治験の協力費(謝礼)と税金の関係は?源泉徴収や所得税は発生する?

治験の協力費(謝礼)とは?

治験に参加する場合、指定された施設までの交通費や移動時間・施設内での所要時間など、参加されるボランティアの方にも少なからず何かしらの負担が生じます。 そのような治験参加者が被る不利益(=負担)を軽減する目的で、治験実施期間や医療メーカーから治験に参加された方にお支払いする負担軽減費のことを協力費(謝礼)と呼びます。

その際、所得税などの税金はかからず、ボランティアの方はあらかじめ決められた金額を満額受け取ることになります。また、治験はお仕事やアルバイトではないため、受け取ったお金は給料・報酬とは異なり、源泉徴収に関しても対象外となります。

治験ボランティアとバイト/アルバイトの違いについて

ただし、治験で受け取る協力費(謝礼)は雑収入とみなされ、手渡し・振込に関わらず他の雑所得と合わせて年間20万円を超えると確定申告の義務が生じます。

確定申告の対象となる場合

治験の協力費(謝礼)は、金額によっては確定申告が必要な場合もあります。特に、長期の入院治験などで、まとまった大きな金額の協力費を受け取った場合はご注意下さい。

◆会社員、フリーターなど、1か所から給与の支払を受けている方(年末調整をする方)
給与所得及び退職所得の他に、副業で得た収入があった場合、治験で受け取る協力費(謝礼)と合わせて雑収入といい、それらの雑収入から必要経費を引いた金額=雑所得となります。
そしてこの雑所得が年間で20万円を超えた場合には、確定申告が必要となります。

◆アルバイトの掛け持ちをしている方
2か所以上の給与所得がある場合、主たる給与支払い先で年末調整を行いますが、それ以外の収入については、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は確定申告は不要となります。
つまり、メインの給与以外に、他の給与所得と治験の協力費(謝礼)及びその他の雑所得が20万を超えた場合は確定申告が必要となります。

その他確定申告の対象となる場合についての詳細はこちら

上記の通り、治験で協力費を受け取ると、場合によっては税金の支払いが発生する可能性もありますが、治験参加で得られるメリットもあります。

治験参加のメリット

1. ていねいな診察が受診できる

経験豊富な治験担当医師による、よりていねいな診察を受けることができます。

2. 無料の健康診断

健康な方でも、無料で詳しい健康診断が受けられます。

3. 薬の更なる効果

現在流通している薬に比べて、更なる効果が期待できます。

4. 医療費が安くなる

通常の外来で通うより、医療費が安くなることがある。
(治験で使用するお薬や一部の検査について無償で提供されることがあります。)
※ただし、診察料、通常使用している薬剤、その他処置の費用は、通常の健康保険制度に従い自己負担となります。

5. 待ち時間の短縮

通常の外来で来ている患者さんよりも、「治験」に参加する患者さんの診察や検査を優先されやすいので、待ち時間が短くなることがあります。

6. 社会貢献

次世代に新薬を残すという形で社会貢献ができます。

治験参加のデメリット

1. 治験のスケジュールと実施場所

治験ごとに実施場所や、スケジュールが決められており、治験参加者はそれらに都合を合わせなければなりません。参加にあたる実施場所までの移動時間、交通費などの自己負担、治験開始時刻や終了時刻といった時間調整などが必要となります。

2. 治験参加時の注意事項

治験内容に支障や影響が出ないよう、参加時に様々な注意事項が設けられます。
日々の生活記録や食事および運動制限、検査時の拘束時間など決められた要項を遵守しなければなりません。

3. 治験薬の効果や偽薬(プラセボ)の使用

治験薬は既存薬との比較や、新薬開発にあたる重要な医学データの収集を目的としていることが多いため、治療や改善に期待される十分な薬効が得られない場合があります。
また、薬剤を使用したことで「治る」「良くなる」といった思い込みにより症状が軽減されるのを防ぐために、薬効のない偽薬(プラセボ)を投与するグループを設け、治験薬を投与するグループと比較検査する治験もあります。

治験体験談

兵庫県在住 K.Kさん(59)女性

一般的な健康診断は年1回受けていますが、自分の体の状態をもっと詳しく知りたいと思いました。様々な種類の治験がある事に興味が湧き、その中から気になる治験に参加しました。事前説明も詳しくして頂き、気持ちよく受診することができて、さらに自分の体を知ることができます。また何かの役に立てたような気がしてとても有意義なものでした。

大阪府在住 N.Sさん(39)男性

昼間の空いている時間に何かできないかなと、アルバイトに応募する感覚で治験に登録してみました。いざ参加が決まると色々と試されるのかな、と当初は不安に思いましたが、実際は全く違っていて治験をする目的、方法、安全性や終了日までの流れ等とても丁寧に説明して下さり、安心して参加できました。参加日程で都合が悪くなった時も、別の日程で調整して下さりとても気持ち良く終了することが出来ました。また機会があれば是非参加したいです。

大阪府在住 H.Nさん(56)男性

56歳男性です。最初は申し込みに戸惑いましたが、思い切って申し込んでよかったです。親しみやすいスタッフの方に対応いただきスムーズに受付が終わり、着々と検査が進みました。事前検診をクリアし本検診となり、いろんな宿題を課せられましたが、ひとつひとつは困難なものではなく、毎日地道に対応することで、全日程をクリアできました。また、機会があればチャレンジしてみたいと思います。

東京都在住 T.Yさん(43歳)女性

初めて治験に参加いたしました。事前の説明も親切丁寧で、安心して参加することができました。治験の期間は約4か月、その間数回の通院と毎日日誌を付ける治験でした。毎日の日誌は、全く負担にはならない程度の記載事項の記録でした。また通院日時も最初に案内があり計画も立てやすく、当日も誘導がスムーズで待ち時間も少なくストレスはありませんでした。無理なく参加できたので、また機会があれば協力したいなと思いました。

東京都在住 K.Nさん(22歳)男性

僕ははじめ治験で新しい薬を飲むことは、かなり危険なことだと感じていましたが、病院に行くとそこで丁寧に説明をしてもらいその後に健康診断を受けられます。 高校を卒業してからはこういった機会がなければ受ける機会もあまりありません。 自分の体が健康かどうかも確認でき、普段より色々と細かく検査してもらえるのでこれからも機会があれば参加したいと思いました。

治験ボランティア・モニター参加者の声(体験談)

このように、治験参加にはメリットもたくさんあります。ご自身の負担にならない範囲で、是非とも治験参加にご協力いただけますよう、何卒お願い申し上げます。

治験ボランティア・モニター参加者募集

  • フリーダイヤル0120-189-408