【掲載日】2016/08/03   【最終更新日】2022/02/02

中性脂肪とは?高いことによるリスクと改善方法を解説

木村 眞樹子医師

監修者

循環器内科・内科・睡眠科医

木村眞樹子医師

お腹などの「ぷよぷよした贅肉」は、ほとんどが”中性脂肪”からできています。
中性脂肪が蓄積されると、健康にも害を及ぼします。

中性脂肪ってなに?

「中性脂肪」と「コレステロール」を同じものと思っていませんか?
この2つは全くの別物で、中性脂肪は、肝臓で作られたり、食事によって摂取されたりして、体内で貯蔵される、エネルギーとして活用されます。
一方、コレステロールは、主にホルモンや消化酵素の原料に活用され、これもわたしたちが生きていくためには重要な働きを持ちます。
ただし、過剰な蓄積は、カラダに悪影響を及ぼすので、蓄えすぎてもいけないし、 摂取しなさすぎてもいけないものなので、バランスよく体調管理を行うようにしましょう!
中性脂肪が高くなっても、不調と感じる症状がほとんどと言っていいほど表面的に現れることはなく、 中性脂肪が招く病気はとても生死にかかわる重大なものなのです。
カラダの表面には現れない病気こそが一番怖い病気。中性脂肪を甘くみてはいませんか?!

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中性脂肪が高いとどうなるの?

中性脂肪値が正常と言われている数値は、大体40~130mg/dL位です。
「中性脂肪値なんて気にする年齢じゃない」と思っていても、もしかしたらこの数年の間に値が上昇しているかもしれません。 中性脂肪の検査は、血液検査でわかります。一度健康診断を受けてみましょう。
中性脂肪が高いということは、「血液の中に脂肪がたくさん含まれている」ということです。ということは、 よくきく「ドロドロ血」の状態ということです。

高脂血症の疾患の1つが、この高中性脂肪血症という病気なので、招く病気としては動脈硬化となります。
血管にドロドロ血が流れることで血栓がつまり、その結果として、血圧が高くなったりもします。
しかし、一番怖いのはここからで、放っておくと致命的な病気を高い確率で引き起こすのです!

致命的な病気というのは、主に脳梗塞や心筋梗塞といったもので、これらの病気は場合によっては、取り返しのつかないことになってしまう病気です。
また、他にも糖尿病や脂肪肝などの病気になりやすくなるので、第2、第3の病気につながる前に、早い時点での治療を開始しましょう。

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中性脂肪が高くなる原因は4つ!

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1つ目の原因としては、「体質」。

中性脂肪値が高い原因の1つに体質があります。
肥満体型の人はそのほとんどの場合で中性脂肪値が高いことが多いようです。
肥満が原因で中性脂肪値が高いのか、中性脂肪値が高いことが原因で肥満になるのかは、どちらともいえませんが、両方の要因が関係していることは確かです。

2つ目の原因としては、「食事」。

脂肪を摂取し過ぎていることが原因で中性脂肪が溜まりやすくなってしまいます。
朝も昼も夜も外食だったり、自炊をしていても野菜や青魚などの食材を一切使わず、油っぽい食事中心だったりしていませんか?
中性脂肪値が高い人の多くが、食生活が乱れているアルコールが大好きで毎日飲んでいる、など不規則な食事生活に起因します。

3つ目の原因としては、「運動不足」。

運動不足、歩くことが嫌いで電車や車ばかり使って移動している、など当てはまるところはありますか?
運動をすることで脂肪が燃焼され、カラダへの蓄えを防ぐことができます。
例えば、脂肪分の多い食事をしていても、運動を十分にしている人であれば中性脂肪の蓄積を抑えることができますが、そこまで十分に運動をやられている方は多くないと思います。
中性脂肪の値が高い人は、運動不足が原因の場合もあるのです。
オフィスでエレベーターを使わず階段にするなど少しずつの積み重ねがいいのかもしれません。

4つ目の原因としては、「お酒」。

意外に知られていないのですが、アルコールは中性脂肪値が高くなる原因の1つです。
飲酒が好きで、毎日浴びるように飲んでいる人などは、要注意!!
飲酒をやめれば、数カ月ほどで正常値に戻すことが可能ですが、脂肪肝(肝臓を構成している肝細胞に中性脂肪がたまる病気のこと)などの場合は、飲酒をやめることで正常な肝臓を取り戻すことができますが、脂肪肝が進行し、肝硬変となってしまうと、肝臓がんなどのリスクも高まり、非常に危険な状態になってしまいます。
カラダの具合が悪くなってからお酒はやめればいいやと思った方、思っている方。
その考えが、大きい事態を招く一歩になってしまいますよ!

染み付いてしまった日常生活をいきなり変えることは大変に感じますが、後で病気にかかって毎日薬が必要になる前に、他の病気が合併して健康を失う前に、毎日少しずつ改善していくことが必要です。
大変かもしれませんが、生活スタイルを見直すことは、中性脂肪値以外にも大きなメリットをもたらすはずです。

中性脂肪を減らす方法

「運動すること」
普段から運動をしている人は、多少乱れた食生活をしていても、運動していることで脂肪がエネルギーとして使われるため、中性脂肪があがり過ぎません。

ポイントは、「休まず日々続けていくこと」。
毎日のサイクルに運動をプラスすることで、運動が苦にならず継続できるコツになります。
ジョギングにしても、早いペースではなく、ゆっくり早歩きくらいのペースでもいいので、ゆっくり長く休まないようにして、毎日継続して運動することが一番健康的にもいいのです!

効果的に中性脂肪を減らすポイントは、「有酸素運動」です。
じっくり時間をかけて酸素を取り入れながらする運動の事で、身近な運動だとマラソンや水泳、自転車(サイクリング)、ウォーキングなどが挙げられます。
ただし!これらの運動は、必ず30分は持続するようにしましょう。

「働いていると運動する暇がない」と思った方!
時間のやりくりも数年後の自分の健康を本当に考えたら、毎日の30分テレビを観る時間を削ればどうにかなりませんか? 通勤のときに、電車やバスを使わないで歩いてもいいと思います。 日々の生活に少しのプラスで健康維持。重い病気になってから後悔しても遅いのです!

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中性脂肪を下げる食事

中性脂肪を減らす(下げる)ためにオススメなのが食物繊維です。
食物繊維が多い食べ物といえば、豆類や、海草類が挙げられますが、摂り過ぎもダメで、摂り過ぎの場合には、下痢を引き起こし、必要なミネラル分まで排出させてしまうそうです。

食物繊維は、便秘などにもいいといわれていますが、中性脂肪を下げる働きもあるそうです。
大体の一日の摂取量としては、野菜で300g、イモ類で100g、果物で200g位の量が必要とされていますが、食事の中で食物繊維をたくさんとるには、調理も工夫する必要があります。

なるべく外食は減らし、調理することでバランスよく摂取するように心がけましょう。

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中性脂肪を減らすためにやってはいけない食事方法とは?

中性脂肪が増える原因の大半は、食べ過ぎや極端な節食を代表とする偏った食生活です。良かれと思って取り入れてしまうような、誤った食事方法を挙げてみましょう。

(1)極端な「糖質制限」「糖質オフ」

ダイエット方法としてよく取り上げられる糖質制限や糖質オフ。
糖質の摂り過ぎは肥満症の原因となり、中性脂肪を増やしますが、そもそも人間の活動エネルギー源となるものは糖質です。
特に脳は、血液中の糖質(ブドウ糖)が主なエネルギー源なので、極端に糖質が不足すると、意識障害などが起こることもあります。
大事なのは、「食べ過ぎや摂り過ぎ」注意することです。

(2)油や脂質を完全に摂らない

糖質と同様に、油分を完全に摂らない食事も誤りです。
油分を大量に含む揚げ物や、トランス脂肪酸を含むマーガリン、砂糖や乳脂肪を多量に含むケーキなどは、日常的に食べてしまえば確かに中性脂肪は増えてしまいます。
ですが、魚の油に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにする効果があると言われます。
大事なのは、「良質の油」を摂る事です。

(3)コレステロールを摂らない

悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が体内で増えると血液はドロドロになり、脳梗塞などを起こしやすくなります。
しかし、コレステロールは人体において、リン脂質とともに細胞膜の材料になります。
体内では、常に古い細胞は死に、新しい細胞に入れ替わっていますので、原料となるコレステロールは欠かすことができません。また、コレステロールはさまざまなホルモンの原料にもなります。
大事なのは、「適度にバランスの良い食事」を心がける事です。

中性脂肪を減らすのに効果的な料理・レシピとは?

(1)洋食よりも和食

一般的に、洋食には脂質や糖分の多い食品や材料を使用しています。
朝食で比較した場合、和食では焼き魚、海苔、漬物、味噌汁に白米といったものが挙げられます。洋食ではハムやベーコン、ソーセージなどの肉料理、オムレツなどの卵料理、それにバターやジャムをたっぷり塗った、トーストが挙げられます。
和食の特徴として、素材そのものを活かす調理法や、脂質や糖分を控えたヘルシーな料理が多く、洋食の特徴として、動物性脂質の多い食品や糖分、油分を多く含む調理法が好まれます。

(2)油を使う時は、脂質の量に注意

調理において、油を使うことは様々な場面であります。
調理方法によって油をの使用量が変動し、「焼く」→「炒める」→「揚げる」の順番で油量が増えます。また、調理する時にはフッ素加工のフライパンを使うと、油をほとんど使わずに調理ができます。

(3)肉を使う時は、部位を選択

よく調理される肉の部位としてバラ肉やロース肉が挙がりますが、これらは脂質やエネルギー量も高めです。反対に、脂質の少ないヒレ肉やモモ肉、ささみの他、皮や脂身を取り除いた鶏肉などの料理はヘルシーになります。

(4)主食はできれば玄米に

玄米に含まれる糠にはビタミンB群を主とするビタミンやミネラルが豊富に含まれており、白米は、玄米からすべての「糠」を取り除いたものです。
また、玄米は白米に比べて食物繊維を豊富に含んでおり、この食物繊維が、糖質の体への吸収をゆるやかにします。結果として、糖質が中性脂肪に変わる量を減らします。
そのため、玄米は中性脂肪を減らす働きが期待されるのです。

中性脂肪を減らすのに効果的な飲み物とは?

中性脂肪をへらす効果が見込まれる飲み物として、代表的なものに「お茶」があります。
烏龍茶、紅茶、緑茶、杜仲茶、ギャバ茶など、たくさんの種類がありますが、特に中性脂肪を減らす効果があると期待されているものをピックアップしました。

◆杜仲茶

杜仲茶に含まれる杜仲葉配糖体(とちゅうようはいとうたい)の成分の1つ「ゲニポシド酸」は血管機能を高めて代謝をあげる効果があり、「アスペルロシド」は基礎代謝量を増加させ、脂肪細胞の小型化と重量減少といった抗肥満効果があります。

◆ギャバ茶

ギャバ(γ-アミノ酪酸(Gamma-Amino Butyric Acid)は、発芽玄米、トマトやパプリカなどの野菜、メロンやブドウなどの果物に含まれるほか、体内でも生成されます。
ギャバの効能は精神をリラックスさせたり、ストレスを和らげたりする作用のほか、血管を収縮させる物質を抑えることで血圧を下げたり、肝臓や腎臓の働きを促したり、中性脂肪やコレステロールを抑えるといった効果が見込まれます。

 

*よりよいお薬や治療法を開発中です!*

日々、今販売されているお薬よりも、更に効果的なもので、副作用が少ないお薬が開発され、販売に向けて臨床試験(治験)が行われています。 薬はみんなでつくるもの。
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監修者

木村 眞樹子医師

木村眞樹子医師

東京女子医科大学医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。
妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる様々な人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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