【掲載日】2025/08/29
健康食品における臨床試験(治験)とは?目的や役割を徹底解説
私たちの食生活に欠かせない存在となっている「健康食品」。しかし、その効果や安全性はどのように確かめられているのでしょうか?一部の健康食品では、新薬と同じように「臨床試験(治験)」を行い、身体への作用や効能を確かめるケースもあります。
本コラムでは、健康食品における臨床試験の目的や役割、そして医薬品との違いについて、わかりやすく丁寧に解説していきます。
食品試験とは何?
治験とは、開発された新薬が国から承認を得るために、その安全性や有効性を科学的に証明するための重要なステップですが、開発された健康食品やサプリメントなども同様に安全性や有効性を評価するため、食品試験と呼ばれる臨床試験が実施されています。
私たちの命と健康を支える「食」に関わるからこそ、消費者が安心して食品を選択できる環境が求められます。そのためには、新しく開発された健康食品やサプリメントに対し、食品試験を通じて科学的根拠に基づいた高い信頼性の確保が必要とされています。
食品試験を行う目的
健康食品とは多くの場合、「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の3種類を総称する保健機能食品のことを指しています。
特に、「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の3種類を総称した保健機能食品には、いずれも健康の維持または増進に役立つ効能・効果が含まれており、国が定めた基準に則った安全性や機能性を表示しなければなりません。これらのエビデンスを評価するために食品試験が必要となります。
トクホ(特定保健用食品)の場合
トクホ(特定保健用食品)とは、健康の維持や増進に役立つ機能がその食品に含まれていると科学的に根拠として示されている食品です。トクホとして認められるには、その食品を実際に人が摂取した上での試験が必要とされ、有効性や安全性についての科学的根拠を提出しなければなりません。これらのデータをもとに、メーカーなどの事業者が消費者庁に申請し、食品ごとに厳格な審査が行われます。審査を通過すれば「この商品には〇〇を改善する働きがあります」といった具体的な機能性を表示することができます。
消費者庁によって認可された健康表示には、以下のようなものがあります。
●体脂肪・中性脂肪
- 体脂肪の低減を促す
- 体に余分な脂肪がつきにくい
- 血中の中性脂肪の上昇をゆるやかにする など
●血圧
- 血圧が高い方に
- 血圧を抑えるのをサポートする など
●血糖値
- 血糖値が気になる方へ
- 糖の吸収をおだやかにする など
●コレステロール値
- 血中コレステロールを下げる
- 余分な体内のコレステロールを体外へ排出 など
●歯
- 歯を丈夫で健康に保つ
- むし歯の原因になりにくい など
●腸
- おなかの調子を整える
- 善玉菌を補う など
また、トクホの最大の特徴であり“信頼の証”でもある「バンザイで背伸びをしている人」のマークをパッケージに表示させることが出来ます。
機能性表示食品の場合
機能性表示食品とは、健康の維持や特定の体の働きをサポートする機能があることを、科学的根拠に基づいて表示できる食品です。パッケージにはトクホのような特徴的なマークはありませんが、必ず商品に「機能性表示食品」と明記されています。
トクホと異なる興味深い点は、必ずしもヒト試験を実施する必要がないということで、既存の研究論文や文献レビューによって、効果や機能の科学的根拠を示すことも認められています。
また、販売前に事業者が消費者庁へ届け出を行い、その内容が一般に公開されることが義務づけられており、その表示内容に対しては事業者自身が責任を負います。
他にも、それぞれの表示文言にも違いが見られます。トクホでは「〇〇の働きがあります」と明確に機能を謳うことができるのに対し、機能性表示食品では「〇〇に役立つと報告されています」と、やや控えめで間接的な表現が用いられます。つまり、機能性表示食品は「企業の責任」で科学的根拠を示し、「情報公開」が義務付けられている点が特徴であり、国による厳密な審査を経て認可されるトクホとは信頼性をどのように裏付けているかが異なります。
健康食品の臨床試験に関する質問
健康食品の効果や安全性を確かめる食品試験について、実施の目的や疑問点などをわかりやすく解説します。
Q: 健康食品を扱う臨床試験とは何ですか?
健康食品の安全性や機能性(効果)を科学的に検証するために、人を対象として行う試験のことです。消費者への信頼性向上や機能性表示食品制度への対応などで実施されています。
Q: 被験者の選定はどのように行われますか?
試験の目的に合った年齢・性別・健康状態を持つボランティアを選定します。また、インフォームド・コンセント(説明と同意)の取得が必須です。
Q: 試験の期間はどのくらいですか?
数週間から数か月が一般的ですが、効果や安全性の評価内容により変動します。
長期摂取による影響を検討する試験では1年以上のケースもあります。
Q: トクホ(特定保健用食品)として認められるにはどんな試験が必要ですか?
トクホとして認可を受けるためには、消費者庁の厳正な審査を通過する必要があり、科学的根拠に基づいたヒト試験(臨床試験)を実施することが必須となります。
なお、機能性表示食品とは異なり、トクホは「国が許可」した製品となります。
Q: 「機能性表示食品」として認められるにはどんな試験が必要ですか?
「機能性表示食品」として認められるためには、ヒトを対象とした実際の製品を使った臨床試験を実施し、臨床データや文献レビューによる科学的根拠に基づいた機能性の評価を受ける必要があります。
また、消費者庁に届け出を行い、製品の効果や内容を一般公開する義務が必要となりますが、その表示内容に対しては事業者自身が責任を負います。
まとめ
健康食品における臨床試験(治験)は、製品が人体に与える効果や安全性を科学的に証明するための重要なプロセスであり、同時に製品の信頼性やブランド価値を支える土台でもあります。
とくにトクホや機能性表示食品においては、ヒトを対象とした試験によって科学的根拠に裏付けられた高い信頼性のデータが求められます。
誰もが安心して手に取れる製品であるためにこそ、健康食品には確かなエビデンスが不可欠なのです。
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JCVN編集部
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