手に眼球が動きます。

診察(聴力検査)

聴力検査では音を感知する蝸牛に異常がないか調べ、異常がある場合にはメニエール病や突発性難聴などの可能性があると考えられています。

※参考「急性期めまいの診療フローチャート」

もしめまいが起こった時の対処方法

1. 安静・水分摂取

めまいを感じたら、第一に安静にしましょう。立っていたり歩いていたりするとバランスを崩して転倒してしまう可能性があるため、座るか、可能であれば横になる体制を取りましょう。ポイントは頭の位置を低くすることが大切です。また、脱水を原因としてめまいが起こっている場合もありますので、適量の水分を摂取してください。

2. 目・耳に入る刺激を避ける

自律神経が過敏になり刺激を受けやすい状態の可能性があるので、部屋を暗くしたり音楽を消したりなど、目に入る光、耳に入る音といった五感を刺激するような直接的な情報をなるべく避けてください。

3. ストレス解消と、規則正しい生活

一過性のめまいは自律神経の乱れが原因となっていることもあり、自律神経の機能はストレスや不摂生により低下することがあります。早寝早起きや、適度な運動と休息、適切な食事を摂るなどの規則正しい生活を取り入れ、ストレスを溜め込まないように日頃から心がけましょう。

4. 血圧の変動に注意する

体を横にしたり、座っている状態から急に立ち上がる場合、脳まで血液を送るために血圧を一時的に上げる必要があります。自律神経が乱れていると血圧調整がうまくいかず、脳への血流が不足し貧血状態となってしまい、めまいや立ちくらみが起きてしまいます。低血圧気味の方や貧血の自覚のある方は臥位(寝た状態)や座位(座った状態)から急に体を動かすことは避け、腰を起こしながらゆっくり立ち上がるよう意識をしましょう。

5. 医療機関を受診する

上記の処置をしてもめまいが続く、あるいは一度治まっても頻繁にめまいが繰り返されるという場合には、体の隠れた病気や症状が原因でめまいを引き起こしている可能性がありますので、速やかに医療機関を受診してください。

日常生活で取り入れられるめまいの予防方法

食生活、生活リズムを整える

急激な血圧の変動は立ちくらみやめまい、ふらつきが発生しやすくなります。食事は朝昼晩3食をバランスの良い品目で摂取し、塩分や糖分を抑え、過度に食べ過ぎないように注意しましょう。
また、自律神経の不調は血圧の変動にも作用するため、自律神経作用を整える大豆食品、アーモンド、アボカド、かぼちゃなどのビタミンEを豊富に含んだ食材が効果的です。また、青魚類は血流作用を促す成分であるEPAやDHAを豊富に含むため、血圧を安定させる効果があります。

ストレスを溜め込まない

過労や心労などのストレスがめまいを誘発させる場合もあるので、悩み事や心配事を一人で抱えず、周りに相談してみましょう。また、就寝・起床時間をなるべく変化のないよう周期化し、睡眠習慣を整えて体をしっかりと休息させ、体調を整えましょう。

適度に頭を動かす

長時間同じ姿勢や体勢をとらないように、カンタンな運動を取り入れましょう。
就寝前に仰向けの状態で頭を左右にゆっくり動かし、2~3回寝返りをしてから入眠するのがオススメです。また、枕を使わないで寝てしまったり、枕が低い状態で寝てしまうと、耳石器が後ろに傾き耳石が半規管に入りやすくなるので、めまいが起こりやすい人は高さのある枕を使い、頭の位置をやや高めにして寝る体勢を取りましょう。

まとめ

めまいの症状にも様々な種類があり、それぞれ原因や対処法も異なります。
症状の特徴からどのめまいに該当するかを事前に確認し、適切な処置や予防法でめまいの発症を防止しましょう。

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