【掲載日】2021/06/04   【最終更新日】2022/11/27

はしかの症状とは?知っておきたい合併症のリスクや予防接種について解説

伊藤幹彦医師

監修者

内科・皮膚科医

伊藤幹彦医師

麻疹(はしか)の症状とは?

麻疹は感染性が非常に高く、予防接種を受けていないと一生に一度はかかる病気です。
免疫のない人が感染者と接触すると90%以上が感染し、日本では現在でも年間数十名が死亡する危険な感染症です。感染者の大半は免疫を持たない0~4 歳の小児で、成人(特に20代)以降に感染した場合は入院治療を必要とするような重症例となる場合があります。
また、麻疹の症状は、カタル期、発疹期、回復期の3期に分けられます。

潜伏期間~カタル期

麻疹ウイルスに感染すると、10~12日の潜伏期間を経て発症します。
この時期には38~39℃の発熱が2~4日続き、倦怠感のほかに、上気道炎症状(咳嗽、鼻漏、くしゃみ)と結膜炎症状(結膜充血、眼脂、羞明)が現れ、徐々に症状が強くなります。特に罹患した乳幼児には下痢や腹痛を伴うことが多く、発疹出現の1~2 日前、頬粘膜に約1mm 径の白色小斑点(コプリック斑)が出現します。コプリック斑は麻疹患者の90%以上に見られるため、麻疹の早期診断の判断材料とされますが、2~3日間で消失します。また、カタル期は一番感染力が高いため、周囲に伝染しないよう注意が必要です。

発疹期

カタル期での発熱が一旦1℃程度低下した後、半日後に再度39℃以上の高熱に見舞われます。
これを二峰性発熱と呼び、同時に麻疹特有の発疹が耳介後部、頚部、前額部より出現し、24時間以内に顔面、上肢、上腕部から胸部に広がります。2日後には四肢末端にまで広がり、全身に広がるまで発熱(39.5℃以上)が3~4日間続きます。初期の発疹は鮮紅色で扁平ですが、次第に隆起し赤黒く変色します。

発疹期

※引用 Wikipedia「麻疹」

回復期

発疹出現3~4日経過すると下熱し、咳や倦怠感が落ち着きます。発疹は退色し、色素沈着がしばらく残り、5~6日程で皮がむけるように取れていきます。合併症もなく重症化しなければ、症状発症後10~14日後で回復となります。

はしかの合併症などのリスク

合併症が麻疹に伴って引き起こされる可能性は30%にも達し、また麻疹の二大死因は合併症である肺炎と脳炎と言われています。

・喉頭炎(クループ)
喉奥の喉頭という組織が炎症を起こし、重症化すると激しい呼吸困難がみられることがあります。

・肺炎
麻疹の合併症の約半数は肺炎であり、麻疹の回復期以降に発症する例もある。

・脳炎
発熱、頭痛、嘔吐、けいれん、昏睡などの症状がみられ、半数以上は完全に回復に至りますが、精神運動・発達遅滞や麻痺などの後遺症を残す場合があり、約10~15%は死亡すると言われています。

・亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
麻疹患者10万人に1人くらいの割合で、麻疹罹患後約7~10年くらい経過してから発症します。
体内で麻疹ウイルスの持続感染が起こると脳細胞に炎症を起こし、知能障害や運動障害が徐々に進行し、発症から半年~1年以内に死亡する場合がある予後不良疾患です。
また、妊婦が麻疹に感染すると「流産」や「早産」のリスクが高くなるほか、麻疹の免疫がない母親から生まれた新生児は、ワクチン接種前に麻疹にかかってしまうケースもあり、症状も重症化しやすいと言われています。

はしかの原因と感染経路

麻疹は、麻疹ウイルスが人から人へ感染していく感染症です。
感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染となり、同じ室内に感染者と居るだけで、免疫を持っていない人はほぼ100%感染してしまいます。また、マスクや手洗いでもウイルス侵入は完全に防げず、1人の発症者から空気感染で12~14人に感染させるほど感染力は極めて強いと言われています。
学校保健安全法施行規則では、麻疹ウイルスの感染力の強さから、麻しんに罹患した場合は解熱後3日間を経過するまで出席停止とされています。

はしかの疑いがある場合の受診方法

発疹、発熱などの麻疹のような症状がある場合は、麻疹の疑いがあることをかかりつけの医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してから、医師の指示に従ってください。
また麻疹の感染力は非常に強いため、医療機関へ移動される際は、周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り避けてください。

はしかの治療方法

麻疹に対する特効薬は現状ありません。そのため、それぞれの症状を和らげる対症療法や、輸液や酸素投与などの支持療法を行います。具体的には、アセトアミノフェンなどの解熱剤や鎮咳去痰薬により症状を軽減させ、細菌性の二次感染を防ぐために抗菌薬や免疫賦活薬を投与します。

はしかの予防法

はしかは予防接種が有効

麻疹は感染力も強く、罹患後に有効な特効薬もないため、感染する前の予防接種が最も重要です。
麻疹はワクチンで予防可能な感染症であり、ワクチンを接種することで感染予防に必要な抗体が95%~98%生成されます。
なお、予防接種は麻疹風疹混合ワクチンとして2006年から生後12~15カ月、および小学校入学前に計2回の接種が義務化されました。(接種対象は生後12カ月~90カ月未満児)
また、麻疹患者と接触した後、72時間以内に麻疹ワクチンの接種を受ければ発症を防ぐことができる可能性があります。

予防接種を受けていてもかかる?修飾麻疹とは?

予防接種などにより免疫を持っていたとしても、免疫が不十分だった場合、麻疹ウイルスに感染すると軽症で非典型的な麻疹を発症することがあります。このような麻疹を「修飾麻疹」と呼びます。
就職麻疹では、潜伏期が延長する、高熱が出ない、発熱期間が短い、コプリック斑が出現しない、発疹が手足だけで全身には出ない、発疹は急速に出現するけれども融合しないなどの症状が出ます。
感染力は本来の麻疹より弱いものの、周囲の人への感染力は変わりませんので、感染源にならないよう注意が必要となります。

子供のうちに受けておきたい予防接種

麻疹ワクチンの予防接種に伴い、日本の子どもが現在受けられる「予防接種するべきワクチン」と、「おすすめの接種年齢」をまとめました。

水痘ワクチン

接種を始める年齢:1歳~1歳1カ月
接種回数:2回
ワクチンの種類・接種方法:生ワクチン、注射
ポイント:乳幼児に流行する病気なので、できるだけ早めに受けましょう。また、麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチンと同時接種ができます。

おたふくかぜワクチン

接種を始める年齢:1歳~1歳3カ月
接種回数:2回
ワクチンの種類・接種方法:生ワクチン、注射
ポイント:乳幼児に流行する病気なので、できるだけ早めに受けましょう。また、麻疹ワクチン、水痘ワクチンと同時接種ができます。

日本脳炎ワクチン

接種を始める年齢:生後6カ月~3歳
接種回数:基礎免疫3回(初回2回、追加1回)、9歳で4回目
ワクチンの種類・接種方法:不活化ワクチン、注射
ポイント:東南アジアなど流行地などに行く場合などは、生後6カ月から受けらます。また、他のワクチンとの同時接種も可能です。

監修者

伊藤幹彦医師

内科・皮膚科医

伊藤幹彦医師

心臓血管外科を専門とし、高血圧や糖尿病、AGAなど幅広く対応が可能。
皆様の健康を生涯にわたってお守りする良きパートナーとして、わかりやすく、丁寧な診察に努めている。

専門

日本外科学会認定外科専門医/日本循環器学会認定循環器専門医

認定資格

日本医師会認定産業医

経歴

東京医科大学卒業
東京医科大学 第2外科(心臓血管外科)入局
東京医科大学霞ヶ浦病院 循環器外科助手(現 東京医科大学茨城医療センター)
東京医科大学八王子医療センター 心臓血管外科などを経歴
東京医科大学第2外科助手
新潟こばり病院(現 新潟医療センター 心臓血管外科)
東京警察病院外科 医長を経歴(血管外科責任者)

伊藤メディカルクリニック公式HP

 

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