【掲載日】2021/12/22

とびひ(伝染性膿痂疹)の症状とは?原因や対処法を解説

とびひ(伝染性膿痂疹)とは?

とびひ(伝染性膿痂疹)とは何か

とびひとは、皮膚に細菌が感染することで起こる皮膚の病気で、正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼びます。湿疹や虫刺されなどを掻きこわした部位にブドウ球菌などの細菌が感染し、感染箇所に触れた手指を介して周辺や離れた部位に伝染することから、“飛び火”と呼ばれるようになりました。感染箇所は水ぶくれや厚いかさぶたのような状態になります。
季節・年齢を問わず発症し、特にアトピー性皮膚炎など肌が荒れやすかったり弱かったりする人に発症する傾向にあります。

とびひ(伝染性膿痂疹)の症状写真

とびひ(伝染性膿痂疹)の症状写真

とびひ(伝染性膿痂疹)の原因とは?

肌は本来、肌表面にある角質層が水分を保つことでうるおいを蓄え、乾燥や外部刺激から肌を守る「バリア機能」を備えています。しかし、虫刺され、汗疹、湿疹などによる、強い痒みのために皮膚を掻き壊したり、アトピー性皮膚炎など皮膚の炎症によりバリア機能が低下したりすると、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)をはじめとする細菌が患部から入り込み、繁殖することによって発症します。
原因となる細菌は、健康な人の皮膚や鼻の中、口腔内などの「常在菌」として体内に生息しているため、鼻をかんだりニキビなど化膿した皮膚に触れたりした後に患部を触れると、繁殖の原因となります。

とびひ(伝染性膿痂疹)の症状は?

水ぶくれができるタイプ

水疱性膿痂疹は夏場や幼児期に多くみられる症状で、皮膚内に入り込んだ黄色ブドウ球菌から出される毒素によって炎症が起こり、次第にかゆみのある小さな水ぶくれができます。水ぶくれは日を追うごとに大きくなり、やがて破れてただれた状態になります。また、水疱内の液には黄色ブドウ球菌が多く含まれており、これに触れた手指で別の部位を触ることで病変がさらに拡大します。

かさぶたができるタイプ

痂皮性膿痂疹は季節や年令を問わず見られますが、溶連菌が原因となり突然発症します。
はじめは皮膚上に小さな赤い腫れ状の赤みが現れ、膿のたまった水ぶくれへとなります。
やがて膿疱が破れると膿などの組織成分が乾いて固まり、黄色味を帯びた厚いかさぶた状へと変化していきます。また、皮膚上の症状だけでなく、リンパ節の腫れ、発熱、喉の痛み、頭痛など全身に症状が出たりする場合もあります。

とびひ(伝染性膿痂疹)の対策・予防法

とびひと感じたらまずは病院へ

とびひに限らず自然にできた水疱症は、悪化すると広範囲に症状が及んだり、他の人へ感染しやすかったりする特徴がある感染症のものが多いです。
また、とびひの診断は問診や視診、培養検査などで簡単に診断可能ですので、ささいな水ぶくれでも発見した場合は速やかに皮膚科や小児科を受診するようにしましょう。

とびひになったら気をつけることとは?

とびひは症状が広範囲に及んだり、他の人へ移ったりなど感染力が強いため、清潔を保つことや感染対策をとることが必要となります。

とびひになってしまった患部は、細菌が繁殖しないように石鹸で泡立てて爪を立てずにやさしく入念に洗い、しっかり洗い流すようにしましょう。なお、使用済のタオルや衣類などを家族間で共用したり、一緒に入浴して肌が触れてしまったりすることで家庭内感染するリスクもあります。
とびひになってしまったら湯船には入らずシャワーで入浴を済ませ、衣類の共用は控え速やかに洗濯をして清潔にしましょう。
患部をきれいに洗った後は、水疱が破れたり膿が広がらないよう、外用剤を患部に塗ってから清潔なガーゼで覆いましょう。なお、密閉性の高い絆創膏などは、蒸れて細菌の温床になってしまうので使用を控えてください。また、引っ掻いたり患部を傷つけないように爪は短く切っておきましょう。

登園や登校については、学校保健安全法という法律で「学校感染症第三種(その他の感染症)」に定められており、医師の許可証は不要であるものの、登園・登校しても良いかどうかは医師の判断および園・学校と相談して判断します。
なお、症状のある間は他の子供に移る可能性があるので、必ずガーゼで患部を覆うなど触れないように注意してください。また、プールの水を介して他の人に移ることはありませんが、皮膚が露出し身体が触れ易い状況となるため、かさぶたになる前の状態ではプールへ入ることを控えてください。

とびひの予防法

とびひは傷口への細菌感染によるものなので、皮膚や手指を清潔に保ち、皮膚を傷付けないことが予防の前提です。
爪の間が汚れたり細菌が増殖しないように日頃から爪を短く切り、石鹸を使用した手洗いを習慣化し、虫刺されや切り傷などを発見した場合は、いじって皮膚を傷つけないようにケアをしましょう。また、アトピー性皮膚炎や乾燥肌、湿疹、汗疹などで肌の状態が良好でなく、バリア機能が低下している場合は、保湿やステロイド外用剤などを使用して炎症を抑えましょう。

まとめ

とびひは細菌感染による皮膚症状ですが、日頃の肌のケアや手洗いを徹底することで予防できます。何らかの理由で傷ができたり皮膚が荒れたりしていても、清潔を保つ習慣を心がけていればとびひになることを防ぐことが出来ます。
とびひになってしまった場合は、患部に触れたり周りの人に移したりしないようにガーゼで患部を覆い、よく洗って清潔を保ちましょう。

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