【掲載日】2016/08/02 【最終更新日】2016/11/25
気管支喘息について
気管支喘息って何?
喘息とは空気の通り道である気管支の病気です。喘息の人の気管支は非常に過敏で、さまざまな原因(アレルゲン、ウイルス感染等)によって気管支の粘膜が腫れたり、気管支の筋肉が縮んでしまったりして気管支が細くなってしまいます。
この細くなった気管支内腔を空気が通り抜ける時に、笛を吹くのと同じようにヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴が聞かれ、呼吸が苦しくなる病気です。
喘息は発作が起きるととても苦しい病気ですが、発作がおさまれば普段と変わらない生活ができるのが特徴です。
しかし、発作がない時にも気管支は慢性的にアレルギー性の炎症が起こっていますので、炎症をおさえる治療を継続することが必要です。放置すると気道壁が厚く硬くなる構造的変化が発生し、喘息の重症化の恐れがあります。
気管支喘息の原因
気管支喘息は、気管支に炎症を引き起こす原因によって、アレルギー型と非アレルギー型に大別されます。
アレルギー型というのは、アレルギーの原因物質が体内に侵入することで、喘息発作を起こします。そのアレルゲンには吸入性抗原であるハウスダストや花粉類、あるいはカビ、犬や猫の毛、ホコリ、ダニなどもあげられます。
アレルギー体質は、高い確率で遺伝するとされ、家族や親族に アレルギー性疾患をもった人間いると、喘息を発症しやすいとされています。
アレルギーは喘息と特に関わりが深く、子供や大人のぜんそく患者のおよそ5割が、アレルギー性鼻炎を合併しているという報告があります。つまり、そのような人は喘息の治療だけでなくて、アレルギー性鼻炎の治療も並行して行うと喘息の症状が改善すると言われています。
また非アレルギー型は、アレルギー以外の原因によって発症するタイプを指します。自律神経失調やホルモンの分泌の乱れが原因とされています。
または、季節の変わり目に起こる急激な温度の変化や精神的ストレスのほか、工場の排煙や車の排気ガスなどによる大気汚染、身近ではタバコの煙、建材や殺虫剤に含まれる化学物質、食品添加物などが発作の引き金として影響しています。
気管支喘息の症状と診断
気管支ぜんそくは、急に呼吸、特に吐く息が苦しくなり、ゼイゼイ・ヒューヒュー鳴る発作性の呼吸困難を主な症状とする疾患です。
気道の慢性的な炎症によって起こり、気管支に炎症が生じることで、気管支の周囲をとりまいている平滑筋(筋肉)が痙攣を起こして収縮、内腔が狭くなります。
同時に、気管支の粘膜にむくみが生じ、粘膜からの分泌物がたまったりすることで、ますます空気の通りが悪化し、喘鳴や呼吸困難が起こります。
喘息発作は多くの場合、夜中から明け方にかけて起こり、日中はおさまる傾向があります。発作のないときはほとんど正常ですが、いったん発作がおこると、様々な症状があらわれることが多いです。
酸素不足のため血液がうっ血し、顔色はまっさお、唇や爪が 紫色になり、ゼイゼイという喘息特有の端鳴と呼吸困難がひどくなり、ときには就寝が困難になることもあります。
気管支喘息の治療
喘息には大きく分けて2つの治療方法があります。
喘息の原因が解明されてから、喘息の治療方法も大きく変化しています。以前は発作時に対応するための対症療法が中心でしたが、今では、気管支の慢性の炎症に対しての予防的治療が重視されるようになっています。
予防的治療が重視されている理由は、喘息の人は発作がない状況であっても気管支には炎症があるため、炎症を起さないように日常的に治療することが大変重要と考えられているからです。
■薬物療法
喘息は糖尿病や高血圧などと同じ慢性の疾患です。しかし、正しい治療を受けることにより、症状をコントロールすることはでき健康な人と何ら変わりのない日々を過ごすことができるのです。
一番気をつけなければならないことは、自分で「喘息が治った」という思いこみ、医師の了解を得ることなく、本人が勝手に処方された薬を服用しなくなることです。
特に、発病初期の不十分ともいえる治療は、その後の経過を悪化させてしまうことになりますので、必ず医師の指示通りの薬を指示通りの方法で服用することが喘息治療の最大のポイントです。
・吸入ステロイド薬
吸入ステロイド薬が現在では、喘息治療の第1選択として用いられています。
抗炎症作用の力を他のどの薬よりも強く持ち、予防的治療の主体となっています。
喘息の吸入治療用に特別に作られたステロイド薬で、全身性の副作用はないようです。
ステロイドという名前に嫌悪感を持つ人もいるでしょうが、 医師の指示通りに使えば、心配はありません。 口の中や舌が荒れる口内炎などの副作用は、 正しい吸入方法で防ぐことが可能です。
・経口ステロイド薬
気管支の炎症を早急に抑えこみ、喘息には非常に効果的な薬であるといえます。
2週間程度という短期間であれば、大量に飲んでもあまり心配はいりません。
長期間使用してしまうと、高血圧や糖尿病、肥満、免疫力の低下、骨粗しょう症などの副作用が出てくる可能性がありますので、 医師の処方を正しく守ることが重要です。
・抗アレルギー薬
気道の炎症を抑える作用をもっています。 主にアレルゲンがはっきりしているアトピー型喘息に使用されています。
吸入ステロイド薬同様、突然起こる発作を静めることができる働きは持っていません。
喘息の治療に用いられる抗アレルギー薬に、抗ヒスタミン作用があるものとないものあります。
抗ヒスタミン作用のある薬は、副作用として眠気や倦怠感を伴うものがありますので服用の際には注意が必要です。
・気管支拡張薬
発作が起きた時に狭くなった気管支を広げ、空気の通りをよくすることで、呼吸を楽にする作用があります。
最近、効き目が長時間持続する薬が登場したこともあり、予防的治療にも使われることが多くなってきました。
動悸、手のふるえ、頭痛などの副作用を伴うことがありますので注意が必要です。
■予防的治療
【ダニなどに対するアレルギー対策】
最も代表的なアレルゲンは室内のほこりであり、主成分はダニと言われています。
ダニは高温多湿を好み、6月から10月は特に注意が必要。
ダニを寄せ付けないためには、
1.湿気がたまらないように、部屋の風通しを日常化する。
2.週1回、ふとんにも掃除機をかける。
3.じゅうたんや毛布、羽毛ふとんはできるだけ使用を避けて、掃除を頻繁に行う。
4.花粉の飛ぶ時期は、外出時にマスクをする。
5.ペットを室内で飼わない。
などが効果的とされています。
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