骨粗しょう症(骨粗鬆症)とは
骨粗しょう症(骨粗鬆症)とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気の事です。 エジプト文明の時代からある病気と言われている病気だそうですが、近代にかけ平均寿命が延びてきたことで、高齢者数が増え、深刻な問題をなっているのが現状です。 何も病気がないし、血液検査も異常がないから健康と思っている人でも、なにげない簡単な動作で骨折して、その時に初めて「骨粗しょう症」とわかる人も少なくないのです。
もともと、骨は、「皮質骨(ひしつこつ)または緻密骨(ちみつこつ)」と「海綿骨(かいめんこつ)」という2種類の骨から成り立っています。 皮質骨とは、硬くて緻密な骨の事をいい、海綿骨とは、小さな細い骨がジャングルジムのように複雑に組み合わさった構造をしていて、骨の強度を生み出しています。 なので、海綿骨の量が減ると、複雑にからみあったジャングルジムのような小さい骨の網目構造がくずれてしまい、あちこちでジャングルジムの「棒(骨梁:こつりょう)」がなくなっていくので、骨が弱くなり、骨折しやすくなってしまうのです。
特に、女性の場合は閉経してから、「エストロゲン」という女性ホルモンの減少により、骨密度が低下しやすくなるので、女性に多く見られる病気といわれています。 この『骨密度(こつみつど)』とは、骨を構成しているカルシウムを始めとしたミネラル類がどれくらい骨に詰まっているかを表すもので、骨の強さを示す指標の事です。骨密度は、測ってみないと骨量が多いか少ないかわかりません。自覚症状はあまりあてにならないのです!
骨粗しょう症(骨粗鬆症)の診断基準
骨密度の目安は、『70%』。骨密度測定で、「69%以下」といわれたら、骨粗しょう症と言われているようです。
骨粗しょう症の検査は、骨密度の測定をし、骨の密度を測って診断します。検査の方法は、医師により異なりますが、「X線」や「血液検査」で調べることが多いそうです。
まず、代表的な検査法として、「MD法(手部X線骨密度測定法)」「DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)」「超音波法」などがあります。これらの検査は、骨塩(骨の中のカルシウムやリンなどの総称の事) の量を計測し、骨の強度を推定します。
MD法は、アルミニウム階段という濃密表と手とをならべてX線撮影し、第二中手骨(手の中に隠れて見えない人差し指の骨)の状態と濃密表とをデンシトメーターという装置を用いて比較し、骨塩量を決定する検査になります。 DXA法は、高いエネルギーと低い子不ルギーのX線では、骨の透過度が違いますが、この性質を利用し、高低二種類のエネルギーのX線を照射して、体のどこかの骨密度を測定する方法です。
超音波法は、体の外から超音波を発信すると、骨の部分で、伝わる強さや速さが変わるので、この性質を利用して、ひざやかかとの骨の骨密度を測定する方法です。 この他には、ラジオアイソトープ(RI)といって、放射線を用いるDPA法やSPA法、 腰椎をCTで撮影し、その画像から推定するQCT法などがあります。治験ボランティア登録はこちら
関連項目
疾患
検査データ
著者/監修者情報
医学ボランティア会JCVN 事務局長
清水 陽介
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