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【掲載日】2025/08/06

鼻炎に効く薬とは?症状別の選び方や、おすすめの市販薬、注意点を徹底解説

風邪をひいているわけでもないのに鼻水が続いて辛い…近年、長引く鼻炎に悩む人たちが増加しています。それに伴い、最近ではドラッグストアでも購入できるOTC医薬品もバリエーションが充実してきました。スイッチOTC医薬品のように医師の診察を受けることなく、処方薬と同じ成分の薬を自分で選んで購入できることは、忙しい現代人にとって時短となり非常に便利な世の中になりました。とはいえ、ドラッグストアに行くと、ひとえに鼻炎薬といっても多種多様な商品が陳列されており、実際にどれが自分に合っているか見定めることが難しくもなってきました。そこで今回は、症状別の薬の選び方や注意点などを中心に記事としてまとめましたので、市販薬を選ぶ際の一助になりましたら幸いです。

そもそも鼻炎はなぜ起きる?

ここでいう鼻炎とは、アレルギー性鼻炎のことを指しますが、いわゆる花粉症と呼ばれる、花粉が原因の季節性アレルギー性鼻炎と、動物の毛、ダニ・ハウスダスト・カビなどが原因の通年性アレルギー性鼻炎に分けられます。空気中に浮遊するアレルギーの原因となる物質「アレルゲン」を吸い込むことで、鼻の粘膜を通じてアレルゲンが体内に入り込み起こるアレルギー症状です。体内にアレルゲンが侵入すると、それに対抗するためにIgE抗体と呼ばれる抗体が体内で作られます。そして抗原となるアレルゲンが繰り返し体内に侵入し続けると、増え続けたIgE抗体がマスト細胞と結合します。体内で一定量を超えてしまったアレルゲンは、このマスト細胞に結合しているIgE抗体に付着します。すると、マスト細胞から粘膜を刺激するヒスタミンやロイコトリエンと呼ばれる化学伝達物質が分泌され、くしゃみや鼻水などのアレルギー反応を起こしてしまうのです。

鼻炎の症状別の薬の選び方

鼻炎の症状が起こっている時は、他にもアレルギー症状として鼻づまり、くしゃみ、そして目のかゆみを伴うこともあります。症状別にどんな薬を選んだらよいかをまとめました。

くしゃみ・鼻水の場合

ヒスタミンの働きを抑える、抗ヒスタミン薬が有効です。抗ヒスタミン薬は、初期に開発された第1世代の薬と、その後に開発された第2世代のものに分けられます。第1世代の薬は、速攻性があり効き目も強いですが脳への影響が強く、眠気や集中力低下といった副作用も目立ちます。第2世代の薬は、効果はそこまで変わらずに副作用がだいぶ軽減されたものであるため、現在では第2世代の薬の方が主流となっています。

市販薬に配合されている代表成分としては、主に以下のものがあります。

【第1世代の抗ヒスタミン薬】

  • クロルフェニラミンマレイン酸塩
    →商品例:エージーアレルカットS
  • クレマスチンフマル酸塩
    →商品例:新ルルAゴールドDXα(風邪薬に多い)
  • ジフェンヒドラミン塩酸塩
    →商品例:レスタミンコーワ糖衣錠

【第2世代の抗ヒスタミン薬】

  • フェキソフェナジン塩酸塩
    →商品例:アレグラ 運転に関する制限の記載なし
  • エピナスチン塩酸塩
    →商品例:アレジオン 運転可能だが注意を要する
  • ロラタジン
    →商品例:クラリチン 運転に関する制限の記載なし
  • セチリジン塩酸塩
    →商品例:ジルテック 運転不可
  • アゼラスチン塩酸塩
    →商品例:アレジンAZ錠 運転不可

鼻づまりの場合

鼻づまりがひどい時は、点鼻薬の使用が有効です。点鼻薬の成分には大きく分けて血管収縮薬とステロイド薬の2種類があります。血管収縮薬は、炎症で腫れた鼻粘膜の血管を収縮し鼻詰まりの症状を緩和させることができます。即効性があるため、点鼻薬によく配合されていますが、繰り返し使用し続けることで血管が硬くなり鼻の粘膜が腫れて、かえって状態が悪化してしまうこともありますので連用には注意が必要です。使用するのは鼻づまりが非常につらい時だけにして、連用は10日程度を目途に、使い過ぎて効き目が悪くなってきたと感じたら当分の間、使用しない期間を設けた方がよいとされています。

鼻づまりに効く主な血管収縮薬の成分としては、以下のようなものがあります。

  • ナファゾリン硝酸塩
  • オキシメタゾリン塩酸塩
  • テトラヒドロゾリン塩酸塩
  • 塩酸プソイドエフェドリン

また、ステロイド剤の点鼻薬は、鼻の粘膜の腫れを抑えることで空気の通りが良くなります。また、鼻粘膜への抗炎症作用と併せて、抗アレルギー作用があるためアレルギー性鼻炎の諸症状を改善する効果もあります。血管収縮薬と比べると即効性はないものの、継続使用することで症状が安定するようになり、抗ヒスタミン薬で懸念される眠気などの副作用が少ないため、日常生活にも目立った支障を出すことなく使用することができます。

鼻づまりに効く主なステロイド成分としては以下のようなものがあります。

  • プレドニゾロン
  • ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
  • フルチカゾンプロピオン酸エステル

目のかゆみを伴う場合

アレルギー性鼻炎の症状と併せて目のかゆみの症状が出ている場合は、抗ヒスタミン剤の内服薬の他に点眼薬を併用することも多いでしょう。目のかゆみの原因と考えられるものには、花粉やハウスダスト、結膜炎、コンタクト、ドライアイなどがあります。直接目に使用できる点眼薬を使うことでダイレクトにかゆみを対処することができますが、点眼薬は種類が多いため、原因によって使い分ける必要があります。鼻炎症状がある際の目のかゆみであれば、花粉やハウスダストなどのアレルゲンが原因と考えられますので、鼻炎症状を抑えるために使用する内服薬の他に、抗ヒスタミン点眼薬やステロイド配合の点眼薬の使用が有効となるでしょう。ただし、ステロイド点眼薬は眼圧が低下するなどの副作用の危険性が高いため市販はありません。点眼薬における抗アレルギー成分は、大きく分けて「ケミカルメディエーター遊離抑制成分」と「抗ヒスタミン成分」の二つに分けられます。ケミカルメディエーター遊離抑制成分は、マスト細胞から放出されるヒスタミンなどの伝達物質の放出を抑える働きをし、抗ヒスタミン成分はヒスタミンの働きを抑え受容体と結合されるのを抑える効果があります。

市販されている抗アレルギー点眼薬の主な有効成分には下記のようなものがあります。

  • クロモグリク酸ナトリウム(ケミカルメディエーター遊離抑制成分)
    →サンテFX AL
  • アシタザノラスト水和物(ケミカルメディエーター遊離抑制成分)
    →アレジフェンス
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン成分)
    →ロートアルガード
  • ケトチフェンフマル酸塩(抗ヒスタミン成分)
    →アイリスAGガード
  • エピナスチン(抗ヒスタミン成分)
    →アレジオン点眼液 ※2025年6月現在市販はない

鼻炎に効果のある市販薬おすすめ13選

ドラッグストアやオンラインで購入できる市販の鼻炎薬(内服)について、以下の通りまとめました。(※2025年6月現在)
用量や服薬タイミングが様々なので、ご自身の生活に合わせて、なるべく影響の少ない薬を選ばれると良いでしょう。

商品名 主要成分 抗ヒスタミン剤の種類 特徴
アレグラFX
久光製薬
1錠あたり
フェキソフェナジン60mg※医療用と同成分・同量
第2世代 1回1錠/1日2回
眠気がほとんど出ないため、運転や仕事に支障をきたしにくい
空腹時にも飲める
アレグラFXジュニア
久光製薬
1錠あたり
フェキソフェナジン30mg※医療用と同成分・同量
第2世代 7~14歳の小児用鼻炎薬
1回1錠または2錠(年齢により)/1日2回
眠くなりにくいため、学習への影響が出にくい
アレルビ
皇漢堂製薬
1錠あたり
フェキソフェナジン60mg※医療用と同成分・同量
第2世代 1回1錠/1日2回
効果や即効性はアレグラFXとほとんど同じ。アレグラFXのジェネリック版に位置付けられるため、価格がアレグラFXより安価
ストナリニS
佐藤製薬
2錠中
クロルフェニラミンマレイン酸塩:
内核6mg、外層6mg
第1世代 1回1錠/1日1~2回
2層構造で胃で溶ける部分と腸で溶ける部分があり、作用が長時間続く。フェニレフリン塩酸塩も配合されており血管収縮を促進し鼻づまりを緩和する。眠気が出る抗ヒスタミン薬のため運転操作には不向き
ストナリニ・サット小児用
佐藤製薬
9錠中
d -クロルフェニラミンマレイン酸塩4mg
第1世代 5歳~14歳の小児用鼻炎薬
1回1錠~3錠(年齢により)/1日3回
水無しで服用できるため(イチゴ味)、子どもにも使用しやすい。他にフェニレフリン塩酸塩が配合され(血管収縮効果)、鼻づまりを緩和させる効果がある
アレジオン
エスエス製薬
1錠あたり
エピナスチン塩酸塩20mg
第2世代 1回1錠/1日1回(就寝前)
24時間長く効く
鼻水・鼻づまりなどのアレルギー症状に効果があり、眠くなりにくい ※添付文書には服用後の運転操作は控える記載あり。服用タイミングは就寝前
ベンザ鼻炎薬α
アリナミン製薬
2錠中
・塩酸プソイドエフェドリン120mg
・d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩4mg
第1世代 1回1錠/1日2回
塩酸プソイドエフェドリンの働きで血管を収縮させ鼻づまりを改善する。d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン薬で鼻水症状を緩和するが、眠気を引き起こすことがあるため運転操作をする人には不向き
パブロン鼻炎カプセルSα
大正製薬
2カプセル中
・塩酸プソイドエフェドリン60mg
・マレイン酸カルビノキサミン6mg
第1世代 1回2カプセル/1日2回
塩酸プソイドエフェドリンの働きで血管を収縮させ鼻づまりを改善する。マレイン酸カルビノキサミンはアレルギー症状を緩和する抗ヒスタミン薬で即効性に優れているが眠気が出やすい
アネトン アルメディ鼻炎錠
アリナミン製薬
9錠中
・プソイドエフェドリン塩酸塩 180mg
・クロルフェニラミンマレイン酸塩12mg
第1世代 11歳以上から服用可能
1回2~3錠(年齢による)/1日3回
血管収縮薬と抗ヒスタミン薬の配合により鼻づまり・鼻水を改善する。また、抗アレルギー作用のある生薬が数種類配合されているのも特徴的
ロートアルガード鼻炎内服薬ゴールドZ
ロート製薬
3カプセル中、
・メキタジン4mg
・塩酸プソイドエフェドリン 75mg
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩 75mg
第2世代 1回1カプセル/1日3回
急性鼻炎及びアレルギー性鼻炎による諸症状の緩和
抗アレルギー作用と抗ヒスタミン作用を兼ね備え、かつ眠くなりにくい
新コンタック鼻炎Z
グラクソ・スミスクライン
1錠あたり
セチリジン塩酸塩10mg
第2世代 1回1錠/1日1回(就寝前)
24時間長く効く
鼻水・鼻づまりなどのアレルギー症状に効果があり、眠くなりにくい ※添付文書には服用後の運転操作は控える記載あり。服用タイミングは就寝前
クラリチンEX
大正製薬
1錠あたり
ロラタジン10mg
第2世代 1回1錠/1日1回(食後・毎日決まった時間に)
季節性のアレルギー性鼻炎の場合は、症状の軽い早めの時期からの服用が効果的
鼻水・鼻づまりなどのアレルギー症状に効果があり、眠くなりにくい
フェキソフェナジン錠ALG
奥田製薬
1錠あたり
フェキソフェナジン60mg※医療用と同成分・同量
第2世代 1回1錠/1日2回
眠気がほとんど出ないため、運転や仕事に支障をきたしにくい
空腹時にも飲める

鼻炎薬の売れ筋ランキング

Amazonの「鼻水・鼻炎の売れ筋ランキング」(2025年6月現在)を基に、内服薬15位までを調査し主な特徴を簡単にまとめました。

15位:アレグラFXジュニア

抗ヒスタミン剤【フェキソフェナジン塩酸塩】(第2世代)
1日2回服用、7歳~14歳の小児用
眠くなりにくいため、学習への影響が少ない。

14位:フェキソフェナジン錠「ST」a

抗ヒスタミン剤【フェキソフェナジン塩酸塩】(第2世代)
1日2回服用、口が渇きにくく眠くなりにくい。

13位:フェキソフェナジン錠RX

抗ヒスタミン剤【フェキソフェナジン塩酸塩】(第2世代)
1日2回服用、口が渇きにくく眠くなりにくい。

12位:新コンタック600プラスs(指定第2類医薬品)

抗ヒスタミン剤【dークロルフェニラミンマレイン酸塩】(第1世代)
1日3回服用、2つのアレルギー抑制成分の他、血管収縮剤の配合で即効性あり。眠くなる可能性がある。

11位:ストナリニZジェル

抗ヒスタミン剤【セチリジン塩酸塩】
1日1回就寝前に服用、液状処方で素早く溶ける。眠くなりにくい。

10位:ロートアルガード鼻炎内服薬ゴールドZ(指定第2類医薬品)

抗ヒスタミン剤【メキタジン】(第2世代)
1日3回服用、血管収縮や鼻汁分泌抑制成分など、6種類の有効成分を配合し、液状処方で素早く効く。眠くなりにくい。

9位:コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセルα(指定第2類医薬品)

抗ヒスタミン剤【dークロルフェニラミンマレイン酸塩】(第1世代)
1日3回、いつでも服用可(服用間隔は4時間以上)
血管収縮剤や鼻汁分泌抑制成分が配合され、液状になった有効成分がいち早く溶け出し早く効く。眠くなる可能性がある。

8位:アネトン アルメディ鼻炎錠(指定第2類医薬品)

抗ヒスタミン剤【クロルフェニラミンマレイン酸塩】(第1世代)
1日3回服用、血管収縮剤と抗アレルギー作用をもつ生薬が配合され、鼻づまりやくしゃみ・鼻水に効果的。眠くなる可能性がある。

7位:新コンタック鼻炎Z

抗ヒスタミン剤【セチリジン塩酸塩】(第2世代)
1日1回1錠を就寝前に服用、日中眠くなりにくい。

6位:クラリチンEX

抗ヒスタミン剤【ロラタジン】(第2世代)
1日1回1錠、食後決まった時間に服用でよいので飲み忘れしにくく、眠くなりにくい。

5位:ストナリニS

抗ヒスタミン剤【クロルフェニラミンマレイン酸塩】(第1世代)
1日1~2回服用、2層構造で長時間作用が続く。血管収縮剤配合。眠くなる可能性がある。

4位:パブロン鼻炎カプセルSα(指定第2類医薬品)

抗ヒスタミン剤【マレイン酸カルビノキサミン】(第1世代)
1日2回服用、血管収縮剤も配合され鼻づまりにも効果的。カプセル内は白とオレンジの2種類の顆粒で、溶ける速度に差があるため効き目が長く効く。眠くなる可能性がある。

3位:アレルビ

抗ヒスタミン剤【フェキソフェナジン塩酸塩】(第2世代)
1日2回服用、眠くなりにくく、比較的値段が安い。

2位:アレグラFX

抗ヒスタミン剤【フェキソフェナジン塩酸塩】(第2世代)
1日2回服用、空腹時にも飲めて眠くなりにくい。

1位:アレジオン20

抗ヒスタミン剤【エピナスチン塩酸塩】(第2世代)
1日1回就寝前に服用、日中の眠気が出にくい。

鼻炎に効果のある点鼻薬おすすめ3選

アレルギー性の鼻炎症状が出ている時には、まずは抗ヒスタミン剤が入った内服薬でアレルギー症状を抑えることが考えられますが、鼻水の症状が強い時には鼻の炎症や鼻づまりに直接作用させる点鼻薬の併用を検討すると良いでしょう。以下に鼻炎に効果のある市販の点鼻薬をまとめました。

商品名 主要成分 用量用法 特徴
ナザールαAR0.1%
佐藤製薬
(指定第2類医薬品)
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(ステロイド) 通常1日2回(朝・夕)左右1噴霧ずつ
※1日最大4回まで。使用間隔は3時間以上あける
鼻腔内のうっ血や炎症を抑え、
鼻の通りをよくする
季節性アレルギー専用
ナシビンMスプレー
佐藤製薬
(第2類医薬品)
オキシメタゾリン塩酸塩(血管収縮剤) 1日1~2回
※使用間隔は10~12時間以上あける
※1週間を超える連用はしない
OTC医薬品として初めてオキシメタゾリン塩酸塩を配合した点鼻薬。血管収縮作用により、鼻づまりの改善を促す
エージーアレルカットS
第一三共ヘルスケア
(第2類医薬品)
クロモグリク酸ナトリウム(抗アレルギー剤)
クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン剤)
1日3~5回
※使用間隔は3時間以上あける
7歳以上に使用可能
5つの有効成分を配合で鼻水・鼻づまりによく効く
ロート アルガード ST鼻炎スプレー
ロート製薬
(第2類医薬品)
クロモグリク酸ナトリウム(抗アレルギー剤)
クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン剤)
1日3~5回
※使用間隔は3時間以上あける
7歳以上に使用可能
アレルギーの発生を原因から抑え込む成分と、出てしまったアレルギー症状を抑える成分に加え、ナファゾリン塩酸塩で速やかに鼻づまりを鎮める効果もあり。

鼻炎の市販薬を使用する際の注意点

点鼻薬にはいくつか種類があり、それぞれに長所・短所があります。使い方や注意することも異なってくるため、どれも同じように使用してしまうと、かえって悪化してしまうこともありますので、点鼻薬の種類に合わせた安全な使い方を心がけましょう。

鼻炎の症状に合わせた点鼻薬を選択する

点鼻薬には一概に同じ成分ではなく以下のように種類があります。現在の主流は①~③の3種類となります。また、各有効成分が複合されている商品もあるため、成分を確認して自分の症状にあった商品を選択できると良いでしょう。

①抗ヒスタミン剤:
鼻づまりはそこまでひどくないが、鼻水・くしゃみが出る際に有効
抗ヒスタミン薬が配合されている点鼻薬は、アレルギー反応の原因となるヒスタミンの働きを抑制し症状を軽減させます。

市販されている点鼻薬に配合されている主な抗ヒスタミン剤
【クロルフェニラミンマレイン酸塩】商品名:エナジー点鼻薬・カイゲン点鼻スプレー・ナザール「スプレー」
【ケトチフェンフマル酸塩】商品名:ジョイントアルファZプラス点鼻薬

②ステロイド:
鼻水・鼻づまり・くしゃみの症状がひどい時に有効
ステロイドが配合されている点鼻薬は、抗炎症作用が強力なため、鼻粘膜の腫れや炎症を抑え、鼻水・鼻づまり・くしゃみを改善させます。現在の点鼻薬ではこのステロイド成分のものが主流となっているようです。

市販されている点鼻薬に配合されている主なステロイド剤
【ベクロメタゾンプロピオン酸エステル】商品例:コンタック®鼻炎スプレー
【フルチカゾンプロピオン酸エステル】商品例:フルナーゼ点鼻薬
【プレドニゾロン】商品例:コールタイジン点鼻液a

③血管収縮剤:
眠れないくらいの鼻づまり症状がある時に有効
血管収縮剤が配合されている点鼻薬は、鼻粘膜の血管を収縮させて腫れや炎症をすばやく抑えることができます。

市販されている点鼻薬に配合されている主な血管収縮剤
【ナファゾリン塩酸塩】商品例:ナザールスプレー・パブロン点鼻
【塩酸テトラヒドロゾリン】商品例:パブロン点鼻JL・アルガード鼻炎クールスプレーa
【オキシメタゾリン塩酸塩】商品例:ナシビンMスプレー

④ケミカルメディエーター遊離抑制剤:
抗アレルギー薬の一種で、アレルギー症状を引き起こす化学伝達物質の放出を抑制することでアレルギー反応を抑える効果があります。この成分が入った市販薬は点眼薬ではいくつか存在するものの、点鼻薬については現在はあまりないようです。

点鼻薬の種類による使用上の注意に気を付ける

■抗ヒスタミン剤の入った点鼻薬
もともと鼻炎の内服薬としても使用されている成分を点鼻薬にしたもので、ステロイド剤の入ったものより即効性があります。ただし、眠気が出る可能性もあるため、心配な方ははステロイド剤を選ぶなど、ご自分の生活に影響しにくい薬剤を選ぶと良いでしょう。

■血管収縮剤の入った点鼻薬
市販の点鼻薬に多く、鼻粘膜の血管を収縮させることで、鼻の中の空気の通り道が広がり鼻づまりを解消させます。メリットは即効性があり、15分程度で効き目が出てくると言われていますので、鼻づまりが本当にひどい方には一番効果を実感できる薬となるでしょう。ただし、効果が続くのは4~5時間ほどで、その後は元に戻ってしまうというデメリットも併せ持っています。そして使えば使うほど、薬が効いている時間が徐々に短くなっていき、頻繁に点鼻しないと効果が出なくなってしまうため、症状が辛いと感じる人はどんどん使用してしまうという悪循環に陥ることがあります。この点が注意するポイントで、連用をするとかえって鼻づまりの症状が悪化してしまう(薬剤性鼻炎)恐れがあるため、決められた1日の使用回数と使用期間(1~2週間程度)を守って、自分自身が一番辛いと感じる期間のみに使用するよう調整することが大切です。使い方が難しい点やデメリットによるリスクを懸念して、使用を良しとしない医師も少なくないようです。血管収縮剤の入った点鼻薬は市販品に多いため、個人で入手し使用する際には注意が必要です。

■ステロイド剤が入った点鼻薬
主に季節性のアレルギー性鼻炎の改善に使用されることが多く、該当するアレルゲンが飛散する時期に連用できるメリットがあります。即効性はないものの、使い続けることで鼻粘膜の炎症やむくみに強力に作用し、くしゃみ・鼻水だけでなく鼻づまりにも効果を発揮します。3か月程度を目安に、花粉飛散開始時期から早めに使用を開始し、花粉飛散終了時期まで使用し続けるのが効果的です。また、ステロイド自体は、内服する際には注意が必要ですが、点鼻薬のように局所的に使用する場合、体内に入る前に作用するため副作用の心配が少ないこともメリットです。同時に、ヒスタミン剤のように眠気の副作用がないという特徴も持っています。

使用期限に注意する

未開封の点鼻薬であれば、一般的に3~5年ほどの使用期限が設けられています。
ただし、一度開封したものや使用したものについては、品質上の問題で効き目が弱くなる可能性や、雑菌等の繁殖の可能性が懸念されるため、開封後1ヶ月程度を目安として使用するのが良いとされています。

鼻炎の薬に関するよくある質問

Q1.鼻炎に効く処方薬を教えてください。

A1.病院でしかもらえない内服の処方薬としては、抗アレルギー薬の「ビラノア」、「ザイザル」、「デザレックス」、「ルパフィン」などがあります。アレグラやフェキソフェナジンなどは医療用の処方薬もありますが、市販でも入手可能です。また、点鼻薬の処方としては主に「アラミスト」、「ナゾネックス」などがあります。(2025年6月現在)

Q2.鼻炎がひどい時の対処法はありますか。

A2.まずは症状に合わせた内服薬を服用し、鼻炎症状がひどい時には点鼻薬を併用するのが基本的な対処法となります。また、薬だけではなく、自分自身の生活環境を整えることも大切です。例えばアレルゲンが花粉やハウスダストなどであれば、アレルゲンとなっているものを避ける、除去するという点でマスクやメガネの装着、部屋や寝具のこまめな清掃を行うことは物理的に有効な対処法となります。鼻水・鼻づまりが続く場合は、部屋を加湿したり、お風呂に入って体を温めると鼻腔が温まり鼻の通りが良くなります。他に、鼻うがいを行って鼻をすっきりさせたり、漢方を使って体を温め血行を良くすることで鼻づまりを改善させていく方法もあります。鼻炎薬との併用については組み合わせにより良いものと悪いものがあるため、必ず医師や薬剤師に確認してから使用するようにしましょう。

Q3. 内服薬と点鼻薬の併用は問題ないでしょうか?

A3.Q2で回答したように症状がひどい時には、内服薬と点鼻薬を併用することで、症状をより緩和させることができます。ただし、成分が重複する場合、副作用が強く出ることもあるので注意が必要です。特に、抗ヒスタミンの成分が重複すると眠気が出やすくなる可能性もあります。

Q4.鼻炎薬の代わりに風邪薬を飲んでも問題ないですか?

A4.同じ鼻水でも、風邪から来る鼻水とアレルギー性鼻炎による鼻水とでは、原因が異なります。風邪薬には鼻水に有効な抗ヒスタミン剤も配合されていることが多いですが、それ以外にも解熱鎮痛成分や咳や痰に働きかける成分など色々な成分が総合的に配合されています。アレルギー性鼻炎による鼻症状のみであれば、風邪薬を摂取してしまうことで不要な成分も体内に多く取り入れてしまうことになるため風邪薬を代用することはやめた方がよいでしょう。反対に、風邪から来る鼻症状で他に諸症状が特にない場合、効果・効能の箇所に「急性鼻炎」の表示がある鼻炎薬であれば使用も可能ではあるようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
現在は市販で購入できる鼻炎薬のバリエーションがとても豊富です。ひとえに鼻炎薬といっても、内服薬の他に外用として点鼻薬・点眼薬といった薬の形態も多く、併用する場合は自分で薬を選択することになるため有効成分や注意事項などをきちんと確認する必要があります。不安がある場合はドラッグストアにいる薬剤師に相談しながら選ぶと安心できるでしょう。

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