【掲載日】2021/09/17   【最終更新日】2023/05/18

水疱瘡とは?原因・症状・治療法・予防法などを詳しく解説

水疱瘡の症状とは?

水疱瘡の初期症状から治癒まで

10歳以下の子どもによく見られる感染症で、胸や背中をはじめ顔や口内など全身の皮膚に水ぶくれを伴う赤くてぼつぼつした痒みの強い発疹が発症します。微熱を伴う場合もあり、特徴的な症状のためすぐに水疱瘡だと判断しやすい症状です。

水疱瘡の症状

発症後1週間程度患部に強い痒みがあるため、特に子どもの場合は発疹や水ぶくれを掻きむしってしまい、跡が残ってしまいがちです。その後、患部はかさぶたへと変化し、発症後3週間程度でかさぶたが剥がれ落ち、自然に治癒されます。
なお、成人でも発症することがあり、発疹前から全身の倦怠感や子どもが発症した場合より高い熱も見られ、発疹はより痒みが強くなることが多く、さらに重症化すると、脳炎や肺炎などを合併することもります。

水疱瘡の合併症のリスクは?

新生児、成人、免疫機能が著しく低下している人、特定の病気をもつ人などは、水痘による合併症のリスクが高くなります。具体的には、生まれつき遺伝的に免疫機能に異常があったり、白血病により免疫機能が低下している方、水疱瘡の罹患歴がなく、水痘ワクチンを受けたこともない妊婦や、母親が出産直前に水痘を発症し、その後産まれた新生児などです。
主な合併症としては肺炎による重度の咳と呼吸困難、脳炎による歩行困難や自立神経への異常が挙げられます。
肺炎(水痘肺炎)は子どもの罹患率は低いですが、成人の場合約400人に1人の割合でウイルスが肺に感染し、肺炎を発症します。特に水疱瘡の抗体を持っていない妊婦が罹患した際にリスクが高まり、場合によっては死に至ります。
脳への感染は肺炎よりもさらに発症率が低く、米国では水疱瘡患者1000人中、1~2人が脳炎となります。また、水疱瘡に感染した小児がアスピリンを服用した際に、まれにライ症候群と呼ばれる非常に重い合併症を引き起こし、脳の炎症や腫れ、肝機能異常をもたらします。

水疱瘡の原因と感染経路

水疱瘡は「水痘帯状疱疹ウイルス」という極めて小さなヘルベスウイルスの一種が原因で発症します。
感染者の咳やくしゃみなどにより、空気中に漂ったウイルスを吸い込むことで感染する空気感染や、感染者を介抱している際に発疹に触れたり水ぶくれをつぶして汁に触れたりする接触感染が主な経路です。
感染力は非常に強く、同室内での空気感染は10人に1人感染するといわれており、発疹がかさぶたになりかける頃まで接触感染する恐れがあります。

水疱瘡の検査方法

発熱を伴う発疹が見られる場合や、発疹の出方、水膨れやかさぶたの有無を医師が診察します。症状が特徴的なため、このような場合は水疱瘡とほぼ容易に特定できます。また、重症化している場合や合併症の可能性がある場合は、必要に応じて血液検査や潰瘍から採取したサンプルの検査を行います。

水疱瘡の治療方法

水疱瘡は自然に症状が治まるため、発熱や発疹のかゆみといった症状を緩和させる対症療法を行います。
一般的に市販の解熱剤を服用したり、タオルなどで保冷剤を包み患部に当ててかゆみを緩和させるなどで症状を軽減できます。

薬による治療

かゆみが強い場合には医師の診断のうえ、かゆみを抑えるための「抗ヒスタミン薬」や、発症初期の段階でウイルスの増加を防ぐために「アシクロビル」という抗ウイルス薬が処方されることがあります。

家でのケアのポイント

自己免疫力を上げるために、適切な食事や睡眠をとることも効果があります。
入浴自体は問題ないですが、お風呂の水を介して感染がひろがる可能性があるため入浴は避け、タオルで優しく拭うなど水ぶくれを潰さないように洗います。また、使用済みのタオルは接触感染を避けるために使い回さないようにしましょう。

水疱瘡の予防方法

水痘ワクチンの予防接種を受ける

平成26年10月1日から水痘ワクチンの定期接種が可能になったため、特に乳幼児(1歳3ヵ月までに)は必ず1回目の接種をしましょう。1回接種で水疱瘡の発症を80%以上減らすことができ、重症化をほぼ100%防ぐことができるとされています。また、計2回の接種によりその効果はほぼ一生続くと言われています。2回目の接種は、1回目の接種から3月以上経過してから行いますが、標準的には1回目接種後6月から12月まで経過した時期に行います。

予防接種を受けていない場合の予防策は?

予防接種を受けておらず、かつ家族や周囲に水疱瘡にかかった人がいる場合、感染力が高いため接触の機会をできるだけ避けましょう。空気感染予防のためにマスクを着用したり、感染者の使ったタオルや食器は速やかにきれいに洗ったりするなどして予防をしましょう。

予防接種を受けていないときに水疱瘡の人と接触したら?

もし感染してしまった場合でも、速やかにワクチンを接種することで、72時間以内の発症率を90%防ぐことができると言われています。

水疱瘡が治ったらいつから登園・登校できるの?

水疱瘡は強い感染力があるため、学校保健安全法により第2種感染症に定められており、幼稚園・保育園・小学校などは医師の許可が出るまで登園、登校禁止となります。
水疱瘡と診断されると発疹がすべてかさぶた状になり、医師の診断において感染の恐れがないと認められるまで出席停止となります。
出席可能となるには、医療機関が発行する「登校許可書」が必要となる場合が多いため、症状が治りましたら医療機関に申請しましょう。

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