【掲載日】2016/08/02   【最終更新日】2016/11/25

鬱病(うつ病)の症状と診断

大うつ病性障害

「大うつ病性障害」の診断でもっともポピュラーな診断基準であるDSM−IVの(大うつ病エピソード)の診断方法があります。

●大うつ病性障害(大うつ病エピソード)

A以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている。(これらの症状のうち少なくとも1つは抑うつ気分または興味・喜びの喪失である) 1その人自身の訴えか、家族などの他者の観察によってしめされる。ほぼ1日中の抑うつの気分。
2ほとんど1日中またほとんど毎日のすべて、またすべての活動への興味、喜びの著しい減退。
3食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加、または毎日の食欲の減退または増加。
4ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。
5ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止。
6ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退。
7ほとんど毎日の無価値感、または過剰であるか不適切な罪責感。
8思考力や集中力の減退、または決断困難がほぼ毎日認められる。
9死についての反復思考、特別な計画はないが反復的な自殺念虜、自殺企図または自殺するためのはっきりとした計画。
B症状は混合性エピソードの基準を満たさない。
C症状の臨床的著しい苦痛また社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
D症状は、物質(薬物乱用など)によるものではない。
E症状は死別反応ではうまく説明されない。すなわち愛する者を失った後症状が2ヶ月を超えて続くか、または著明な機能不全。無価値への病的なとらわれ、自殺念虜、精神病性の症状、精神運動制止があることが特徴。
混合性エピソード・・・双極性障害(躁うつ病)のこと

上記のように細かく症状が分析されていて、問診で現在の生活状況などをくわしく聞かなくても診断ができるようになっています。ですので病気の原因について追及しなくても診断が可能で、すぐに治療を始められるのがDSM−IVの最大の特徴です。

気分変調性障害

DSM−IVでは、「気分変調性障害」(気分変調症)という分類項目と、それ以外のすべてとして、「特定不能のうつ病性障害」という分類を作っています。次は、「気分変調性障害」(気分変調症)の診断基準を以下に記載いします。

●気分変調性障害(気分変調症)(気分変調症エピソード)

A抑うつ気分がほとんど1日中存在し、それのない日よりもある日のほうが多く、患者自身の言明または他者の観察によって示され、少なくとも2年間続いている。
B抑うつのあいだ、以下のうち2つ、またはそれ以上が存在すること。 1食欲減退、または過食。
2不眠、または過眠。
3気力の低下、または疲労。
4自尊心の低下。
5集中力の低下、または決断困難。
6絶望感。

Cこの障害の2年の期間中(小児や青年については1年間)、1度に2ヶ月を超える期間、基準AおよびBの症状がなかったことはない。Dこの障害の最初の2年間は(小児や青年については1年間)、大うつ病エピソードが存在したことがない。すなわち、障害は慢性の大うつ病性障害または大うつ病性障害、部分寛解ではうまく説明されない。
ただし、気分変調性障害が発現する前に完全寛解しているならば(2ヶ月間、著明な徴候や症状がない)、以前に大うつ病エピソードがあってもよい。さらに、気分変調性障害の最初の2年間(小児や青年については1年間)の後、大うつ病性障害のエピソードが重複していることもあり、この場合、大うつ病エピソードの基準を満たしていれば、両方の診断が与えられる。E躁病エピソード、混合性エピソード、あるいは軽躁病エピソードがあったことはなく、また気分循環性障害の基準を満たしたこともない。F障害は、精神分裂病や妄想性障害のような慢性の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではない。G症状は物質(例えば、乱用薬物、投薬)の直接的な生理学的作用や、一般身体疾患(例えば、甲状腺機能低下症)によるものではない。H症状は臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

 

 

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