【掲載日】2026/02/27
鼻水が辛い時、薬はどう選ぶ?風邪薬と鼻炎薬の違いを紹介
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鼻水が続くと、風邪なのか、鼻炎なのか判断に悩んでしまいますよね。自己判断で薬を選んだ結果、思うように症状が楽にならなかった経験がある方もいらっしゃるかもしれません。実は、風邪薬と鼻炎薬では目的や働きが異なります。鼻水の原因によって適した薬はそれぞれ異なりますので、風邪薬と鼻炎薬の違いを正しく理解することで、つらい鼻水への対処がしやすくなるでしょう。
鼻水がでる原因とは
鼻水は、鼻腔内に入り込んだホコリやウイルスなどの異物を体外に排出させるための防御反応です。鼻水とともに鼻腔内の異物が流れ出ることで鼻は常にきれいに保たれ、適切な空気を肺に送り届ける機能を維持しているのです。
①風邪などの細菌やウイルス
鼻水は、風邪やインフルエンザなどの感染症で見られるもっとも一般的な症状です。細菌やウイルスが鼻腔内に侵入すると、身体はウイルスを体外に洗い流すために分泌物を増やそうとします。風邪を引きはじめた頃の初期の鼻水は水っぽくさらっとして透明ですが、炎症が進むと粘り気のある色のついた鼻水に変わっていきます。また、炎症の進行とともに咳や喉の痛み、たんや鼻詰まりといった症状も伴います。
②アレルギー性鼻炎
アレルギー体質の人は、花粉やハウスダスト、ペットの毛などのアレルゲンが体内に入ると免疫反応が過剰に起こり、鼻粘膜が刺激されて鼻水や鼻詰まり、くしゃみが増えることがあります。この症状はアレルギー性鼻炎と呼ばれ、水のようにさらっとした大量の鼻水やくしゃみを繰り返すのが特徴で、花粉が飛ぶ季節にだけ症状が見られる季節性と、季節に関わらず一年中鼻水やくしゃみなどの症状が見られる通年性の2種類に分けられます。
③環境や寒暖
寒い空気や乾燥した環境、強い臭いなどの外的刺激も鼻水を引き起こします。これは鼻腔の粘膜が刺激され、防御反応として分泌物を増やすためです。例えば外気温が低いと鼻は空気を温めようとして分泌を活発化させ、結果として鼻水が多く出ることがあります。また、香水や煙などの刺激物に反応する非アレルギー性の鼻炎(血管運動性鼻炎)の一因にもなります。
④副鼻腔炎(蓄膿症)・後鼻漏
副鼻腔炎(鼻の奥の副鼻腔の炎症)は、風邪やアレルギーなどが原因で副鼻腔が詰まり、粘液が溜まってしまう状態です。この結果、黄色や緑色の粘着性の高い鼻水が出たり、鼻水が喉に流れる「後鼻漏(こうびろう)」が起こり咳や喉の不快感を誘発することもあります。症状が長引く場合は医療機関の受診が推奨され、抗菌薬や鼻腔洗浄などの治療が行われることがあります。
花粉症の薬(鼻炎薬)と風邪薬の効果の違い
| 比較項目 | 鼻炎薬(花粉症薬) | 風邪薬(総合感冒薬) |
|---|---|---|
| 主目的 | 鼻症状(くしゃみ・鼻水・鼻づまり)の緩和に特化 | 風邪の全身症状(発熱・頭痛・倦怠感・咳など)をまとめて緩和 |
| 症状 | アレルギー性鼻炎、花粉症、副鼻腔炎など鼻症状に強い | 鼻水・鼻づまりだけでなく、咳・痰・のどの痛み・発熱など多症状 |
| 主成分 | 抗ヒスタミン薬、抗コリン薬、交感神経刺激薬など | 解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、去痰薬など |
| 薬の役割 | 鼻の炎症やアレルギー反応を抑える | 風邪による全身症状を一時的に和らげる |
| 性質 | 原因がアレルギーや炎症による鼻症状に特化 | 原因がウイルス感染による風邪全体の症状に対応 |
| 代用の可否 | 風邪による鼻症状以外は改善しない | 鼻症状緩和効果はあるが、不要な成分を摂取する可能性あり |
2つの違い
アレルギー性鼻炎と風邪は、どちらもくしゃみや鼻水、鼻づまりといった共通の症状が見られるため、使用する薬も同じでよいと考えてしまいがちです。しかし実際には、鼻炎薬と風邪薬は使用目的そのものが異なり、配合されている成分や体への作用にも明確な違いがあります。鼻炎薬はアレルギー反応を抑えることに特化しているのに対し、風邪薬は発熱や頭痛、倦怠感などを含む全身症状を幅広く和らげる設計となっています。また、想定されている服用期間にも差があり、適切に服薬しないと十分な効果が得られない場合もあります。症状の原因を見極め、適切な薬を選択しましょう。
鼻炎症状は風邪薬でも効果がある?
風邪薬には、鼻炎薬にも含まれる抗ヒスタミン成分が配合されている場合があり、軽い鼻水やくしゃみといった症状が一時的に和らぐことがあります。しかし、風邪薬には発熱や頭痛、関節痛など風邪特有の症状に対応する成分も含まれているため、アレルギー性鼻炎の改善を目的とした場合には不要な成分まで摂取してしまうことになります。そのため、鼻炎症状への対処として風邪薬を使用することは推奨されません。
アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎に風邪薬は使用できない
鼻炎薬(花粉症薬)は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった鼻の症状を抑えることに特化した薬です。一方、風邪薬は発熱や頭痛、悪寒、倦怠感、咳など、風邪によって起こる複数の不調をまとめて和らげる目的で作られています。
風邪薬には鼻症状に必要な最小限の成分しか含まれていおらず、鼻炎による症状を完全に抑えることができないため、風邪薬を鼻炎薬の代わりとして使用することはおすすめできません。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりに市販薬で対処したいとき
くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻症状を市販薬で対処したいときは、症状の「原因」を見極めることが大切です。市販薬の説明書にある「効能・効果」を確認し、症状がアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎によるものなら、抗ヒスタミン成分など鼻症状に特化した鼻炎薬を選びましょう。一方、風邪が原因で鼻の不調が出ている場合は、「かぜの諸症状」と記載された風邪薬や、急性鼻炎と表示された鼻炎薬を選ぶとよいです。原因がはっきりしないときや判断に迷うときは、薬剤師に相談するのも有効な方法です。
鼻炎薬と風邪薬の併用してもいい?
鼻炎薬と風邪薬の併用は、配合成分が重複して作用したり、副作用のリスクが高まるため避けるべきです。風邪薬には抗ヒスタミン薬や鎮痛成分など複数の成分が含まれることがあり、同じ作用を持つ鼻炎薬と一緒に服用すると、眠気・口渇・めまいなどの副作用が強く出る恐れがあります。また、不要な成分を過剰に摂取することになり、症状に合わない治療になってしまう可能性もあります。そのため、発症している症状の原因を突き止めてから適切な市販薬を選択し、自身の判断がつかない場合は薬剤師に相談しましょう。
飲み合わせに注意が必要な薬
市販の鼻炎薬や風邪薬を使う際に注意したい点として、両者には共通する成分も含まれているため、飲み合わせに気を付ける必要があります。鼻炎薬にも風邪薬にも、くしゃみや鼻水に働く抗ヒスタミン成分が配合されていることが多く、これを重ねて服用すると副作用が強く出る可能性があります。また、風邪薬には解熱鎮痛や鎮咳など鼻以外の症状に対応する別の有効成分が含まれており、鼻炎症状の解消に不要な成分まで過剰に摂取してしまう危険もあります。こうした成分の重複や過量摂取を避けるため、鼻炎薬や風邪薬を併用することは控え、薬剤の「使用上の注意」をよく確認することが大切です。
鼻水が出る時のおすすめの漢方薬
鼻水が止まらない場合、症状を抑える薬剤も有効ですが、体質や健康状態の改善といった意識に目を向けると、漢方薬という選択肢が力を発揮します。漢方は「冷え」「水分代謝の乱れ」「体力の低下」といった原因に働きかけ、体の内側からバランスを整える考え方が基本です。そのため、薬の副作用が気になる方や代謝の低下に悩んでいる方にとって、無理なく続けやすい対処法となります。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
効能:体を温め水分代謝を整えることで、鼻水やくしゃみなどの症状の改善を図る漢方薬。
有効な症状:透明でさらっとした鼻水、くしゃみ、アレルギー性鼻炎、花粉症、感冒による鼻水。
成分:麻黄、桂枝、細辛、半夏、五味子、芍薬、乾姜など。
用法・用量:食前または食間 1日3回。
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
効能:体を温めて水分バランスを整えつつ、慢性鼻炎や副鼻腔炎の鼻詰まり症状を緩和。
有効な症状:蓄膿症や鼻炎による重い鼻づまり。
成分:葛根湯をベースに川芎、辛夷などが加えられた処方。
用法・用量:1日複数回に分けて服用
麻黄湯(まおうとう)
効能:風邪の初期症状を改善し、体を温めて発汗を促すことで症状緩和を図ります。
有効な症状:風邪の初期症状、鼻かぜ、寒気・熱感・頭痛・せき・ふしぶしの痛み。
成分:麻黄、杏仁、桂皮、甘草など。
用法・用量:食前または食間 1日3回。
よくある質問
Q: 風邪や鼻炎のとき、なぜ鼻水が出るのですか?
鼻水は、ウイルスや花粉、ホコリなどの異物を体の外に出そうとする防御反応です。鼻の中の粘膜が刺激を受けると、潤いを増やして異物を洗い流そうとするため、鼻水が増えます。
Q: 透明な鼻水と黄色い鼻水は何が違いますか?
透明な鼻水は、初期の風邪やアレルギー性鼻炎に多く見られます。一方、黄色や緑っぽい鼻水は、体がウイルスや細菌と戦った後の老廃物が混ざった状態で、症状が長引いている目安になることがあります。
Q: 鼻水には市販薬を使ってもいいですか?
軽い症状であれば市販の鼻炎薬や風邪薬で楽になることがあります。ただし、眠くなったり口が渇くなどの副作用が出る場合もあるため、説明書をよく読んで使用しましょう。
Q: 鼻水を早く止めたいときは、薬剤と漢方のどちらを選ぶべきですか?
すぐに鼻水を抑えたい、仕事や外出を控えられないといった場面では、即効性が期待できる薬が有効です。冷えやすい、疲れやすい、繰り返し鼻水が出るといった人には、体調に合わせて漢方を選ぶことで根本的な改善が期待できます。ただし効果は比較的ゆるやかで、数日から継続して飲む必要があります。
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まとめ
鼻水は誰にでも起こり得る身近な症状ですが、その裏側には風邪、アレルギー、鼻炎、環境由来など、実にさまざまな原因が隠れています。鼻水を抑える鼻炎薬と風邪薬は似ているようで目的も成分もまったく異なり、症状の原因を見誤ると十分な効果が得られないばかりか、副作用や成分の過剰摂取につながる可能性もあります。また、体質や体調の不調による鼻水症状の改善には漢方という選択肢もあり、即効性と根本改善をどう使い分けるかがポイントになります。
鼻水を単なる不快症状として片付けず、原因を見極めて正しく対処することが、症状を長引かせないための近道だと言えるでしょう。
著者情報

JCVN編集部
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