【掲載日】2023/08/17

水虫に効く治療薬とは?おすすめの市販薬を紹介!

『水虫』と聞くと、なんとなくおじさんの足といったイメージを持つ方もいるかもしれませんが、最近では女性の社会進出が増え、長時間靴を履いたまま過ごす女性も多くなったことから、女性の水虫患者も増えています。特に高温多湿の季節は症状が出やすくなるため、身近な市販薬で対処できると安心ですね。ここではタイプ別に水虫に効く市販薬を紹介していきます。

水虫の原因とは?

水虫は、白癬菌というカビに感染することで発症する病気です。水虫にかかった人の皮膚から剥がれ落ちた角質を素足で踏むと、白癬菌が付着し感染します。
この菌は手や身体にも感染しますが、9割は足です。靴を履くと足が蒸れやすくなり、菌は高温多湿な環境を好むため足に繁殖しやすくなるのです。そして角質が傷ついている箇所があるとそこから中に入り込み感染が広がって発症します。白癬菌が人の皮膚内に入り込むには24時間かかると言われているため、毎日の入浴習慣を欠かさず清潔な身体の状態を維持することで、感染の確立を低減させることができます。

水虫の症状

足の水虫は症状別に以下の3つのタイプに分けられます。

趾間(しかん)型

水虫のタイプとしては一番多く、足の指の間にできやすく、むずがゆさを伴います。
最初はカサカサしていますが、やがて白くふやけて皮が剥がれるとジュクジュクとした状態になります。この状態になると特にかゆみが強くなります。

小水疱(しょうすいほう)型

足の裏や側面にポツポツとした小さな水ぶくれが多数発生します。日が経つと、赤くなって皮膚が剥けていきます。かゆみが強いのが特徴です。

角質増殖型

足の裏やかかとの角質が分厚くなり、カサカサと乾燥して粉をふいた状態になります。特に冬などはひび割れすることもあり、痛みを伴うことがあります。かゆみがほとんどないため、水虫と気づかずに放置してしまうケースが多く見られます。

爪の水虫(爪白癬)

爪白癬と呼ばれ、足の水虫を放置していると原因となっているカビの一種の白癬菌が足の爪の中に侵入し、徐々に爪の一部が白色や黄色に変色していく病気です。最初は爪の見た目の変化だけですが、悪化すると爪の下の角質が増殖し爪が分厚くなっていき、更に症状が進行すると爪の色が黒くなり、厚くなった爪がボロボロと崩れ落ちるなどの症状が出てきます。爪に知覚神経はないため初期では痛みやかゆみを感じることはありませんが、悪化して変形した爪が皮膚に食い込んだり、靴の中で当たったりすると歩行時に痛みを伴うこともあります。特に足の親指に多く見られます。ただし、爪が白く濁ったり厚くなったりするのは爪白癬だけではないので、治療を進める上では最初に顕微鏡を用いた検査をし、白癬菌が存在するかどうかを確認してから治療を進めることが重要となります。

水虫には、塗り薬と飲み薬どちらがよい?

水虫の治療方法は大きく分けて2つあります。塗り薬による外用治療と、飲み薬による内服治療です。
足の水虫については、治療薬の第一選択としては塗り薬で、抗真菌剤(ラミシール、ルリコン、ニゾラール、アスタット、ペキロンなど)を使った治療が検討されます。また、爪水虫(爪白癬)については、爪の中まで薬を浸透させるのは難しいといった理由から、以前は第一選択として抗真菌薬の内服が検討されていましたが、副作用として肝機能障害や貧血が出ることがあり、併用できない薬剤も多かったことから特に高齢の方にとっては使用しづらい状況でした。近年では外用薬でもしっかり爪の中に浸透する良い薬(クレナフィンやルコナックなど)が発売され、これまで内服薬での治療ができなかった方にとっては良い選択肢ができたと言えるでしょう。
治療期間については、足水虫の治療期間が1か月~3か月程度とされています。それに比べると爪白癬が完治するには、爪が完全に生え変わるまでの期間が必要になるため、およそ1年程度と言われています。

外用薬(クリームタイプ)

薬の浸透性もよく、軟膏に比べるとべたつきも少ないため使用しやすい剤形。
軟膏よりも多少刺激が出る場合があり、亀裂やただれがひどい場合は、刺激により症状が悪化することがあります。

外用薬(軟膏タイプ)

ワセリンを基剤としており、保湿性が高く、クリームや液体に比べて刺激が少ない。
べたつくのが難点ですが、特に患部がジクジクしている状態やひび割れの状態になっている水虫に向いています。

外用薬(液体タイプ)

薬の浸透性がよく、使用感もさっぱりしている。
成分にアルコールを含むため、患部にかぶれ・ただれがある場合、また肌の弱い人はしみるなどの刺激を受けることがあります。足の指の間のカサカサした水虫や、水疱が破れていない水虫に向いています。

外用薬(スプレータイプ)

患部に触れずに薬を塗布することができ、使用感もよい。
クリームタイプや軟膏に比べると薬の効き目は弱いため、軽度のカサカサした水虫や水疱が破れていない水虫、足の裏全体など広範囲の塗布に良いでしょう。

※水虫にステロイドは禁忌

水虫の原因は白癬菌であるため、皮膚炎などの皮膚疾患に効果のあるステロイドでも、水虫に対しての効果はありません。場合によってはかえってひどくなる場合がありますので、自己判断でステロイドを使用するのは危険です。初めて水虫と疑わしい症状が出た場合は、まずは病院で検査を受けるようにしましょう。

水虫に効くおすすめ塗り薬3選

白癬菌に対する殺真菌成分はどの薬にも入っていますが、剤形を皮膚症状に合わせて選び、水虫に起因して起こるかゆみや痛み・ひび割れなどに効く成分が配合されている薬を選ぶと良いでしょう。

①ブテナロックVαクリーム(久光製薬)【指定第2類医薬品】

有効成分 殺菌成分(ブテナフィン塩酸塩)、かゆみ止め成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジブカイン塩酸塩、クロタミトン)、抗菌成分(イソプロピルメチルフェノール)、抗炎症剤(グリチルレチン酸)、清涼感(l-メントール)
服薬回数 1日1回
剤形 クリーム
内容量 18g
使用可能な年齢 記載なし
特長 ブテナシリーズ最多7種類の成分配合。皮膚貯留性が優れている為、1日1回でよい。

②ピポンエースクリーム8(小林薬品工業)【指定第2類医薬品】

有効成分 殺菌成分(ブテナフィン塩酸塩)、抗菌成分(イソプロピルメチルフェノール)、かゆみ止め成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩、クロタミトン、リドカイン)、抗炎症剤(グリチルレチン酸)、清涼感(dl-カンフル、l-メントール)
服薬回数 1日1回
剤形 クリーム
内容量 30g
使用可能な年齢 記載なし
特長 8種類の有効成分を配合、1日1回塗布

③タムシチンキパウダースプレーZ(小林製薬)【指定第2類医薬品】

有効成分 殺菌成分(ブテナフィン塩酸塩、ベンザルコニウム塩化物)、かゆみ止め(リドカイン)、抗炎症剤(グリチルレチン酸)、清涼感(l-メントール)
服薬回数 1日1回
剤形 スプレー
内容量 70g
使用可能な年齢 記載なし
特長 ジクジク患部に噴射するパウダースプレーで、患部を乾燥させ殺真菌成分の力で治す。かゆみ止め成分、抗炎症成分も配合され、水虫に伴う症状に対応している。

水虫に効くおすすめ飲み薬3選

水虫の治療薬は塗り薬が一般的ですが、爪水虫(爪白癬)の場合には塗り薬では爪の中まで有効成分が届きにくいため、内服薬が用いられます。
2023年7月現在において水虫に対する内服の市販薬が存在しないため、基本的に内服薬の場合は病院での処方となります。
国内で処方されている飲み薬タイプの水虫治療薬は、「テルビナフィン」「イトラコナゾール」「ホスラブコナゾール」の3種類です。

イトラコナゾール(商品名:イトリゾール)

他の薬剤と併用してしまうと薬の作用が強まったり、弱まったりしてしまう相互作用が起きる飲み合わせが多く、併用できない薬剤を予め把握する必要があります。

テルビナフィン(商品名:ラミシール)

副作用で肝機能障害などの重篤な副作用をおこす事があるため、治療前と治療開始後2カ月は月1回の血液検査が必須となっています。

ホスラブコナゾール(商品名:ネイリン)

一番扱いやすく、爪白癬に処方されやすいです。1日1回12週間服薬し続けることで、有効成分が爪の中に蓄積し、内服期間が終わった後も効力を発揮し続けるお薬です。臨床試験の結果でも、従来の爪白癬治療薬と比べると、その有効性は非常に高いという結果が出ています。
ただし、副作用として肝機能御障害を生じることがあるため、もともと肝機能障害を持っている方の場合は慎重に様子を観察する必要があります。2018年に発売された比較的新しい爪白癬専用の薬で、服用のタイミングに制約がなく併用禁止薬も少ないことから扱いやすさに優れている反面、ジェネリックの販売がまだ開始されておらず薬価が高いお薬となります。

水虫のかゆみに効く薬おすすめ2選

水虫によるかゆみが気になる方は、抗真菌成分とあわせてかゆみ止め成分が含まれた薬を検討すると良いでしょう。

①ピロエースW 軟膏(第一三共ヘルスケア)【第2類医薬品】

有効成分 抗真菌剤(ピロールニトリン、クロトリマゾール)、抗生物質(クロタミトン)
服薬回数 1日2~3回、適量を患部に塗布
剤形 軟膏(ジクジクして薬がしみる場合)/クリーム(皮がむけていたり水ぶくれがある場合)
※他に液体・パウダータイプもあり、患部の状態によって使い分ける。
内容量 15g
特長 抗生物質と抗真菌剤、2種類の成分がすぐれた抗白癬菌作用を発揮し、鎮痒剤のクロタミトンが、不快なかゆみを軽減させる。

②ダマリングランデX液(大正製薬)【指定第2医薬品】

有効成分 抗真菌剤(テルビナフィン塩酸塩)、殺菌成分(イソプロピルメチルフェノール)、抗炎症剤(グリチルレチン酸)、局所麻酔による鎮痒作用(リドカイン)、かゆみ止め・清涼感(l-メントール)
服薬回数 1日1回
剤形 液体(カサカサした水虫に)※他にクリーム・パウダータイプもあり、患部の状態によって使い分ける。
内容量 15g
特長 殺真菌成分「テルビナフィン塩酸塩」が水虫菌の細胞膜を破壊。さらにかゆみを止める成分をプラスし、不快な症状を伴う水虫を治療する。

水虫による乾燥・ひび割れに効く薬おすすめ2選

患部がひび割れしている状態の水虫は、白癬菌が皮膚の奥まで入り込み影響を与えている状態です。乾燥によりひび割れが進み、皮膚も分厚くなりがちですので、しっかりと浸透するものを選ぶと良いでしょう。

①ピロエースZ 軟膏(第一三共ヘルスケア)【指定第2類医薬品】

有効成分 イミダゾール系抗真菌薬(ラノコナゾール)、殺菌成分(イソプロピルメチルフェノール)、抗炎症剤(グリチルレチン酸)
服薬回数 1日1回
剤形 軟膏
内容量 15g
特長 殺真菌成分「ラノコナゾール」を配合し、患部によく浸透し、角質が厚くなってしまった水虫にも効果を発揮。長時間患部に貯留し、1日1回の使用法で効果をあらわす。

②エクシブWディープ10クリーム 35g(ロート製薬)【指定第2類医薬品】

有効成分 抗真菌剤(テルビナフィン塩酸塩)、殺菌成分(イソプロピルメチルフェノール)、角質を柔らかくする成分(尿素)、かゆみ止め成分(リドカイン、ジフェンヒドラミン塩酸塩)、抗炎症剤(グリチルレチン酸)
服薬回数 1日1回
剤形 クリーム
内容量 35g
特長 浸透殺菌する抗真菌成分に加え、尿素を配合で皮膚を柔らかくして有効成分が浸透しやすい皮膚状態にする。

水虫を予防するための生活習慣

水虫にならないためには、白癬菌を付着させないようにする、もしくは付着してもきちんと洗い流すということが大切です。そのためには、第一に清潔を保つことです。
毎日入浴し石鹸でよく洗って体を清潔にしましょう。同居する家族の中に水虫の人がいる場合は、バスマットやタオル、スリッパなどは共有しないよう気を付けて下さい。また、長時間靴を履いたままの状態は出来るだけ避け、通気性のよい靴下や靴を履くようにすると良いでしょう。

水虫の薬についてよくある質問

足の水虫や爪の水虫(爪白癬)の薬について、よくある疑問を以下にまとめました。こんな時はどうしたらいいのか?と思うことがあれば参考になさってください。

Q1. 水虫に塗ってはいけない薬はありますか?

ステロイド外用薬を水虫に塗ってはいけません。かゆみがひどくトラブルを起こしているとステロイドを塗りがちですが、白癬菌にステロイドを塗っても効果はありません。使用し続けるとかえって白癬菌の大増殖を許し症状が悪化してしまいます。自己判断で薬を使用せず、まずは病院に行って白癬菌がいるかの顕微鏡検査をし確定診断を受けることが大切です。

Q2. 水虫の薬において、飲み合わせに注意すべきものはありますか?

爪白癬で処方される内服薬3種類(商品名:①「イトリゾールカプセル」or「イトラコナゾールカプセル」、②「ラミシール錠」or「テルビナフィン錠」、③「ネイリンカプセル」)については、いずれも他の薬との飲み合わせに注意が必要で、肝機能検査や血液検査を行いながら内服していきます。

Q3. 薬を使用するタイミングはいつがよいですか?

外用薬については、肌を清潔にした入浴後が良いです。有効成分を浸透させるには、肌が柔らかくなった状態で塗布するのが効果的なため、入浴後水分をよく拭き取ってから塗布するのが良いでしょう。
内服薬については、以下の通りです。

  • ラミシール(先発品)・テルビナフィン(後発品)
    1日1回食後に服用、内服期間3~6か月間
  • イトラコナゾール(イトリゾール)
    パルス療法。1回200mgを1日2回(朝夕食後)×1週間内服→その後3週間休薬→そのサイクルを3回(3か月間)繰り返す。
  • ネイリン
    1日1回12週間服用

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まとめ

水虫は身近な病気ですが、症状によっては水虫と気づかず、間違った薬を塗ってしまい、いつになっても治らないといった状態が続いてしまうこともあります。そのため、初めてそれらしい症状が出た時は、まずは皮膚科を受診して顕微鏡検査をしてもらい水虫なのか別の病気なのかをはっきりさせてから治療を開始するのが良いでしょう。
また、水虫はカビ(菌)であるため、一見きれいに治ったように見えても、菌が残っていると完治せず再発を繰り返してしまうことから、症状が無くなってもしばらくの間は薬の使用を継続するようにしましょう。
水虫は、かゆみや自覚症状がない場合、気づかず放置してしまう方も多いようです。そうなると同居している家族に移してしまう可能性も高く、放置すると足以外の別の場所への感染拡大も懸念されるため、早期発見・早期治療が大事なポイントとなります。

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