【掲載日】2018/06/28   【最終更新日】2021/06/30

高血圧とは?原因や対策方法、合併症のリスクなどを解説

血圧が上がるメカニズムや原因となる生活習慣について

高血圧は、自分では気づきにくく、知らないうちに進行してしまう病気です。悪化するにつれて、脳や心臓、腎臓などに影響し、将来的に脳卒中や心臓病などを引き起こす可能性があります。血圧が上がりやすい人や、すでに高血圧と診断されている人は、できるだけ早い段階で、対策を行う方がよいでしょう。

とはいえ、どのような対策が効果的なのかは、人によって異なります。まずは、高血圧になってしまう仕組みを理解し、自分に合った対処法を見つけてみましょう。

目次

・高血圧とは
 – 高血圧の定義
 – 収縮期血圧と拡張期血圧
 – 高血圧の基準値
・高血圧の症状
・血圧が上がるメカニズム
 – 全身の血液量が増える
 – 心臓からの血管へ送られる血液量が多くなる
 – 血液が流れるときの抵抗
 – 血液の粘り気が強い
・日常生活が原因の高血圧
 – 塩分の摂りすぎ
 – カリウム・カルシウム不足
 – 肥満
 – 喫煙とアルコール摂取
 – ストレスが多い生活
 – 運動不足
 – 過労
 – 老化
・病気が原因の高血圧
 – 腎血管性高血圧
 – 睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群)
・高血圧がもたらす病気のリスク
 – 高血圧症
 – 動脈硬化
 – 脳卒中
 – 心筋梗塞などの心疾患
・高血圧の治療・対策方法
 – カロリーと塩分が控えめな食事
 – カリウムの摂取
 – 適度な運動
 – アルコールは適度に
 – 禁煙
 – 睡眠の質を高める
・まとめ:高血圧の改善は生活習慣の見直しから

高血圧とは

まず、高血圧とはどういうものなのか、その定義や基準値について理解するところから始めましょう。

高血圧の定義

中高年世代10人中3~4人は高血圧と言われ、高血圧の総患者数は993万7,000人( 平成29年)にのぼります。
私たちの身体は、運動や環境の変化によって、常に血圧が上下しており、一時的な血圧上昇は誰でも起こりえることです。しかし、安静な状態であっても、慢性的に血圧が高い状態が続いた場合には「高血圧」と診断されます。
血圧とは血管の内側にかかる圧力を測定したもので、高血圧の状態が続くと、血管に負担をかけ、動脈硬化のリスクが高まります。さらには、脳卒中や心臓病、腎臓病などのリスクが高くなるため、早い段階で血圧コントロールを行うことが大切です。

収縮期血圧と拡張期血圧

心臓が収縮して血液が送り出されているときの最も高い血圧を「収縮期血圧」(上の血圧)、心臓に血液が戻ってきているときの最も低い血圧を「拡張期血圧」(下の血圧)と呼びます。

高血圧の基準値

では、実際に「血圧が高い」とは、どの程度の数値を指すのでしょうか。
高血圧と診断する基準は日本高血圧学会によって定められたもので、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超え、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを高血圧症と呼びます。
ただし、高血圧にも3つの段階があり、段階ごとにリスクの違いが指摘されています。正常範囲も含めて、以下の表で確認してみましょう。

 

正常

正常高値

Ⅰ度高血圧

Ⅱ度高血圧

Ⅲ度高血圧

最高血圧

130mmHg


130140mmHg

140160mmHg


160180mmHg


180mmHg

最低血圧

85mmHg


8590mmHg

90100mmHg


100110mmHg

110mmHg

Ⅰ度高血圧より、高血圧と診断されるものの、最初は生活習慣の見直しなどで改善を図ることになります。さらに悪化してⅡ度高血圧になると、薬の使用も含めた治療が必要です。
高血圧は、自覚症状が少なく、知らないうちに進行してしまいます。健康状態を確認するためにも、血圧チェックを定期的に行いましょう。

血圧測定値の注意点

血圧を測定する際、自分で自宅で測ると正常だが、病院で医師に測定してもらうと高い血圧が測定される場合があります。
白衣の医療スタッフの前では緊張してしまい、普段より血圧が高く測定されることを『白衣高血圧』と呼びます。この場合には降圧薬は原則として必要ありません。
自身で測定した場合の高血圧基準はおよそ「135/80 mmHg 以上」と言われています。

また、自己測定で高血圧の値が測定され、医師の測定でさらに高い値の場合を『白衣現象』と呼びます。『白衣現象』が大きい人で、診察室で測った血圧値しかない場合、医師が降圧薬の効果が不十分と判断して薬を増やし、ふだんの血圧が下がりすぎてしまう危険があります。

高血圧の症状

測定値では高血圧症であってもほとんど自覚症状がないことが多く、目立った症状がないうちに発症し進行していきます。身体に影響を及ぼす症状として肩凝りや頭重感、めまい、動悸、息切れなどがあります。
また、高血圧症の状態を放置していると、血管の壁に常に圧力がかかっている状態になるため血管が硬くなる動脈硬化が起こり、脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞、慢性腎臓病などの重大な病気につながることもあります。
いずれも自覚症状がほとんどないので、普段から血圧を測る習慣をつけることが大事です。

血圧が上がるメカニズム

健康な人であっても、一時的に血圧が上がることはあるものの、ホメオタシス(生体恒常性)によって、できるだけ一定に保とうとする体内コントロールが行われています。高血圧になるとコントロールができず、血圧を下げることができない状態です。その理由は人によって異なるものの、大きく以下の4つに分けられます。

全身の血液量が増える

まず1つ目が、身体を循環する血液量の影響を受けている場合です。私たちの身体は、栄養や酸素を運ぶために全身に血管がつながっており、常に血液が循環しています。通常、一定の量に保たれていますが、塩分の摂り過ぎや腎臓の不調などによって血液中の水分が増えてしまうと、その分、血管に負担がかかり血圧が上がってしまいます。

心臓からの血管へ送られる血液量が多くなる

2つ目は、心臓の収縮で送りだされる血液量の影響で高血圧となる場合です。ハードな運動や塩分の摂り過ぎなどによって、心臓が一回で送りだす血液量が増えてしまうことがあります。多くの血液が一度に流れることが、血圧が上昇します。

血液が流れるときの抵抗

3つ目は、末梢血管抵抗と呼ばれる血圧への影響です。毛細血管に血液を流そうとしているのに、先の血管が狭くなっていたり、収縮して流れにくくなっていたりすると、先端まで血液を流そうとして圧を高めてしまいます。若年層の高血圧に多い原因です。

血液の粘り気が強い

最後に考えられるのが、血液の状態によって起こる血圧上昇です。いわゆるドロドロ血液になっていると、血管内でスムーズに流れることができず、身体は圧を上げて血液を流そうとします。その結果、高血圧の状態が続きます。

日常生活が原因の高血圧

上述したような血圧上昇を招く仕組みはわかっているものの、実は高血圧を起こしてしまう根本的な原因は明確になっていません。しかし、影響していると考えられる要因として、以下のような点が挙げられています。

塩分の摂りすぎ

濃い味が好きな人は、塩分を摂りすぎる傾向にあり、血中のナトリウム量が増えることになります。ナトリウムが増えれば、血液中のバランスが崩れてしまうため、身体は調整しようと水分を多く取り込んでしまうのです。全体の血液量が増えることで、血管に負担をかけ、血圧を上げる結果につながります。

カリウム・カルシウム不足

多少の塩分をとったとしても、健康な状態であれば、塩分を排出して安定した血圧を維持しています。血中に含まれる塩分のバランスを調整するために必要なのが、カリウムです。野菜や果物などに多く含まれるため、普段の食生活でそういった食材を食べる機会が少ない人は、高血圧になりやすい傾向があります。加えて、カルシウム不足の場合にも、血液の流れが悪くなり、血圧上昇を招きます。魚や乳製品などを取る機会が少ない人は、高血圧になるリスクが高くなるでしょう。

肥満

肥満の人に多い脂肪細胞は、血管を収縮する物質を分泌しています。血管が細くなることで、圧がかかり、高血圧を招きます。

喫煙とアルコール摂取

アルコールは一時的には血流をよくし、血圧を下げる効果もみられますが、飲みすぎると反対に血圧を上げます。また、飲みすぎの状態が続くと、心疾患のリスクが急速に高くなります。
喫煙をすることでも一時的に血圧が上昇します。また、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中の原因となることがわかっています。さらに、メタボリックシンドロームの重要な危険因子でもあります。高血圧の方は適切な飲酒量を理解し、タバコの本数を控えたり禁煙をすることで改善につながります。

ストレスが多い生活

ストレスも、血圧上昇のきっかけをつくるものです。精神的なストレスは、脳疲労を起こし、血圧コントロールをつかさどる自律神経にも悪影響を与えてしまいます。また、冷えや睡眠不足といった肉体的なストレスも、同様です。

運動不足

運動不足が続いてしまうと、血行不良になりがちです。血流が悪くなってしまうと、全身に血液を運ぶことが難しくなるため、身体は血液量を増やして、末端まで届くよう対処しようとします。血流が悪いまま、血液量だけが増えることで、血管に圧がかかり、高血圧を起こします。

過労

疲労がピークを迎えているにもかかわらず、無理に動こうとすれば、さらにたくさんのエネルギーを用意して、効率よく体力をカバーするしかありません。生命を維持するために使われる酸素や栄養の必要量も増え、その分、血液量も増えていきます。心臓の負担も大きくなり、心拍数も増えることになるでしょう。血液量と心拍数の増加によって、血糖値上昇を招いてしまいます。

老化

老化も、高血糖を起こす要因のひとつです。年齢とともに、血管は細くなりやすく、血管壁も薄くなります。すると、血流が悪くなり、血液を末端まで届かせるためには、血圧をあげて対処するしかありません。

病気が原因の高血圧

血圧の上昇の原因が明らかな場合を「二次性高血圧」と呼び、特に若年層の高血圧患者の大半がこちらに該当すると言われています。「二次性高血圧」は高血圧全体の10%未満にすぎず、腎臓への動脈が狭くなって起こる腎血管性高血圧や、血圧を上げるホルモンの過剰によって起こるものがあり、これらは原因を取り除くことで治療できます。
関連する代表的な病気を2つご紹介しましょう。

腎血管性高血圧

若い女性や、中高年の急激な血圧上昇が起こったときに考えられるのが「腎血管性高血圧」です。腎臓につながっている血管が狭くなってしまい、血液の循環を高めるために高血圧を引き起こします。比較的、高い数値が出やすく、若年層では大動脈炎症候群といった難病を併発しやすいのも特徴的です。治療法として血管の拡張手術が行われることも多く、手術が成功すれば、血圧も落ち着きます。

睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群)

2018年5月、京都大学が発表した「ながはまコホート」では、睡眠呼吸障害によって高血圧のリスクが高まることが報告されています。睡眠呼吸障害があると、睡眠の質が低下し、十分な疲労回復ができないため、精神的、肉体的なストレスを抱えることになります。同時に、本来は安定すべき夜間の血圧が上昇しやすくなるため、一日を通して血圧のコントロールがうまくいきません。睡眠呼吸障害があると、高血圧だけでなく、心臓にも負担をかけてしまうため、心疾患のリスクも上昇するとされています。

高血圧がもたらす病気のリスク

どんな原因であっても、血圧が高い状態が続けば、身体には大きな負担をかけることになります。高血圧そのものは、自覚症状が少なく、別の病気が判明した時に、高血圧との関連に気付くケースも少なくありません。高血圧が悪化した時に引き起こす疾患には、以下のようなものがあります。

高血圧症

高血圧症は、そのまま、高血圧が引き金となっておこる症状です。頭痛やめまいを伴うこともありますが、多くは自覚症状がなく、いつのまにか進行してしまいます。高血圧に伴う症状としては、軽度といえますが、放置してしまうと、さまざまな合併症が起こる可能性が高くなるため、この時期に早期発見ができるのが理想的です。

動脈硬化

高血圧が悪化してくると、最初に起こりやすいのが動脈硬化です。圧がかかり続けた血管は傷がつきやすく、血管壁の修復が必要になります。このとき、身体は血液中にあるコレステロールなどを集め、傷ついた部分を保護しようとします。修復された血管は、壁が厚くなり、血管が細くなります。同時に、血管が本来持っていた柔軟性を失うことになり、血管が固くなってしまうのです。こうした状態を「動脈硬化」といいます。
動脈硬化があると、血流も悪くなり、さらに高血圧が悪化するという悪循環が生まれてしまうのです。

脳卒中

高血圧から引きおこる動脈硬化は、発生する部位によって、更なる合併症を招きます。たとえば、脳の血管で動脈硬化が起これば、脳の血流が悪くなり、ひどい場合には「脳卒中」を起こす可能性があります。脳梗塞(のうこうそく)や脳出血、くも膜下出血などは、障害が残ったり、生命に関わったりする大変な病気です。

心筋梗塞などの心疾患

同様に、心臓の血管に動脈硬化が起これば、心疾患のリスクを高めてしまいます。たとえば、心筋梗塞(しんきんこうそく)は、心臓にある冠動脈に動脈硬化が起こり、狭くなった血管に血液が詰まることで、心臓への血流が止まるという命にかかわる病気です。そのほか、狭心症や心不全などを起こす可能性もあります。

高血圧の治療・対策方法

生活習慣などが悪化要因とみられる高血圧症の場合は、血圧上昇につながる生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせて行います。
軽度の高血圧症の場合は生活習慣改善で血圧が正常になる場合もありますが、食事と運動だけで改善が見られない場合は降圧薬を服用します。降圧薬には、血管を広げる働きのあるカルシウム拮抗薬、血圧を上げるホルモンの働きを抑制するACE阻害薬やARB、循環する血液量を減らす利尿薬、交感神経が過剰に働くことを抑えるβ遮断薬などがあり、症状に応じて複数の薬を組み合わせます。
生活習慣の見直しと降圧薬をうまく組み合わせることで効率良く血圧を下げる効果が期待できますので、高血圧の悪化予防に役立つ生活習慣の改善方法として、以下のようなもの見直してみましょう。

カロリーと塩分が控えめな食事

暴飲暴食や塩分が多い食事は、血液の質を低下させ、血液量が増える原因となり、結果的に高血圧を招きます。日本人の食塩摂取量は1日平均約13gと言われ、人類にとっての必要最低限の食塩摂取量はそれよりはるかに少なくてよいのです。食塩制限1gあたり、個人差はありますが血圧は「0.5~1」下がると言われています。
高血圧の人は平均6~8gが良いと言われています。
例えば日本人の食事の材料には、1日約2gの食塩が含まれており、調理や食事中に使う食塩、しょうゆ、みそなどからの塩分を4~6gに抑える必要があります。
また、加工食品のなかにはナトリウムの量を表記し、食塩量は書いてないものがあります。
この場合はナトリウム量を2.5倍すれば、食塩の量に換算できます。

カリウムの摂取

体内の重要なミネラルの一種であるカリウムは、野菜、果物、豆、いも類に多く含まれていて、摂取が多いと血圧を下げる働きがあり、逆に摂取が少ないと、血圧を上げるように働きます。また、調理の過程でゆでたり煮たりすると食材から成分が出てしまうため、調理法を工夫しましょう。このほか、腸から吸収されない食物繊維、カルシウム、マグネシウムを多く含む食物も血圧を下げるのに好ましいとされています。

適度な運動

血圧を安定させるためには、血流改善につながるような運動療法が効果的です。ただし、すでに高血圧と診断されている場合には、負荷の強いハードな運動は避け、ウォーキングやヨガ、軽い水泳など無理なく全身を動かせるものがよいでしょう。

アルコールは適度に

一般的に健康の目安となる摂取量は、男性で日本酒1合、ビールなら中ビン1本、焼酎なら半合弱とされています(女性は半分〜3分の2程度)。

禁煙

タバコを吸う事で、交感神経の活動が活発になり、血管が収縮します。慢性的に続くと、動脈硬化が促進され、その結果高血圧に至ります。それを防ぐために、禁煙が高血圧の予防・改善になります。

睡眠の質を高める

血圧を安定させるためには、身体が安静にできる時間が必要であり、そのためには質の高い睡眠をとることが欠かせません。早寝早起きを心がけ、リラックスできる時間を作りながら、寝不足にならないように注意しましょう。いびきなどが顕著で、睡眠呼吸障害の可能性が高い場合には、専門医に相談してみましょう。

まとめ:高血圧の改善は生活習慣の見直しから

高血圧は、自覚症状がなく、いつの間にか進行してしまう病気です。定期的な検診を受けるとともに、高血圧の可能性があるのであれば、早期対策が改善のカギを握ります。高血圧予防のためにも、日頃のストレス解消とともに、食事や運動の習慣を見直して、健康な身体を維持したいですね。

 

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