【掲載日】2023/04/10

うつ病の自己診断テスト あなたのうつ状態をチェック

最近よく落ち込むことがある、気分が滅入る、何もする気が起きない・・・など「もしかしたらうつ病かも?」と思うことはありませんか?
ここでは、うつ病の概要や、簡易的な自己診断テストをご紹介していきます。

うつ病とは?

うつ病は、気分障害の一つで、一日中気分が落ち込みやる気が出ないといった精神症状とともに、不眠や食欲低下、疲れやすいなど身体症状が現れる病気です。気分障害は大きく分けて、うつ状態だけがみられるいわゆる「うつ病」(大うつ病性障害)と、躁状態(異様なハイテンションや異常なほどの気分の高揚)とうつ状態が繰り返される「躁うつ病」(双極性障害)に分けられます。
この二つは、同じ気分障害でも治療法が異なります。双極性障害は、うつ病と間違われやすく本人も気づかないケースが多いため、セルフチェックも大切ですが、普段と違う様子がなかったかなど、周囲の人の気づきも大切になってきます。

鬱病(うつ病)とは

簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)とは?

16項目の自己記入式評価尺度で、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-IVの大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準に対応しています。睡眠、食欲、体重、精神運動状態に関する項目について設問に答えていくことで、うつ病の重症度を簡易的に評価することができます。
選択項目によって点数が加算され、合計点によりその尺度がわかります。

うつ病の自己診断テスト(簡易抑うつ病尺度「QIDS -J」に基づく診断)

全16問
【睡眠に関する項目】(➀~④)の各設問の中で最も高い点数を加算
【食欲・体重に関する項目】⑥~⑨の各設問の中で最も高い点数を加算
【精神運動状態に関する項目】⑮⑯の各設問の中で最も高い点数を加算
【それ以外】(⑤、⑩~⑭)の各設問で当てはまる回答の点数をそれぞれ加算

【睡眠に関する項目】
➀ 寝つき
0.問題ない(寝つくのに30分以上かかるようなことはない)。
1.寝つくのに30分以上かかることもあるが、1週間の半分以下である。
2.寝つくのに30分以上かかることが、週の半分以上ある。
3.寝つくのに60分以上かかることが、週の半分以上ある。

② 夜間の睡眠
0.問題ない(夜間に目が覚めるようなことはない)。
1.眠りが浅く、何回か短時間、目が覚めることがある。
2.毎晩少なくとも1回は目が覚めるが、短時間でまた眠ることができる。
3.毎晩1回以上目が覚め、そのまま20分以上眠れないことが、週の半分以上ある。

③ 早く目が覚めすぎる
0.問題ない(または、ほとんどの場合、目が覚めるのは起きなくてはいけない時間の、せいぜい30分前である)。
1.週の半分以上、起きなくてはならない時間より30分以上早く目が覚める。
2.しばしば、起きなくてはならない時間より1時間以上早く目が覚めてしまうが、また眠ることができる。
3.起きなくてはならない時間よりも1時間以上早く起きてしまい、もう一度眠ることができない。

④ 眠りすぎる
0.問題ない(夜間、眠りすぎることはなく、日中に昼寝をすることもない)。
1.24時間のうち、昼寝を含めて眠っている時間は、10時間ほどである。
2.24時間のうち、昼寝を含めて眠っている時間は、12時間ほどである
3.24時間のうち、昼寝を含めて12時間以上眠っている。

○上記➀~④の睡眠に関する項目での一番高い点数 (    )点

⑤ 悲しい気持ち
0.悲しいとは思わない。
1.悲しいと思うことは、半分以下の時間である。
2.悲しいと思うことが、半分以上の時間ある。
3.ほとんどすべての時間、悲しいと感じている。

○上記⑤で該当する回答の点数 (    )点

【食欲・体重に関する項目】
⑥ 食欲低下
0.普段の食欲と変わらない、または、食欲が増えた。
1.普段よりいくぶん食べる回数が少ないか、量が少ない。
2.普段よりかなり食べる量が少なく、食べるよう努めないといけない。
3.まる1日ほとんどものを食べず、無理をしてでも食べようと自分で言い聞かせたり、誰かに食べるよう説得されたときだけ食べることができる。

⑦ 食欲増進
0.普段の食欲と変わらない、または、食欲が減った。
1.普段より頻回に食べないといけないように感じる。
2.普段と比べて、常に食べる回数が多かったり、量が多かったりする。
3.食事の時も、食事と食事の間も、何かを食べたいという衝動にかられている。

⑧ 体重減少(最近2週間で)
0.体重は変わっていない、または、体重は増えた。
1.少し体重が減った気がする。
2.1キロ以上やせた。
3.2キロ以上やせた。

⑨ 体重増加(最近2週間で)
0.体重は変わっていない、または、体重は減った。
1.少し体重が増えた気がする。
2.1キロ以上太った。
3.2キロ以上太った。

○上記⑥~⑨の食欲・体重に関する項目での一番高い点数  (    )点

⑩ 集中力・決断
0.集中力や決断力は普段と変わらない。
1.ときどき注意が散漫になったり、決断しづらくなっているように感じる。
2.ほとんどの時間、注意を集中したり、決断を下すのに苦労する。
3.ものを読むこともできなかったり、ちょっとしたことですら決められない。

○上記⑩で該当する回答の点数 (    )点

⑪ 自分についての見方
0.自分は、他の人と同じくらい価値がある人間だと思う。
1.普段よりも自分を責めがちである。
2.自分が他の人に迷惑をかけていると、かなり信じている。
3.ほとんどいつも、自分の大小の欠陥について考えている。

○上記⑪で該当する回答の点数 (    )点

⑫ 死や自殺についての考え
0.死や自殺について考えることはない。
1.人生がむなしいように思え、生きている価値があるかどうか疑問に思う。
2.自殺や死について、1週間に数回、数分間にわたって考えることがある。
3.自殺や死について1日に何回か細部にわたって考える。または、具体的な自殺の計画を立てたり、実際に死のうとしたりしたことがあった。

○上記⑫で該当する回答の点数 (    )点

⑬ 一般的な興味
0. 他人のことやいろいろな活動についての興味は普段と変わらない。
1. 人々や活動について、普段より興味が薄れていると感じる。
2. 以前好んでいた活動のうち、一つか二つのことにしか興味がなくなっていると感じる。
3. 以前好んでいた活動に、ほとんどまったく興味がなくなっている。

○上記⑬で該当する回答の点数 (    )点

⑭ エネルギーのレベル
0. 普段のエネルギーのレベルと変わりない。
1. 普段よりも疲れやすい。
2. 普段の日常の活動(例えば、買い物、宿題、料理、出勤など)をやり始めたり、やりとげるのに、大きな努力が必要である。
3. ただエネルギーがないという理由だけで、日常の活動のほとんどが実行できない。

○上記⑭で該当する回答の点数 (    )点

【精神運動状態に関する項目】
⑮ 動きが遅くなった気がする
0. 普段どおりの速さで考えたり、話したり、動いたりしている。
1. 頭の働きが遅くなっていたり、声が単調で平坦に感じる。
2. ほとんどの質問に答えるのに何秒かかかり、考えが遅くなっているのがわかる。
3. 最大の努力をしないと、質問に答えられないことがしばしばである。

⑯ 落ち着かない
0. 落ち着かない気持ちはない。
1. しばしばそわそわしていて、手をもんだり、座り直したりせずにはいられない。
2. 動き回りたい衝動があって、かなり落ち着かない。
3. ときどき、座っていられなくて歩き回らずにはいられないことがある。

○上記⑮⑯の精神運動状態に関する項目での一番高い点数  (    )点

●上記9項目の合計点数 (    )点

◆採点方法
睡眠についての項目(第1~4項目)、食欲/体重に関する項目(第6~9項目)、精神運動状態に関する2項目(第15、16項目)は、それぞれの項目で最も点数が高いものを1つだけ選択して点数化します。それ以外の項目(第5、10、11、12、13、14項目)は、それぞれの点数を書き出します。
うつ病の重症度は、睡眠、食欲/体重、精神運動、その他 6 項目を合わせて 9 項目の合計点数(0~27点)で評価します。原版 QIDS では、点数と重症度は下記のようになっています。

0~5 正常
6~10 軽度
11~15 中等度
16~20 重要
21~27 きわめて重度

自己診断テストの点数の見方

上記の簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)は、各項目が大うつ病性障害の症状に対応しており、セルフチェックで簡易的にうつ症状の評価ができます。合計点を算出することでうつ状態の変化を見ることができ、6 点以上の場合にはうつ病の可能性がありますので、まずは医療機関に相談してみるのが良いでしょう。

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まとめ

厚生労働省の調査によると、うつ病等の総患者数は、平成8年で43.3万人だったところ、平成29年には127.6万人と3倍近くまで増加しています。(厚生労働省:こころの病気の患者数の状況
うつ病の発症原因は明確には判明していませんが、環境の変化によるストレスや身体の病気などを背景として、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じることが少なからず原因としてあるようです。
「もしかしたらうつ病かも」と思ったら、まずはここで紹介した簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)を使ってセルフチェックをしてみましょう。本人の自覚がなく気づいていない場合は、家族や周囲の人から見て、あてはまるものがないか参考にしてみてください。うつ病は、しっかりと休養をとり環境を整えた上で治療に取り組むことが大切です。症状により精神科もしくは心療内科のクリニックで早めに専門家に相談しましょう。

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