【掲載日】2016/08/03   【最終更新日】2020/07/07

前立腺肥大症とは?『夜中に起きてしまい寝不足』とお悩みの男性の方!

過活動膀胱でも挙げられる症状の、「夜トイレのために起きてしまう症状」。
男性の場合は、「前立腺肥大症」の可能性が高いと言われています。
男性の更年期障害とも言われる前立腺肥大症という病気。早速チェックしてみましょう!

 

『前立腺肥大症』ってなに?

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「前立腺」とは、男性のみに存在する生殖器の事で、膀胱の真下にあり、尿道を取り囲むかたちで存在しています。通常は、クルミほどの大きさです。
前立腺は、男性ホルモンがなければ十分な働きができず、前立腺が成長するのにも男性ホルモンが必要です。
前立腺がんや前立腺肥大症などの前立腺に発生する病気も、男性ホルモンにより進行することがわかっているそうです。

前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)とは、膀胱の下にある前立腺が肥大して、尿道を圧迫し、排尿障害を起こす病気のことを言います。
男性の「更年期障害」とも言われる、前立腺肥大症ですが、食生活の向上・欧米化により、日本の55歳以上の男性の2割、5人に1人に前立腺肥大の症状があることがわかっています。

現在では80歳までに日本人男性の80%が前立腺肥大症になるといわれているそうです。
排尿トラブルは、毎日の悩み。小さなストレス抱えてませんか?

 

どんな症状がある?

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↑残尿感のメカニズムです。こうして、残尿感を感じるようになります。

前立腺肥大症にみられる症状としては、「尿をしたあとにまだ尿が残っている感じがする(残尿感)」「尿の勢いがなくなる」、 「排尿の回数が増える(頻尿)」、「夜中に何回もトイレに起きる(夜間頻尿)」、 「排尿に時間がかかり尿が完全に出きらない」、「おなかに力を入れないと排尿できない(いきみがある)」、 「急に尿をしたくなり、もれそうで我慢できない(尿意切迫感)」などの症状がみられます。 思い当たる症状はありますか?

あまり症状がひどいと、いつも膀胱が尿でいっぱいなので、ちょっとおなかに力を入れたときなどに尿が漏れてしまう 「溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)」なってしまうことがあるそうです。
急に悪化すると尿が全くでない「急性尿閉」という緊急状態になることもあり、 さらに前立腺肥大症が悪化すると、「腎臓機能障害」も発生する危険性があります。

 

前立腺肥大症・セルフチェック

前立腺肥大症は、国際前立腺症状スコア(IPSS)という、アンケート形式の検査で、セルフチェックが行えます。
これは、前立腺肥大症の症状の程度を点数化して評価し、治療に用いるために、アメリカ泌尿器学会が決めた前立腺症状スコアを各国の学者が国際的に検証し、これを採用しました。

過去1ヶ月間の排尿の状態を数項目に分けて回答し、結果を点数で表わすチェック表で、尿路の症状には複数の要素が関係しているため、この点数だけで完全な判定はできませんが 、一般的には「0~8が軽症」「9~20が中等症」「20以上が重症」の前立腺肥大症と考えられています。
下のチェック表で、自分がどのくらいの症状なのか計算してみましょう!

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前立腺肥大症の治療は?

前立腺肥大症の治療については、お薬を使わない方法や、お薬での治療、さらに手術や、外科治療などが挙げられます。

お薬を使わない「無治療経週観察」という治療法は、排尿を含めた日常生活指導のみで、排尿状態が改善する症例が約1/4に認められることから、軽症の患者様はこちらの治療法が標準的といわれていますが、症状悪化や合併症などがみられるときは、速やかに適切な治療を受けなければなりません。

一方、「薬物療法」においては、α遮断薬や、抗男性ホルモン薬など、さらには、植物エキス製剤、アミノ酸製剤、漢方薬など、症状等によりさまざまな選択肢が挙げられますが、副作用等がそれぞれにより異なるので、症状と体調により医師との相談で正しい措置を受けることをお勧めします。

手術・外科治療」においては、症状が、中等症から重症の方を対象とし行われるケースが多いそうです。すべての治療選択肢のうち、手術は最も侵襲的(生体内の恒常性を乱す可能性のある外部からの刺激のことで、外科手術のようなことを指す)ではありますが、手術により肥大した腺腫が切除されることで、排尿障害の改善に最も有効性が高いといわれています。
また、外科手術においては、カテーテル留置などが挙げられ、急性尿閉期への緊急的処置として、有用な治療法です。しかし、尿路感染症や膀胱結石を合併する頻度が高いことも難点として挙げられているそうです。セルフカテーテル(間欠的自己導尿)といって、尿を排出させる時のみカテーテルを尿道から膀胱内に挿入して尿を排出させ、尿を出し終わるとカテーテルを抜いてしまう方法もあります。セルフカテーテルは、患者様自身や介護者が施行できる治療法ため、QOL評価(※1)の点においても優れているとの事で、今後期待されている治療法と言われているそうです。

また、現在検討されている薬物治療法の1つとして、「低侵襲治療」があります。
先端医療としては、レーザー、ステント、高温度療法などがありますが、通常、低侵襲治療の多くは、治療直後には前立腺の縮小効果はみられず、現時点では、低侵襲性と安全性に関する報告はあるそうですが、他の治療方法と比較した有効性ならびに長期成績に関するデータは少なく、標準的な治療法としての結論は見出されていないそうです。
ただ、患者の希望や年齢などの病態以外の要因を考慮すると、今後の発展が期待されており、臨床試験による安全性と有効性の検討を行い、これら「低侵襲治療」の前立腺肥大症治療における位置づけが必要といわれています。

(※1)QOL評価:「人が充実感や満足感を持って日常生活を送ることができること」を質問表により調査し、日常生活における「充実感」や「満足感」を評価するもの

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治療費はどれくらいかかるの?

前立腺肥大症は、男性の更年期障害といわれるくらい、加齢とともに症状がでてくる方が多いはず。「治療費」という出費も気になりませんか?3人の前立腺肥大症でお悩みの方を比較して、どれくらい治療費が必要か比べてみましょう。 まずは、登場人物の3人の方を紹介します。

◆Aさん:67歳。治療法は、α遮断薬で月に1度の通院(約12ヶ月)。保険料は、2割負担。
◆Bさん:63歳。治療法は、TURP(※1)で13日間入院。保険料は2割負担。
◆Cさん:65歳。治験ボランティア協力し、月に1度の通院(約12ヶ月)。保険料は3割負担。1来院につき、10,000円の負担軽減費(※2)がもらえる。

さぁ、どのくらいの治療費がかかっているのでしょう。下の表を見てみましょう。

column_graph5※この比較表はあくまでも参考例ですので、実際の費用とは異なります。

(※1)TURP:経尿道的前立腺切除術といわれるもので、尿道から内視鏡を挿入し、内視鏡で前立腺の患部を観察しながら、 内視鏡の先端についている電気メスで肥大した患部を切り落とす方法。前立腺肥大症の手術では代表的な手術。

(※2)負担軽減費(治験協力費):負担軽減費とは、治験に参加する際、ご協力いただく方(被験者様)は交通費や、診察料等がかかったり、場合により勤めを休んだりする必要があることから、被験者様の経済的負担を減らすために、また、治験の為に来院することに対して被験者様に支払われるお金のことで、製薬企業等の治験依頼者が用意し、治験を実施する医療機関を通して支払われます。
負担軽減費は、被験者の不利益を救済する為にあり、謝礼や経済的メリットを目的とはしていません。また、負担軽減費の額は、疾患や、患者様の受ける侵襲・苦痛、検査の内容や、かかる時間等によって異なります。

*よりよいお薬や治療法を開発中です!*

日々、今販売されているお薬よりも、更に効果的なもので、副作用が少ないお薬が開発され、販売に向けて臨床試験(治験)が行われています。 薬はみんなでつくるもの。
みな様方お一人お一人の方のご協力があって、初めて新しいお薬が販売されるのです。
まだまだ日本では、『治験』に対して正しいご理解を頂いている方が多くいらっしゃらないため、先進国であるにも関わらず、海外の国から比べてお薬に関しては大幅に遅れているのです。 自分の健康状態を保つために、また未来の自分、さらには多くの方々のために、是非治験にご協力ください。

 

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