【掲載日】2023/10/25
骨粗鬆症(骨粗しょう症)の症状-原因や特長についても解説
骨粗しょう症とは
正常な骨は骨組織の密度が高く強靭であるため、少しの衝撃を与えても骨に影響はありませんが、骨の内部の構造が崩壊してしまい、骨組織の密度が低下してもろくなった状態を骨粗しょう症と呼びます。ちょっとつまずいて地面に手や肘をついてしまったり、くしゃみをしたりなどの動作で生じるわずかな衝撃でも骨折してしまうリスクが高くなり、何気ない日常の動作にも慎重にならなければなりません。
また、骨粗しょう症自体には痛みなどの自覚症状がほぼないために、定期的な検査を受けていないと気づくことが難しい病気です。
「最近背が低くなってきたなぁ…」「背中が丸まってきたなぁ…」と感じてませんか?
骨粗しょう症の症状
骨密度が低下した状態では、背中や腰などに強い痛みが走る、些細な動作や衝撃で簡単に骨折してしまう、背が低くなったり丸まったりする、といった症状が見られます。しかし、骨粗しょう症は骨の密度がスカスカになっている状態を指すため、測ってみないと骨量が多いか少ないか判別できず、上記のような自覚症状がなくても実は骨粗しょう症だったというケースも見られます。
また、骨粗しょう症の方が骨折をしてしまうと、骨細胞が新たな骨を生成するのが追いつかず、なかなか元通りの骨の状態に戻らなかったり、再び些細な衝撃で骨折してしまったりします。
骨折だけではなく、骨粗しょう症によって背中が丸くなると、内臓が圧迫されるため消化不良や便秘になるほか、食べたものが食道に逆流して胸焼けになる逆流性食道炎という疾患を合併してしまうこともあります。
骨粗しょう症の原因
骨粗しょう症は「続発性骨粗しょう症」と「原発性骨粗しょう症」の大きく2つに分類することができます。
続発性骨粗しょう症は、糖尿病などの生活習慣病、関節リウマチなどの免疫疾患といった特定の病気や薬の副作用が原因となるので、骨粗しょう症患者の全体の割合としては少ないです。
多くの骨粗しょう症は原発性であり、加齢や閉経による女性ホルモンの低下、喫煙や過度な飲酒などの生活習慣などが原因とされているため、これらの要因が複数合わさる経産婦や閉経後の女性が骨粗しょう症となる割合が高くなっています。
骨粗しょう症の症状を治すには
食事療法
「骨を強くするにはカルシウム!」と誰もが思う通り、骨粗しょう症にはカルシウムを始めとする栄養素の補給が必須です。
成人が一日に摂取するカルシウムの推奨量は600~800mg程度と言われており、牛乳や小魚を始めとするカルシウムが豊富な食材を、日々の食生活の中で積極的にとるようにするといいでしょう。
なお、カルシウムは食べた分すべてが体内に吸収されるわけではないため、腸管からカルシウムを吸収する働きを促進するビタミンDが含まれる食材も合わせることで、摂取効果が増加します。
運動療法
骨は負荷がかかるほど細胞が活性化し、より強くなろうとする性質があります。また、骨の周囲を覆う筋肉が発達していると、骨へかかる負担を軽減することができます。
運動をする際の注意点としては、激しい運動を集中して行うのではなく、適度な運動を継続的に行うことです。
特に「水中歩行」や「水中ストレッチ」など水中で行う運動は浮力を利用するため、体重の負荷をかけることなく安全に運動できるので、中高齢の方や膝や足の調子があまりよくない方に効果的な方法です。
薬物療法
骨粗しょう症の薬には(1) 骨吸収を抑制する薬、(2) 骨の形成を促進する薬、(3) カルシウム製剤の大きく2つに分類されます。
いずれも骨粗しょう症の程度や進行具合によって使い分け、食事療法や運動療法と並行することが重要です。
「最近背が低くなってきたなぁ…」「背中が丸まってきたなぁ…」と感じてませんか?
まとめ
骨粗しょう症は自覚がなくても症状が潜んでいる場合があり、健康診断などで骨密度を定期的に確認しなければ判別できないこともあります。
背中や腰などが痛んだり、簡単に骨折したりするようなことがあれば、一度検査を受けてみましょう。
また、骨粗しょう症と診断されて治療を始めても、1年以上の期間を設けてはじめて効果があらわれることもあります。骨密度が低下しないよう日頃から運動や食事を通して骨を大事にすることを意識してみましょう。
骨粗しょう症(骨粗鬆症)の基礎知識一覧
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