【掲載日】2021/05/25 【最終更新日】2021/06/04
インフルエンザの症状は?風邪との違いは何?
インフルエンザの症状は?
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染して起こる感染症です。インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型、D型の4種類に分けられます。主にヒトに流行を起こすのは、A型とB型のウイルスです。国内では例年12月~3月に流行し、短期間で多くの人に感染が拡がります。例年の季節性インフルエンザの感染者数は国内で推定約1,000万人とされます。
インフルエンザと風邪の症状どう違うの?
一般的に、風邪はさまざまなウイルスなどによって起こる病気です。その症状はのどの痛み、鼻汁、くしゃみ、咳などが中心で、強い全身症状はあまりみられません。発熱もインフルエンザほど高熱とならず、重症化することはあまりありません。
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで起こる病気です。症状として、普通のかぜのようなのどの痛み、鼻汁、咳などの症状もみられますが、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛・筋肉痛、全身のだるさ(倦怠感)などが比較的急速に同時に現れる特徴があります。
インフルエンザとかぜの症状の例
| 風邪 | インフルエンザ | |
|---|---|---|
| 症状の箇所 | 喉・鼻 | 全身 | 
| 進行 | ゆるやか | 急速 | 
| 発熱 | 38度前後の微熱 | 39〜40度の高熱 | 
| 寒気 | 軽度 | 重度 | 
| 鼻水 | 罹患初期 | 罹患後期 | 
| せき | 軽度 | 重度 | 
| 頭痛 | 軽度 | 重度 | 
| 筋肉・関節痛 | 軽度 | 重度 | 
ハイリスクグループとは
次のような方は、インフルエンザにかかると重症化しやすいといわれるハイリスクグループにあてはまります。
インフルエンザが重症化しやすい持病
呼吸器系(喘息・慢性肺疾患)、循環器系(心不全)、血液疾患、肝臓・腎臓病、代謝障害、糖尿病、神経学的疾患、神経発達障害
インフルエンザが重症化しやすい方々
5歳未満(特に2歳未満)の子供、65歳以上の方、妊娠中、または産後の方
アスピリンを服薬中の方、肥満の方、介護施設に入居中の方
症状を改善するために注意すべきことは?
インフルエンザの症状を改善するためには、体内にいるインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ「抗インフルエンザウイルス薬」の服用が有効です。抗インフルエンザウイルス薬を発症後すぐに服用を開始すると、服用していない場合と比べて発熱期間が1~2日短縮され、ウイルスの排泄量も減少し、症状が徐々に改善されていきます。
また、症状が落ち着いても体内に残っているウイルスが周りの人に感染する可能性があるため、処方されたお薬はすべて使い切り、最低2日間は自宅療養することが望ましいです。
インフルエンザと風邪はいつ流行するの?
風邪については、原因となりうるウイルスがたくさんあるため、1年中かかる可能性がありますが、風邪の原因ウイルスは特に冬に流行するタイプのウイルスが多いため、冬に風邪をひく方が多い傾向にあります。
一方インフルエンザは毎年11月下旬~12月上旬頃に感染者が出始め、翌年1~3月頃に患者数がピークを迎え、4~5月にかけて減少していくため、風邪と同様に冬場となります。
インフルエンザと風邪の予防法は違う?
風邪については、どのウイルスに感染しているかを逐一病院で検査するということはありません。そのため、風邪の抗ウイルス薬はなく、対処療法のみが治療方法となります。
インフルエンザの場合は感染したことが検査で分かれば、抗インフルエンザ薬を使用しつつ対処療法で経過を見ます。
また、インフルエンザについては第2種の感染症に定められており、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児の場合は3日)を経過するまで通学、通勤する方を自宅療養をさせる場合もあります。
日常生活の中でできる予防法
インフルエンザウイルスの感染は、せきやくしゃみによる飛沫や接触によってウイルスが体内に入ることで起こります。
飛沫感染例・・・感染者の咳・くしゃみにより発生した飛沫を吸い込む
接触感染例・・・感染者が触った直後のドアノブなどに触り、そのまま目、鼻、口に触る
ウイルスが体内に入るのを防ぐために、以下のような予防策が効果的です。
- 普段から健康管理をし、十分に栄養と睡眠を取ることで抵抗力を高める。
 - 人が多く集まる場所から帰ってきたときには手洗いを入念に行う。
 - アルコールを含んだ消毒液で消毒をする。
 - 咳エチケットを行う。
 
咳エチケット
「咳エチケット」とは、咳やくしゃみに含まれているかもしれない病原体(感染の原因物質)が、周囲に飛び散らないよう、以下のような方法で気をつけることです。
咳やくしゃみをするときに気をつけること
- 他の人から顔をそらす。
 - ティッシュなどで口と鼻を覆い、使用後のティッシュは速やかに捨てる。
 - 咳、くしゃみが出ている間は積極的にマスクを着用する。
 
インフルエンザの検査方法とは?
インフルエンザの検査法では、主に「迅速抗原検出キット」を使う検査が行われています。
鼻やのどの粘液を綿棒でぬぐった液や、鼻水(鼻かみ液)をキットを用いて検査すると、感染があるかどうかや感染しているウイルスの型が短時間でわかります。ただし、症状が出る前のウイルス量が少ない時期に検査した場合や、検査する材料の採取がうまくいかなかった場合は、感染していても陽性にならない場合があります。
家族がインフルエンザにかかったときの注意点とは?
同居している家族がインフルエンザにかかったときは、家庭内での感染を防ぐことが非常に重要です。以下のことに注意して看護してください
小児の場合
- 手足を突っ張る、がくがくする、眼が上を向くなど、けいれんの症状がある。
 - ぼんやりしていて視線が合わない、呼びかけに答えない、眠ってばかりいるなど、意識障害の症状がある。
 - 意味不明なことを言う、走り回るなど、いつもと違う異常な言動がある。
 - 顔色が悪かったり(土気色、青白い)、唇が紫色をしている。
 - 呼吸が速かったり(1分間に60回以上)、息苦しそうにしている。
 - ゼーゼーする、肩で呼吸をする、全身を使って呼吸をするといった症状がある。
 - 「呼吸が苦しい」、「胸が痛い」と訴える。
 - 水分が取れず、半日以上おしっこが出ていない。
 - 嘔吐や下痢が頻回にみられる。
 - 元気がなく、ぐったりしている。
 
成人の場合
- 呼吸困難または息切れがある。
 - 胸の痛みが続いている。嘔吐や下痢が続いている。
 - 3日以上発熱が続いている。
 - 症状が長引いて悪化してきた。
 
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JCVN編集部
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