【掲載日】2016/08/03   【最終更新日】2016/11/25

「最近背が低くなってきたなぁ…」「背中が丸まってきたなぁ…」と感じてませんか?

背中や腰に、骨折を伴うほどの痛みが出てきたときには、
体が危険サインをだしているのかもしれません!

 

骨粗しょう症ってどんな病気?

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骨粗しょう症(骨粗鬆症)とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気の事です。
エジプト文明の時代からある病気と言われている病気だそうですが、近代にかけ平均寿命が延びてきたことで、高齢者数が増え、深刻な問題をなっているのが現状です。
何も病気がないし、血液検査も異常がないから健康と思っている人でも、なにげない簡単な動作で骨折して、その時に初めて「骨粗しょう症」とわかる人も少なくないのです。

もともと、骨は、「皮質骨(ひしつこつ)または緻密骨(ちみつこつ)」と「海綿骨(かいめんこつ)」という2種類の骨から成り立っています。
皮質骨とは、硬くて緻密な骨の事をいい、海綿骨とは、小さな細い骨がジャングルジムのように複雑に組み合わさった構造をしていて、骨の強度を生み出しています。
なので、海綿骨の量が減ると、複雑にからみあったジャングルジムのような小さい骨の網目構造がくずれてしまい、あちこちでジャングルジムの「棒(骨梁:こつりょう)」がなくなっていくので、骨が弱くなり、骨折しやすくなってしまうのです。

特に、女性の場合は閉経してから、「エストロゲン」という女性ホルモンの減少により、骨密度が低下しやすくなるので、女性に多く見られる病気といわれています。
この『骨密度(こつみつど)』とは、骨を構成しているカルシウムを始めとしたミネラル類がどれくらい骨に詰まっているかを表すもので、骨の強さを示す指標の事です。骨密度は、測ってみないと骨量が多いか少ないかわかりません。自覚症状はあまりあてにならないのです!

 

どんな検査をするの?

骨粗しょう症の検査は、骨密度の測定をし、骨の密度を測って診断します。
検査の方法は、医師により異なりますが、「X線」や「血液検査」で調べることが多いそうです。

まず、代表的な検査法として、「MD法(手部X線骨密度測定法)」「DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)」「超音波法」などがあります。これらの検査は、骨塩(骨の中のカルシウムやリンなどの総称の事) の量を計測し、骨の強度を推定します。

MD法は、アルミニウム階段という濃密表と手とをならべてX線撮影し、第二中手骨(手の中に隠れて見えない人差し指の骨)の状態と濃密表とをデンシトメーターという装置を用いて比較し、骨塩量を決定する検査になります。
DXA法は、高いエネルギーと低い子不ルギーのX線では、骨の透過度が違いますが、この性質を利用し、高低二種類のエネルギーのX線を照射して、体のどこかの骨密度を測定する方法です。
超音波法は、体の外から超音波を発信すると、骨の部分で、伝わる強さや速さが変わるので、この性質を利用して、ひざやかかとの骨の骨密度を測定する方法です。

この他には、ラジオアイソトープ(RI)といって、放射線を用いるDPA法やSPA法、
腰椎をCTで撮影し、その画像から推定するQCT法などがあります。

ちなみに、骨密度の目安は、『70%』。骨密度測定で、「69%以下」といわれたら、骨粗しょう症と言われているようです。
自分の骨の密度の値はどれくらいでしょう。

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どんな症状があるの?

骨粗しょう症の症状は、いくつかありますが、まずは下のチェックシートで、骨粗しょう症の危険度をチェックしてみましょう!

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どうでしたか?どのくらいチェックがつきましたか?
目安として、「半分(10個)以上」当てはまっていたら、一度専門医師に相談してみましょう。

よく言われる症状としては、「背が低くなったと感じる」、「背中や腰に強い痛みを感じる」、「日常の簡単な動作で骨折をする(したことがある)」などがあります。
ただ、上記にもあるように、測ってみないと骨量が多いか少ないか判らず、自覚症状はあまりあてにならないため、
そういった症状も特にないけど、実は骨粗しょう症だったという方もいらっしゃいます。

とにかく、早めに検診を受ける機会があれば受診し、後々大きな怪我につながる前に『予防』するようにこころがけましょう!
特に、高齢者の寝たきりの状態になる理由の約20%が「骨折」といわれています。
一度、骨折をきっかけに寝込んでしまうと、骨折が治った後も自力で歩くことが困難になってしまうそうなので、
事前に検査、予防が必要なのはお分かりですよね?

また、背骨が圧迫されてつぶれていく事を「圧迫骨折」といいますが、症状が悪化すると、背中が丸くなり内臓が圧迫されるため消化不良や便秘になったり、食べたものが食道に逆流しやすくなり胸焼けがしたりします。
この胸焼けの症状は「逆流性食道炎」という疾患で、骨粗しょう症から、別の疾患を合併してしまう可能性が高いのです。

 

どういう人がなりやすいの?

骨粗しょう症の主な原因としては、加齢、閉経、偏食、カルシウム摂取量が少ない、運動不足、日光に当たらない生活、喫煙、極端なダイエット、嗜好品のとり過ぎなどが挙げられますが、多くの原因が複雑に関係して発症する病気のため、原因をひとつだけに決めることは出来ません。
ただ、加齢や閉経など、ここに挙げた原因の中でも複数の要素が合わさる、閉経後の女性は、より骨粗しょう症の可能性が高くなるのは、なんとなくわかりますよね。

やはり、女性は男性に比べ骨が細いだけではなく、出産や閉経などでホルモンバランスが崩れると、骨が弱くなります。
さらに、骨量(最大骨量)は20歳までに形成され、30~40歳代まで持続と増加をしますが、年齢を重ねるにつれ、次第に骨量は減少してきます。
このような、原因が重なることで、女性に多くみられる傾向が強いのです。

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治療はどうすればいいの?

骨粗しょう症の治療法は、大きく3つに分ける事ができます。

まずは、『食事療法』
慢性的にカルシウム(Ca)不足といわれている日本人。
「お魚中心の食事だから、カルシウムは獲ってるわ~」といわれている方!注意です!
カルシウムは、食べた分すべてが吸収されるわけではないのです!
個人差もありますし、食品によって含まれるカルシウムの吸収されやすさが違います。
日本人のカルシウムを1日に最低とるべき量は「600mg」とされていますが、他の国に比べこの値はかなり低いものだそうです。
にもかかわらず、この「600mg」ですら摂取できていないのが現状なのです。
さらに、骨粗しょう症の治療ガイドラインでは、『1日800mgのカルシウムの摂取』を勧めているので、日々の食生活の中で積極的にカルシウムをとるようにするといいでしょう。

また、骨のためにはカルシウムだけでなく、ビタミンDなどほかの栄養素にも気を配らなければなりません。
ビタミンDは食品から得られるほか、日光に当たることによっても皮下で合成され、腎臓や肝臓でビタミンDが活性化されると、腸でのカルシウムの吸収を助けるのです。

カルシウムを多く含む食品、カルシウムが吸収されやすい食品を、バランスよく摂取するように心がけましょう。

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次に『運動療法』
骨粗鬆症の患者さんは、すでに骨折をおこしていたり、おこしやすくなっていたりしているので、「運動などしないで安静にしたほうがよいのでは?」とお思いの方。
そこが落とし穴なのです!!運動をしないでいると骨は次第に弱くなっていくので、適度な運動は必要なのです。
更に、運動によって筋力が維持され、反射神経もよくなるので、転びにくくなるとも考えられます

『自分にあった適度な運動を継続すること』が必要です。
続かなければ意味がありません。散歩であれば30分ほど、そしてできれば毎日することが効果的です。また、外に出かければ日光浴もできるので、骨のためには一石二鳥です。
また、中高年期、足腰が弱くなった人など、体を動かすことが困難な人などの運動としては「水中歩行」や「水中ストレッチ」などが骨粗しょう症の予防に効果的といわれています。
水中の運動であれば浮力を利用するため、体重の負荷をかけることなく、安全に運動できます。膝や足があまりよくない方は、負担が少なく運動ができるので、非常によいでしょう。
ただ、腰を冷やさないためにも屋内温水プールを利用することをお勧めします!

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最後に『おクスリでの治療』
骨粗鬆症の薬物療法は、食事療法や運動療法の上に成り立っています。
つまり、食事からカルシウムやビタミンDなどをしっかり摂ること、運動すること、適度に日光を浴びることなどをきちんと行った上で、
必要に応じて医師が薬を処方することになります。
また、おクスリを飲んでいても、食事や運動も忘れないようにしましょう!

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